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今、コロナよりも大流行しているもの


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記事:ともえ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
まだコロナウィルスが世界的に猛威をふるう前のこと、天神のVan Cleef & Arpelsでキラキラ輝くジュエリーや時計をみせてもらっては心をときめかせた。
 
接客をしてくれたチーフの話はどれも興味深かったが、特に心に残ったことがある。
 
それは、ヨーロッパの女性はジュエリーを買うとき、
まず最初にネックレスから迎え入れるのだそう。
その理由は、相手へのおもてなしの心なのだと。
 
指輪やブレスレットと違って、ネックレスは自分からは目に見えない。
でも、相手の目にはよくうつる。
 
最初にネックレスを選ぶことは、自分の目を楽しませることよりも
相手の目を楽しませることを考えているからなのだそうだ。
ジュエリーを手にするとは、そういうことなのだ。
 
コロナが大流行していることは今や知らない人などいない。
でもコロナよりも、もっともっと世界的に大流行しているものがある。
 
それは、マスクだ。
マスクをつけている人の数は、コロナ感染者よりも多い。
 
コロナは確かに流行っている。でも、マスクの方がもっと流行っている。
これを、憂鬱で厄介な出来事と捉えることもできるけれど、
私は、Van Cleef & Arpelsのホスピタリティを身につけるチャンスかもしれないと思っている。
 
もしかして、もしかするとだが、今、世界的に流行しているのは
あのVan Cleef & Arpelsでみた、キラキラ輝くネックレスのような素敵なものなんじゃないかな?
 
緊急事態宣言が出され、ステイホームが余儀なくされた2020年3月、
私はオンラインショッピングサイトを片っ端から調べていた。
きっとどこかに、素敵なマスクが売られているんじゃないかと思ったからだ。
 
案の定、様々なアパレルブランドが「おしゃれマスク」を続々と商品化して販売を開始していた。
そのうちブランドに留まらず、ハンドメイドでマスクを作ってSNSにアップする人たちもたくさん目立つようになってきた。
そしてその頃、マスク用のゴムの生産が追いつかず、手に入らない事態にまでなっていた。
 
なんということなのだろうか。
 
不謹慎に感じる人もいるかもしれないが、私はこの突如として沸騰したマスク市場にとてもワクワクしていた。
実は私は、今から10年前、小さなハンドメイドの洋服作りではじめての起業をした。
その頃から、手作りでマスクを作っている人はいたのだけど、本当に一握りの小さなマーケットで、需要といえば、子供用のマスクが主だった。理由は、給食当番で必要だからだ。
 
大人のマスクに関しては、ほとんどマーケットがなかった。
マーケットがないということは、進化することもない。
当時みかける布マスクは、ただ布を直線に切ってゴムを通しただけの無愛想なフォルムのものしかなかったし、アパレルブランドはマスクの開発に労力を割くことはなかった。
 
そう、マスクに「口を覆う」以外の要素を追求し、改良を重ねるチャンスなど与えられたことなんて、きっと今がはじめてなんじゃないだろうか?
 
一日のほとんどの時間をマスクと共に過ごさねばならなくなった私達は、
ついに「おしゃれでファッション性の高いマスク」を追求するようになったのだ。
 
マスクをしている顔なんて、自分からは見えやしないのに。
 
これは、私達のホスピタリティの開花とも言えるんじゃないだろうか。
Van Cleef & Arpelsで教えてもらった、最初にネックレスを選ぶという風習である。
 
ネックレスをする人も、しない人もいるだろう。
それを身につける理由もきっと、みんな違うだろう。
 
でも「目の前の相手の目に映る」という事実は変わらないし、現に今、世界にはおしゃれなマスクが溢れている。
これを私は、人類の優しさがもたらした「マスクの進化」だと感じている。
みんなの中のホスピタリティが具現化されているんだ。ひっそりそう思うことは、誰も傷つけはしないだろう。
 
マスクをつけることに、色んな意見があることはわかっている。
健康面から注意喚起をおこなっている人もいるし、
そもそも感染抑止力があるわけではないということからマスクをつけることに無意味さを感じる人もいる。
 
では、Van Cleef & Arpelsのネックレスだと考えたらどうだろうか。
いま世界的に流行っているのは、Van Cleef & Arpelsのネックレスなんだ。
 
しかもその理由は「相手の目を心地よくするため」なんだ。
そんな意味づけは、自分の心を和ませ楽しませてくれるはずだ。
 
ネックレスと違い、何十万もするわけじゃない。
お気に入りのマスクと出会うなら、今しかない。今ならプロのパタンナーがデザインしたマスクが市場にはたくさんある。
 
「そのマスク素敵ですね」
 
なんて会話を楽しむことだってできる。実際に私はそうやって、素敵なマスクをしてる人から情報を聞き出して、お気に入りの一枚を見つけることができた。
マスクナンパである。
 
そのマスクは紐の部分に工夫がされていて、耳の後ろでユラユラ揺れてとっても可愛い。
イヤリングができなくても、目を引くワンポイントになってくれて華やかだ。
こんなデザインを最初に考えた人は天才だ。マスクに莫大な需要が生まれてくれたおかげだ。
 
こんなことでもなければ、この素敵なデザインは生まれなかったかもしれない。
 
コロナが生み出すのは、悲しみや混乱だけではないのではないかな。
きっと私達の内面に、Van Cleef & Arpelsの宝石にも劣らない輝きを育んでくれるだろうと私は期待している。
 
 
 
 
***

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2021-01-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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