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苦いビールを甘くする簡単な方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:晶(ライティングゼミ・平日コース)
 
 
「初めてビールを飲んだのって、いつでした?」
ビール専門店で飲んでいる時、一緒にいた彼に言った言葉だ。
 
私が初めて飲んだのは、たしか5〜6年前だったと思う。
いや、本当のことを言えばもっと前。小学生の時だ。
 
“お酒は二十歳になってから”だから、小学生の時が初めてだとおかしいのだけど。
父親に無理やり口につけられた、というのが正しい。
酔ったノリというか、「お酒の味を知っておきな」という感じで、決して虐待ではないのでご安心を。
 
舐める程度だったが、「苦くてまずい!」と思った。
「お酒が飲めるようになってもビールは飲まないぞ」とさえ思ったほどだった。実際、飲める歳になってもチューハイやワインなどの果実酒を飲むことが多かった。
 
飲めるようになったきっかけは、夏に京都旅行に行った時だった。
一緒に行った姉がビールを頼み、私もなんとなくつられて頼んだ。
旅行で少し浮かれていたのか、少しいいお店で飲んだものだったからなのか、暑い日だったからか、味覚が変わったからなのかはわからないが、不思議と美味しく感じた。
 
それからというもの、飲み会の最初は「とりあえずビール」だし、暑い日にはビールが飲みたいと思うようになった。
しかし、やっぱり苦味はそんなに得意ではないし、炭酸がお腹にたまる感じがあるので飲んでも1杯くらいだ。他の甘いお酒の方が好みだったりする。
 
そんななか、『麦酒大学(びーるだいがく)』というお店で面白い体験をした。
 
いろんな種類のビールがあるお店なのかなと思い向かったが、違った。
こんなにもビールの苦味が取り除けるのかと驚いた。
最近はフルーツビールなどの甘くて飲みやすいビールもたくさんあるが、それとは違う。
 
中野のレンガ坂にある狭い階段を上がった2階。
机にはたくさんのビールに関する本。
『こち亀』や『もやしもん』などの漫画も置かれていて、ビールに関する話のところには付箋がついていた。
壁の黒板にはビールの作り方がイラストと共に描かれている。
本当に大学みたいだ。
 
席に着くと、店員のお兄さんがお店の説明をしてくれた。
「うちで扱っているのは、キリンのラガービール1種類です。昭和の復刻サーバーと平成のサーバーを使い10種類以上の味わいに変える“注ぎ分け”を行っています」
 
差し出されたメニューにはさまざまな注ぎ方が書かれていた。
 
麦酒大学注ぎ、1度注ぎ、2度注ぎ、3度注ぎ……
このあたりは、麦酒大学独自の注ぎ方や注ぐ回数なのかなと予想できた。
 
灘コロンビア、ミルコ、メルティ……
聞き慣れない言葉で想像がつかない。
 
一緒にいた彼は3度注ぎを注文。私は少し迷ったが、1度注ぎを注文した。
カウンターから見えるビールサーバーを使い、店長さんが目の前でビールを注いでくれる。
 
すぐに出てきたのは1度注ぎのビールだった。
彼のビールがくるまで待とうと思ったが、「泡が消えないうちにどうぞ」と促されたので一口飲む。
いつも飲むビールと同じ感じだ。苦味と炭酸を感じる。普通に美味しいビール。
 
少しして、3度注ぎが出てきた。
硬めの泡がモコっと乗っている。
 
彼が一口飲み、「おぉ!」という声をあげる。
私も一口飲ませてもらう。
「1度注ぎと全然違う、飲みやすくて美味しい!」
 
注ぎ方だけでこんなにも変わるのか。
3回に分けて、時間をかけて注いだことで強い炭酸の感じが無くなり、苦味も抑えられている。
 
ビール好きの彼は3度注ぎを早々に飲み終えると、メルティを注文していた。
ミルコ(チェコで飲まれている泡だけの注ぎ方)を注ぎ足して作るらしい。
 
ビールを注いでいる店長さんが小皿を差し出した。
「泡、食べてみます?」
小皿にはこんもりもられた泡。それをスプーンですくって一口食べた。
 
普段はビールの泡を“飲む”が、“食べる”ことはなかなかない体験だ。
 
「あ、苦い!」
どうやら、泡が苦味を吸着しているらしい。
その後出てきたメルティを飲ませてもらうと甘さを感じるほどだった。
 
ビールの見方が少し変わった体験だった。
炭酸でお腹がいっぱいになっちゃうから何杯も飲めないなと思っていたけど、注ぎ方で炭酸は抑えられるし、苦味も抑えることができる。
他の注ぎ方の味わいも気になってきた。
 
3度注ぎを出してくれた時に店長さんは言っていた。
「これ、家でもできるんですよ。回数を分けて、ゆっくり入れるんです」
 
次に家でビールを飲む時には、時間をかけてゆっくり入れてみようかな。
もしかしたら、ビールをもっと好きになれるかもしれない。
 
 
 
 
***

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2020-11-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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