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新しい一日の誕生を目撃する -上機嫌な毎日を送るために― 


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:匿名(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
カサカサと落ち葉が擦れる音がする。
道はまだ暗い。木々の緑は黒色に沈んでいる。
 
自分の足音を聞きながらしばらく歩いている間に、街が目覚めはじめる。空がぼんやり白んで、木々を覆っていた黒色の膜が1枚1枚剥がれて、緑がだんだん濃く鮮やかになっていく。
世界が目覚め、色づき始める、1日で一番美しい瞬間だ。
 
早朝散歩は素敵だ。
新しい一日が生まれるこの奇跡を毎朝目撃することができる。
それだけで、毎朝早起きする価値はある。
 
だが、早朝散歩は、ただ美しいだけではない。
 
早朝の荘厳な雰囲気を再生するのは、ここまでにして、ちょっと味気ないが、効用を考えてみよう。
 
運動が、生活習慣病の予防や、ダイエットや、体力増強によいなどというのは、多くの研究結果から明らかだ。だがそれらだけでない効用が発見されてきたため、内科や循環器の専門医師以外の、脳科学者や精神科医なども運動に注目するようになってきた。
 
運動することで、脳機能が向上する、つまり「頭がよくなる」という研究がある。また、更年期に効くとか、腰痛などの「痛み」の軽減につながるということも最近分かってきた。
 
ウォーキングという軽い有酸素運動を朝に実施することで、セロトニンの分泌が盛んになる。よい睡眠がとれるようになる。美肌効果がある。便秘の解消が期待できる。などの効用もあるといわれている。
 
私にとって、朝散歩を続ける大きな効用の一つは、「メンタルに効く」ということだ。
朝散歩した日は、自己肯定感も上がり、一日中気分がいいのだ。一日中気分が良くご機嫌でいられるというのは、素晴らしいことだ。対人関係にも、仕事のパフォーマンスにも、日常のモチベーションにも効いてくる。
 
朝たった20分程度歩くことで1日ご機嫌でいられる朝散歩。素晴らしいのだ。
 
さて、やり方である。私がやっているのは、精神科医・作家である樺沢紫苑が勧めているやり方で、朝起きて1時間以内に15-30分外に出て歩くーというものだ。彼は朝日を浴びて散歩するのが大事と述べているので、夜明けから日の出を楽しむ私はちょっと早すぎなのかもしれない。
 
ここで、樺沢紫苑が書いた「ブレイン・メンタル強化大全」の中の、朝散歩について少しまとめてみよう。
 
1.朝散歩でセロトニンが活性化される。セロトニン活性には「朝日を浴びる」「リズム運動をする」「咀嚼をする」ことが効果的。
雨の日でも、外に出る方がよい。
セロトニンは「心の安定」「癒し」「やすらぎ」の素となる幸福物質で、気分や感情を安定させる。
2.体内時計をリセットすることができる。
3.朝の目覚めがすっきりし、パフォーマンスが上がり、仕事がはかどるようになる。
4.睡眠物質メラトニンはセロトニンを原料としているため、睡眠にも効く。
5.朝日を浴びることで、ビタミンDが生成され、骨粗しょう症やがんの罹患リスクを下げる。
6.朝散歩後、朝食を食べるとよい。朝食のおススメはセロトニンの合成を助ける「トリプトファン」が含まれるバナナ。
 
その他に私が自分で工夫している3点を書こう。
 
1つめ。以前は、アップテンポの曲を聴きながら、気分ノリノリで歩いていた。それもいいと思うのだが、今は、何も持たず、外の空気や、川の流れ、小鳥のさえずり、たまに聞こえる車の走り去る音、また、自分の立てる足音に耳を澄ませながら歩いている。始めのうちは、音楽がなくてなんとなく寂しく思っていたが、だんだんと慣れて、自然の音も結構いろいろ騒がしいのだなと思うまでになった。これは、歩くことに集中するためでもある。
 
次の工夫。「メンタルに効く」という効用のある朝散歩だが、瞑想も同様に「メンタルに効く」とされてるのはご存じのことと思う。瞑想の中に、「歩行瞑想」というのがある。歩きながら瞑想することなのだが、ゆっくり、歩くことに集中し、「今右足の裏が地面についた」「右足が地面を離れ、左足が地面についた」などと、頭の中で実況中継しながら歩く。この歩行瞑想は、実はものすごくゆっくり一歩ずつ歩いていくわけだが、そんな風にじわじわ歩いていると不審者と思われては困ると思い、これを応用して、普通の速度で歩くことだけに集中することにした。歩行瞑想風で普通からゆっくりめの速度で歩きながら、「今ココ」に集中して歩いている。
 
最後の工夫。朝歩くなんてめんどうだという人がいるかもしれない。私は、起きてすぐ出かけられるように、Tシャツとジャージをパジャマ代わりにして眠っている。環境を整えることは何気に大事だ。朝散歩から帰ってきて、シャワーを浴びてから、着替えている。
 
新型コロナの発生や、それによる経済状況の変化など、私たちを不安にさせるニュースの多い中、1日中ご機嫌でいるなんて、無理難題だ。
どうやったら、気分よく毎日過ごせるのだろう、幸福度の高い暮らしができるだろう。
 
それらの解決法の一つ、それが「早朝散歩」だ。
 
早朝散歩は、朝の美しさを感じられるだけでも素晴らしいのに、それだけでなく、その効果も絶大だ。
 
早朝散歩をはじめて、私は確実に以前より幸せを感じている。カラダもココロも調子いい。ストレスにも強くなった。仕事のパフォーマンスも上がった。一日中ご機嫌だ。爽やかな1日のはじまりは、もう何ものにも代えがたい。
 
もし、あなたが、何だか最近調子がでない……と思っているのなら、早朝散歩が効くかもしれない。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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