好意の1対2対7の法則
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記事:西眞紀子(ライティング・ゼミ日曜コース)
「あなたは大勢の前で話をする時、緊張しませんか?」
わたしが大勢の前で話をした最初の記憶は、幼稚園の発表会だ。
発表会の最後のあいさつを代表者として大勢の前で話をした。前もって原稿がありそれを暗記してあいさつしたのだ。その時の映像はありありと覚えているが、緊張した覚えはない。
なぜ緊張せずに出来たのか? いまだに不思議だ。
小学校、中学校と年齢を重ねるに従い、だんだんと緊張しやすくなった。小学校3年生で初めて学級委員になったが、司会進行役などは苦痛でしかなかった。
高校生の頃には、人前で話すのは緊張するという、はっきりとした苦手意識が付いていた。それでも生徒会の役員や卒業式の総代のあいさつなどは、表面上無難にこなして見えただろう。そう、高校生のわたしはプライドが高かったのだ。
わたしは高校受験を逃げた。自分の実力の上を目指さず、ひとランク落として楽に高校に入学したのだ。結果、その高校では成績が良かった。3年間クラスのトップの座を譲らなかった。そして変なプライドが付いた。わたしは特別なのだと。そのプライドのおかげで、どうにか人前で話をすることができた。
そのプライだがへし折れるは、社会に出てすぐだった。高卒で就職した会社には、わたしより優秀な人材がたくさんいた。あたり前だ、高校での小さな世界のトップは社会では通用しない。いっきに劣等生になってしまった。そして、人前で話すという苦手な部分がクローズアップし、ますます緊張するようになった。
いちばんひどかったのは、入社3年目、会社での品質改善の発表会だった。100名近い人の前で、話したそれはひどかった。10分たらずの発表だったが、足が震え、声も震えた。言葉はつかえてばかり、もちろん手も震え、原稿のページがめくれない程だった。
終わった後は落ち込んだ。わたしだけだ。こんなに緊張して上手くいかなかったのは。どうしてダメだったのだろう。やっぱりわたしは実力がないのだ。人より劣っているのだ。
会社のお荷物になった気分だった。
それから歳を重ね転職もした。だんだんと人前で話すのには慣れてきたが、緊張するのは変わりなかった。就職活動の面接や自己紹介の場面では、足が震え、声も震え、手も震える。来客にお茶を出すのにも手が震える始末だ。今でも苦手意識は消えない。
そんな中、最近「好意の1対2対7の法則」を知った。
ユダヤ教の教えにこんな一文があるそうだ。
『10人の人がいるとしたら、そのうちの1人はどんなことがあってもあなたを批判する。あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。そして10人のうちの2人は、互いに全てを受け入れ合える親友になれる。残りの7人は、どちらでもない人々だ』
嫌い1、好意2、中立7。
精神科医の樺沢紫苑氏は、著書「ストレスフリー超大全」(ダイヤモンド社)で、これを「好意の1対2対7の法則」と呼んでいる。
中立はプチ好意派と考えると、自分を嫌い批判する人が1人いる場合、自分を応援している人は9倍もいるということになる。
まわりの人々はいろいろな性格やいろいろな考え方の人がいる。自分と気の合う人もいれば、気の合わない人もいる。全員と気が合うということもなければ、全員と気が合わないということもない。そんな中で「誰からも嫌われない」とか「全員と仲良くする」というのは不可能だ。
でも、自分を嫌う人の2倍好意的な人がいるし、まったく嫌ってない人がその7倍もいるのだ。
この法則を知ってから考えが変わった。
大勢の前で話をする時、そんなに緊張しなくてもいいのだと思うようになった。
周りは敵ばかりではない。むしろ好意的な人が9割いる。「好意の1対2対7の法則」をイメージするだけで「自分には味方がいる!」ということが明確になり、勇気が湧いてくる。
大勢の前で話をする時は、周りをよく見よう。きっと好意的な視線があるはずだから。そんな視線に出会えれば、緊張も和らぐだろう。
また、緊張は悪いことばかりではない。ある程度の緊張感や緊迫感はあったほうが、パフォーマンスは上がるということだ。
緊張してきたときに、「ああ、緊張してきた。失敗したらどうしよう」とネガティブな言葉を口にするのではなく、「パフォーマンスが上がってきた」と言葉に出すと良いという。
入社3年目のあの日、なぜあんなに緊張したのか? それは全員が敵だと思っていたからだ。周りに良く思われたかったのだ。自分の実力以上の評価を求めていたのだ。
あの時の自分に言ってあげたい。あなたを応援している人がたくさんいるのだと。ありのままの自分を表現すればいいのだと。
***
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