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メディアグランプリ

夫たちの、食器洗い残し問題。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山本周(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「洗い残しが気になるねん」
妻が、私に遠慮がちに、しかし、はっきりキッパリそう言った。
 
え?
思わず彼女の顔を見た。
私が、家族4人分の夕食後の食器を洗い終えて一息ついたところだった。
居間のほうでは、10歳と8歳の子どもらが、ユーチューブを見たり、対戦ゲームで遊んでいる。
 
私の洗った食器に、洗い残しがあるということ?
彼女の言葉に、私は明らかにウロタエテいた。
わが家では、家事全般は妻が担い、私は、掃除や洗濯、食事づくりに、可能な範囲で参加する。食後の食器洗いについては、私が担うことが多い。
 
えーと、それは、たまたまではないですか? ちゃんと私、洗ってますよ。
そう言い返そうと思った。
でも、テストの点数が悪くて隠した答案を、ママに見つかったのび太のように、何も言えなかった。妻の口ぶりから、どうやら、洗い残しは、今回だけのことじゃないらしいのだ。
「食器の洗い残し」が、わが家の、継続的かつ長期的で、ようやく妻にやっぱり言わなきゃと決意までさせた問題……。
そうか、ワルかったな、ごめんよ、これからはちゃんとするぜ、と、日活映画の石原裕次郎のように、少し早口でその場をやり過ごせる……ようなものではないらしい。
 
しかし。
自分は、これまで、キレイに洗えている、と思っていた。
この50を越える歳まで。
なんだかショックだった。
 
家事の役割分担は、度々、メディアでも取り上げられる。
内閣府が昨年12月に調査したところによれば、家事にかかる時間は、夫婦2人の世帯で、妻が夫の2.6倍となっているそうだ。
さらに、子どものいる世帯になると、妻が夫の2.8~3.6倍、育児時間は2.1~2.7倍に上る。夫婦共働きが増えているにもかかわらず、負担が妻に集中している実態がある。
 
4年ほど前、朝日新聞出版の週刊誌、「AERA(アエラ)」に、「共働きの家事育児100のタスク表」という記事が載った。
「洗濯機を回す」、「保育園に迎えに行く」といった代表的な家事から、「残ったご飯をラップする」、「(子どもの)連絡帳を書く」といった細かいものまで、家事、育児タスクが細分化されたものだ。
それを、たてよこ、総数100個のマトリクスに配し、塗り絵の要領で、例えば、妻はピンク、夫はブルーで塗りつぶせば、夫婦の家事負担が一目瞭然になるというものだった。
 
これを使えば、なんとなく家事負担が重いと感じている妻側が、夫側に対し、ほれ、こんなに違うぞよ、と説得する手立てになる。
男性は、客観的な根拠で、順を追って論理的に説明されることにはヨワイ。
夫が、うむむと唸らざるを得ないあたり、当時、この「100のタスク表」にトライした夫婦が続出し、ツイッターが賑わった要因ではないだろうか。
 
しかし――
このタスク表には、大事なことが含まれていない。
私が直面したところの、家事の「質」に踏み込んでいないからだ。
 
私は、妻に、恐る恐るたずねてみる。
もう、今日は、彼女は私にとっての、この道の師匠だ。。
「えとえと、もしかして、これは世のお父さんの、よく犯しがちな失敗なのかしら? 」
 
妻は、ここぞとばかり、腰に両手をあて、胸をそらせた。
これは、結構、「夫あるある」やで。自分の友だちでも、ダンナには皿洗いさせてへん。洗わせると食器の汚れが気になって……。そない気ぃ使うなら、させんほうがマシっ! てね。
 
そ、そうか。
これは、世の夫の、共通の問題だったのだ。
私は今のいままで、この事実を知らなかった。
生理学的には、男性に多いテストステロンのような男性ホルモンは、男性に、競争に勝つことや、社会に出て活躍することには、ヨロコビを感じさせる。
でも家の片付けにしろ何にしろ、整理整頓されていてキレイだ、気持ちいい、といった感覚にはなりにくい。
 
そういえば、私は、食器以外にも、シンクに食べかすや、食材を切った余りなどが、散乱していても、あまり気にならない。
あとで片付ければいいかと思う。多少散らかっていても、意に介さない。
 
それに対して、女性は、エストロゲンのような女性ホルモンによって、部屋や食器や、その他なんでも、キレイになれば、達成感を感じ、気持ちのよさにつながっていく。
この差が、妻が、夫に「レベルがイマイチなのよね、ふん! 」と思わせてしまう原因なのだろう。
 
家事の分担割合だけではなく、家事の質が問われているわが家。
男性は、女性と同じ基準で、家事を行うことはムリと割り切るべきなのだろうか。そもそも、そういうカラダのつくりなのだから。
であれば、今は、便利な機器がたくさん出ている。食洗器や、調理家電などを駆使していくか。
そうすれば、夫たちの苦境を救えるだろうし、なにより、妻の家事負担を減らすことができる。
 
しかし、今回、一番よかったと思えることは、自分にはできている、と思いこんでいたことが、実は、そうではなかったという事実に気づいたことだ。
今は、少なくとも食器洗いに関しては、「質の向上」に向けて、地道な作業しかないと思っている。
 
 
 
 
***

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2020-11-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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