私、大人になってからクラシックバレエを始めたんですよ、
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：江見晴美（ライティング・ゼミ日曜コース）
私、２年前からクラシックバレエを始めたんです。
そう、大人になってから。
きっかけは、当時付き合っていた彼氏との関係が上手くいかなくなって、私の時間を充実させたいと思ったから。
出勤前に朝活でもしようかなあと思って、googleの検索バーに「地域名」と「朝活」を打ち込んで、検索。
「クラシックバレエの朝活なんてあるんだ……」
それを見てすぐに思い出したのが、子供のころにバレエをやっていたという友達のこと。
高校生のときに辞めたらしいけど、それから15年以上経っても、スタイルがキレイで、品のある友達。
「あの友達みたいなオーラがあれば、私、もっと堂々とできるかもしれないなあ」
カフェで座って学ぶような朝活をしようと思っていたけど、気持ちがどんどん舞い上がって、バレエの体験レッスンに行くことに。
レッスンは月曜の朝７時から始まる。
5時過ぎに電車に乗らないといけないし、起きるのは４時か……
前の日は遅くても２２時までには寝ないと、体力もたないなあと思って、日曜は早い目に休んだ。
朝起きてみると、外はまだ真っ暗。テレビも放送されていない。
なんとなく寂しい気持ちになりながら、家を出た。朝焼けがキレイだった。
スタジオに着くと、先生と３人の女性がいた。
こんな朝早くのレッスンだったら、私1人かもしれないなと思ったけど、こんな時間に一緒に参加しているということだけで、なんだか親近感がわいてくる。
私が行ったスタジオは、初心者だからといって何か特別なケアをしてくれるわけではなく、見ながら覚えてね、というスタイル。
訳も分からないまま、見よう見まねでレッスンを受ける。
とりあえずこの時間帯で、スタジオに入会することにした。
レッスンは夜の時間帯にもあるのだけど、残業で疲れて行きたくなくなるかもしれない。
出勤前の時間帯が１番続けられそうな気がする、合わなくなったらまた考えよう。
レッスン後、コンビニに寄って軽く朝食を摂る。
そして会社へ出勤し、仕事をしていると、
「え……私、すごく機嫌がいい。仕事、めっちゃはかどる……なにこれ！」
これがバレエを続ける強い動機になった。
「機嫌がいい！」
月曜は１日機嫌よく過ごせるし、１週間の生活リズムも良くなっていった。
(ただ、仕事を終えて家に帰るとめちゃくちゃ眠い。そして火曜もまあまあ眠い)
運動するとこんなメリットがあるって、知らなかった。
気持ち良くなれることは分かった。
ただ、大人になってから始めるバレエはめちゃくちゃ難しい。
子供のころから始めると、身体の柔らかさが大人になっても維持されるのだけど、大人から始めると、身体にクセがついてしまっている。そして私は筋肉がつきづらい体質らしい。
爪先立ち、片足立ち、一瞬はできても維持ができない。
バレエを始めてしばらくして、接骨院に通うようになった。
接骨院の先生に、骨や関節、筋肉のことを教えてもらう。
バレエの先生も身体のことは詳しいし、教えてくれるんだけど、子供のころからバレエをされているから、先生が当たり前のように自然にこなしている動きが、私はどうやったらできるようになるのか分からない。
バレエの先生と私の間にある溝を埋めてくれたのが、接骨院の先生のアドバイスだった。
「私たちのアドバイス1つで、今まで苦労していたことから解放されることがあるみたいなんです。例えばプロボクサーのパンチ力の強さは平均200kgですが、少し手を加えてあげると400kgになったという例もあります。がむしゃらに練習して成績があがらずに、身体を壊してしまう人もいるので、何か困ったことがあったら直ぐに聞いてみてください」
先生に聞くことは大事だけど、他の視点をもった人の意見も聞いてみることも大事なんだな。そんなことを学んだ。
足で踏ん張ることに気がとられて、腹筋に力を入れるのを忘れる……
手の位置に意識を向けると、首の位置への意識が抜ける……
バレエを踊っているときは、体力的にしんどいけど、そんな中でも頭はフル回転。
バレエって、やってみるとこんな感じです。
ピルエットという片足で立って一回転する踊りを、2年経ってもまだできない。
骨の位置が正しい身体だと、もう少し上達が早いのかもしれない。
悔しい。悔しい気持ちでいっぱいになって、先生のアドバイスが耳に入ってこないときもある。
けど、続けられている。
身体を動かすことが楽しいから。
バレエの先生が根気よく教えてくれるから。
接骨院の先生のサポートがあるから。
キレイな体形と、キレイなしぐさを身につけたいという思いがあるから。
そして、いつか舞台に立ってみたいという思いがあるから。
何年かかるのか、全然先は見えないんだけど、
いつか舞台に立つ日がきたとき、そこから見える景色はどんななんだろう。
どんな気持ちになるんだろう。
緊張しまくってるのかな、それとも積み重ねた努力を振り返って、胸がいっぱいになるのかな。
バレエは舞台に立つとき、笑顔を作りながら踊る。
心からあふれる笑顔で舞台に立っている私をイメージしながら、またレッスンに向かっている。
＊＊＊
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