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ビジネススーツを着た調理師

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:久一清志(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
私はオフィスの中で調理をしている。
毎日いたるところから注文が飛び交い、決まりきったメニューを裁いているのだ!
名ばかりはメニューを考える調理長という立場にあるものの、現実にはそうはではない。
立場は変わっても、その立場には関係なく注文は飛んでくる。
本来、自分のやりたい仕事を優先できる立場であるのに、
やっていることは以前と変わらない。
つまり、理想とはかけ離れた現実と戦っているのです。
 
子どもの頃から調理師に憧れていました。
「将来は何になりたいの?」
この質問には「板前になる」と即答していた。
高さ30センチの帽子とコートに身をまとうコックさんではなく、
和帽子と調理白衣の板前さん。洋食よりも和食。
というイメージは明確に持っていました。
 
たまごを焼き、野菜を炒めたりすることが楽しかった。
小麦粉を溶き、天ぷらを揚げたりもした。
調理のあと、片づけもきちんとできた。
そして何よりも家族に食べてもらい、
「美味しい」と言って、喜んでもらえることがとても嬉しかった。
 
学生時代は、アルバイトで割烹料理店の厨房に立ち、調理に没頭した。
板場、揚げ場、炒め場、洗い場の全てを経験した。
この経験から調理への興味はより一層深まり自信になった。
自分は調理人であるという精神が宿り自覚もできた。
自分で考えて、美味しい料理を作ること。
食べた人を笑顔にして、喜んでもらえること。
健康で幸せにすることが、調理師の醍醐味であることを自分なりに理解しました。
 
「いついつまでに資料を作ってください」という注文が入ってくる。
オフィスの中で普通に飛び交う会話です。
私がオフィスで行なっている調理とは、データを材料とした資料作りです。
何を隠そう。ただの会社員で担当部署を任されているだけの立場です。
 
調理師という職業を選ばなかったのです。
その理由は、自分の意志を明確に持っていなかったこと。
世間の常識に流されたことが理由でした。
 
世間の常識とは、「高校大学ぐらいはでておかないと……」という言葉です。
決して親から言われた訳ではありません。
自分がボーッと生きていた証です。
板前さんになるのであれば、中学卒業後に弟子入りするのが当時の道。
「いい学校に入って、いい会社に就職して」
人と違うことをするという不安が調理師への道をふさいだのでした。
 
注文の資料づくりは、主にパソコンを使って行ないます。
依頼された内容の通りに仕上げることが大切です。
繰り返して作る、決められた内容であれば簡単です。
初めてつくる新しい内容の場合は、気を使います。
必要となるデータを集めて、文字と数字、イラストや写真を
用いて計算、加工、編集などの作業を行ない完成させるのです。
 
この作業って、調理と似ていませんか?
決まったメニューで調理を行なうのであれば簡単です。
新しいメニューを考えて調理をする場合は、
材料、調味料、分量、調理方法を考えます。
 
ここが資料づくりと調理の共通点!
最も面白いところ!
見た目。でき具合。味。器。伝わりやすさ。愛情。
自己満足ではなく、人に満足して喜んでいただけるスパイスがどれだけ入っているか!
勝負の分かれ目。満足していただくことができれば成功。不満足であれば失敗。
 
失敗に終わった場合、資料は期限までに訂正して仕上げれば間に合います。
料理の場合は、お腹を満たしているとその場では受け付けてもらえません。
酷い場合は、次から食べてもらえなくなりますので慎重にならざるを得ません。
 
資料づくりにしても、調理にしても、失敗に終わらせない為にはゴールを明確にすること。
できあがりをしっかりと把握して準備することでその多くを防ぐことができます。
依頼された資料であれば、詳しく打ち合わせて内容を確認すること。
調理であれば、少しずつ味を見ながら作ることで大きく外れることはないと言えます。
 
情けない理由で進めなかった調理師への道。
代わりに進んだ会社員の道は、30年間一筋に走り続けてきました。
後悔は全くありません。会社員も楽しんでこられたからです。
 
仕事の本質は、人の役に立つこと。人に喜んでもらうこと。
このことを忘れずに取り組めば、仕事は何でも楽しい。
 
調理好きの会社員は、オフィスを厨房に例えればいい。
机は冷蔵庫。机上はまな板。
パソコンは電子レンジに引けをとらない超万能な調理器具。
できあがった資料は、食べてもらうお料理。
「ありがとう」という言葉が全てを満足にしてくれます。
 
今日の晩ごはんは何にしようか?
多くのお母さんたちは、毎日考えることに苦労している。
お料理にまつわる実話です。
直近に食べたメニューを振り返り、なるべく重ならないように
配慮してくれているのです。
また家計を配慮しての材料選びにも力を注いでいるのです。
 
メニュー選びに困ったときに、ふと思い出して欲しい。
「何を食べたら喜んでくれるか?」
視点を変えることで、メニューを考える苦労は
楽しみに変えることができます。
「お母さん、美味しい」「お母さん、ありがとう」の言葉は
お母さんの喜びに変わります。
 
人に喜んでもらうこと。自分自身が楽しむこと。
この2つを大切にして生活をすれば、前向きに進んでいけることを
実感しています。是非、実践していただきたい。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2020-11-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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