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着物姿が10倍美しくなる最も簡単な方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事: 萩野 晴(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「あら、あなた、その帯」
ゆかたでお出かけしたある夏の日、見知らぬご婦人に声をかけられた。
「結び方、おかしいわよ」
“文庫結び”という、ゆかた帯の最もポピュラーな結び方。胴に巻いた帯の片方を畳んで左右に羽根を作り、もう片方で真ん中をぐるりと巻き留めてリボンの形を作る。
帯の端は見えないように中に入れ込んでしまうのが基本だが、キティちゃんのリボンのような形がちょっと幼すぎるかなと、この日、帯の端を片側だけわざと見えるように出してアシンメトリーにしていた。
あのご婦人は、俗に言う着物警察だろうか。いや、もしかしたら本当に私の帯の格好が悪くて、ご親切で声をかけてくれたのかもしれない。けれど、自分で着物を着始めてまだ一年足らずのひよっこだった私は、「この方がかわいいと思ってこうしてみたんです」なんて説明する度胸もなく、ただ委縮して逃げ出してしまった。
 
私は正式に着付けを習ったことがない。リサイクルショップで手頃な着物を買い求め、本や動画の見様見まねで着付けを覚えた。正直、最初は着るのが楽しくなかった。着付け道具を揃えるだけでお金も労力もかかったし、やっと自力で着られるようになっても、自分の着物姿に納得がいかなかった。似合っていない気がする。着物の色や柄が良くないのか、着付けが下手なのか、そもそも着物自体が似合わないのか。
 
助けを求めるように着物ファッション誌を手に取っても、これなら似合いそう、私にもできそう、といったスタイルが見つからない。しかも、情報を仕入れれば仕入れるほど、着物の「格」だとか季節だとか素材だとか、細かいルールばかりで頭が痛くなる。
第一、礼装ではなく普段着に当たる「小紋」なのに、なぜこんなにカッチリ着なければならないのだ。苦しいし。パーツ多いし。着物を手にした人が最初にブチ当たる壁である。そして、こんなに大変な思いをしてやっと着て外に出ても、もしも着かたが間違っていたら?常にファッションチェックに晒されているようで、縮こまって歩く。
 
たった一回着るだけでしんどいのに、昔の人はこんな物をよく毎日着ていたな。
毎日毎日、着替えに四半刻もかけていたのだろうか。
こんなに一日中身体を締め付けて固定して、それで日常生活を送っていたのだろうか。
ああ、昔の人は凄いな。私はとても無理だ。
 
諦めかけた時に、ある物が目に留まった。
 
幕末に撮影された、女性たちの写真。
日常のひとときを切り取ったその写真では、皆、着物をゆるっと着ている。現代的に言えば、だらしない着かたと言えなくもない。
帯が身体のラインに沿って歪んでいる。
おはしょりがぐちゃぐちゃな人もいる。
あの、お腹を締め付ける帯板なんて誰も使っていない。
そうだ、生活着ってこういうことなんだ。
 
きっちり着ていないのに、どの女性も魅力的だ。
シルエットが曲線的で、それぞれの人柄や生活感までもが伝わってくる。
現代では、着物を着る時、タオルを使って体型を補正し、寸胴型にする。
体型も骨格も個性なのに、皆、ストンと同じシルエットにしてしまう。
補正し、締め付けているから、動きやすさは二の次。
衣服であるのに、着用した姿が生活と切り離され過ぎている。
私が現代の着物姿に抵抗を感じる理由が掴めてきた。それさえ克服できれば、着物を楽しく着られるようになる気がする。
 
誰もが毎日やっている衣服の選択。それは自分が快適に過ごすためと、より似合うものを身に着けるためで、一人一人の好み、体質、生活環境によって異なるものだ。
タイツにするか靴下にするか、タンクトップにするかTシャツにするかを気軽に選ぶような自由を、着物にも許してみてはどうだろうか。
 
まず、着物専用の下着をやめて、いつもの肌着の上に襦袢を羽織ってみた。
直接肌に触れるものを使い慣れた素材にするだけでも、身体がリラックスするのが分かる。
 
次に、体型補正をやめた。
何枚ものタオルとそれを巻く手間が要らなくなった。
 
帯のお太鼓もやめた。
お太鼓の中に入れる「帯枕」が背中と胸元を圧迫して肩が凝り、息苦しかった。
帯は、帯枕を必要とせず、布の面積も大幅に小さい「半幅帯」に変えた。軽くなった上に、身体の可動域が大きく広がった。
しかも、半幅帯は自在に結び方を変えられる。ネットでいろいろな結び方を調べては試し、オリジナルの結び方も編み出した。結び方によっては、帯揚げや帯締めといったオプションも省略できるし、背中側がぺたんこになるように結べば椅子の背もたれにだって寄りかかれる。何より、いくらでも可愛くアレンジできる!
 
他にも、余分な手間と道具を減らすべく、ちまちまと見えない所で手抜きをしまくった。
締め付けが苦しかった紐の結び位置は、お手本通りではなく、自分が苦しくない位置に変えた。
きちんと着付けをした着物ファッション誌の写真からはどんどん遠ざかっていったが、負担のない着かたをするようになったら、不思議と着物全体が身体にフィットして見えるようになった。
自然と表情も明るくなり、外に出るのも楽しくなった。
 
「あら、あなた、その帯、素敵ね。どうやって結んだの?」
最近はこう言われることが増えた。
正直、私の着付けの腕はそれほど上達していない。よく見れば雑な部分もある。だけど、着物を好きなように着ていることで、着物姿に自信が持てるようになったのだと思う。
 
着物デビューしたいけれど躊躇している方、頂き物の着物を持て余している方。
最低限の知識だけ手に入れたら、まずは自分のカラダが、ココロが喜ぶ着かたをしてあげよう。それがきっと、貴女と着物の相性を最大限に高めてくれるはずだから。
 
 
 
 
***

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
 


 
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2020-11-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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