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目尻をケアするように関係性もケアしてみよう

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:空飛ぶぺんぎん(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
目尻のシワが気になる。
 
それなりにいい歳なのだから20代の時に比べたら増えているのは当然なのだろうけど、それにしても気になる。
 
自分の目元が気になりはじめると、人の目元だって気になる。
下手をすると、同年代の友人やパートナーの目元をじーっと観察してしまうときもある。
間違っても、シワ増えたなあ、とか言ったりできないデリケートなものだけれど、シワは年齢を重ねるごとに、わたしたちの目元に生まれてくる。
 
目尻のシワは、複数の原因が重なって生まれる。
化粧品メーカーのウェブサイトには、目の使い過ぎ、肌の乾燥、紫外線、加齢が原因で生じるとある。対策としては、ブルーライトカット、目元の保湿ケアや、UVケアなど、こまめにお手入れをすること。また、気になったらその時からお手入れをはじめることが大事らしい。
 
出来てしまったシワは、こまめなお手入れで改善する。
あきらめないことが大切だ。
 
目元のシワに思いをはせてみると、まるで、人と人との関係性のようでもある。
人と人との関係性は切っても切り離せないものであるが、関係性についてこまめにケアしたり、わたしたちの関係性を考えてみよう、と改まって話す機会もなかなか持ててはいない。お互いに違和感も感じながらもなんとなくやり過ごしていて、気がついたら大きな断絶が生まれていた、なんてこともある。
 
関係性は、目尻のシワのように、とてもデリケートだ。
 
わたしたちは、誰かと接することなく生きることはできないし、すべての悩みは人間関係の悩みである、とアドラーも言っているのに、なぜ、わたしたちは関係性をケアしようとしないのか。
 
アメリカに「Elephant in the room(部屋のなかの象)」という慣用句がある。
 
これは、部屋の中に大きな動物の象がいるのに、誰も「象がいるよね?」と言わずに見ないふりをしているということの例えで、全員が重大性を認識しているにもかかわらず、あえて触れようとしない問題という意味だ。
 
関係性がケアされない理由としては、この「部屋のなかの象」だからだ。
問題があるなと思っていても、触れにくい。関係性は目に見えないからこそ、相手が本当にどう思っているかわからないなかで、わたしたち、関係性悪いよね、なんてうかつに言えない。
 
ましてや、私たちは、関係性のケアの方法を誰かに教えてもらったことさえない。どう取り扱えばいいかわからないということもあるのだろう。
目にみえないし、取り扱い方もわからない関係性。そりゃ、部屋の中の象にならざるを得ない。
 
そして、関係性における問題を解決するのは非常に難しい。
 
700組の夫婦やカップルを調査したジョン・ゴッドマン博士も言っている。
『夫婦の7割の問題は永続的に続く問題である』と。
 
この調査結果は、人間関係の問題の大半は解決しないということを教えてくれる。
家族という身近な関係性(だからかもしれないが)でも、難しいのだ。
家族という絆がない関係性の場合であれば、なおさらだろう。
 
わたしたちは、100%分かり合うことはできない。
だからこそ、わたしたちは、「わかりあえないのだ」という前提にたってお互いに歩み寄ろうとすることが必要なのだ。
 
以前、夫婦向けのセッションが思うようにうまくいかず落ち込んでいたとき、友人からこう言われた。
 
「夫婦の問題が、1時間でなんとかできると思うな」
 
ごもっともである。
 
では、そんな難しい関係性をケアするために、ぜひおすすめしたいことがある。
 
それは、相手の立場からものごとを見てみることだ。
 
同じ出来事でも、人によって見えている景色は違うものだ。
そして、当たり前だが、わたしたちは、多くの場合、自分の立場からものごとを、見るのに慣れている。
 
とあるオンラインの会議の進行役を務めた際、本題に入る前に参加者から一言ずつ声を出してもらう時間に取ったとき、その時間が無駄ではないかと参加者の一人から言われたことがある。
 
わたし(進行役)の立場から言えば、オンラインに慣れていない参加者が多いなかで、まず、本題に入る前に一人ひとりから声を出してもらうことは、本題に入ったときに意見を出しやすくなる効果があると考えているため、必要な時間であるという見方をする。
一方で、その発言をした参加者の立場で言えば、本題をしっかり話したい、という思いがあり、雑談のような時間は不要である、という見方をしている。
 
「本題に入る前に参加者から一言話す時間」について、立場が変わると、有効か不要か見方がこんなにも変わるのだ。
 
この時は、「本題をしっかり話したい」という気持ちは共通していることを感じ、本題をしっかり話すために、そういう時間を設けているのだという意図を伝えることで、その方には理解していただけた。
 
自分の立場だけでなく、相手の立場からも、ものごとを考えてみる。
そうすると、違いだけでなく、共通している気持ちやどんな思いを持っているのかを推しはかることができ、歩み寄るためのヒントが見つかる。
 
深く刻まれたシワのケアが難しいように、相手との溝が深くなればなるほど、関係性のケアはもっと難しくなる。
シワは目に見えるけれど、関係性は目に見えないから余計にやっかいだ。
 
シワのように、関係性も気になった瞬間からケアをすることが必要だ。
読み終わったら、今、思い出した誰かとの関係性をケアすることを考えてみてほしい。
 
 
 
 
***

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2021-01-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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