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人生は半年で尽きると知ること


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:鈴木(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「それはお金のためにやるの? それともやりたいからやるの?」
 
小学4年生の娘に聞かれた。
 
私が、Youtuberをはじめると言った時の反応だ。
 
「両方かな」
 
と私は答えた。
 
でも、本当はお金のためだけだった。でも、そうは答えることができなかった。
 
私が答えられない理由は、彼女が普段行っていることは、全部「やりたいから」やっていることだとわかっているからだろう。
 
私は自分が立ち上げた事業以外に、ある大学の理工学部でキャリアデザインの講師も行っている。
 
そこでは、誰かの役に立ち、自分のやりたいと思うことを精一杯やる、それが働くということだと話している。
 
大学生に必ず聞く質問で、「何のために働くのか」と聞く。
 
それに加えて、
 
「誰かが5億円くれても働きますか」
 
と質問をする。
 
そうすると、8割くらいの大学生は、「働く」と答える。
 
2割の大学生はお金があれば働かないということだ。
 
みんな、働くのは「お金のため」というのは大前提だと思っている。
 
そもそも、生きていくにはお金が必要というのは、ほぼすべての人に当てはまる。
 
本屋に行くと、仕事についての本は「やりたいことをやれ」の大合唱だ。
 
そのくせ、親が子供に望む仕事は、「公務員」や「大企業の会社員」ときている。
 
このねじれはいったいなんなのか。
 
ねじれているのだからもちろん戻さなければならない。
 
世代によってそれがねじれでない場合もある。
 
団塊の世代であれば、働くのはお金のため、生活のためが第一だっただろう。ちょうど高度成長期の波もあり、とにかくがむしゃらに働くことがベストの解だった。
 
団塊ジュニアの世代になれば、働くのはお金のためでもあるけれども、どこかそれだけでは物足りない人たちが増えてきた。そのために、やりたいことをやっている人たちがメディアで発言するようになった。「ホリエモン」などは良い例だろう。
 
そして、その子供の世代、つまり今小学生の子供たちなどは、まさに「やりたいからやる」ということが働く意味になってきている。
 
たかが小学生といっても、触れている情報は、2010年以降の情報だ。昭和生まれの人たちが触れてきた情報とはまるで違う。学校で学んでいる内容は50年前と変わっていないが、触れている情報が違うのだ。
 
「老いては子に従え」
 
まさにこの言葉があてはまる。
 
自分はなんのために働くのか。
 
「お金のため? やりたいから?」
 
このときに胸をはって「やりたいから」と言える仕事でなければそれは、「お金のため」であり、旧世代の考え方に陥っていることになる。
 
「やりたくない」
 
と思っている人の料理を食べたいだろうか。
 
「生活のためだから」
 
と思っている人の音楽を聴きたいだろうか。
 
一生というのは案外短い。
 
若い人はみんな永遠に続くと思っているけど、そんなことはない。
 
あと半年で寿命が尽きるとわかっているときに、今の仕事を続けますか。
 
5億円もらっても、今の仕事を続けますか。
 
みんなそれなりの答えがあるはずだ。
 
その答えに正直に答えたときに自分の生きる道が見える。
 
生きる道が見えないのならば、それは生きているとは言えない。
 
生きるとは自分の道を生きることだ。
 
誰かにこう思われるように、親の心配をさせないように、それぞれ自分ではない思いのために自分をしばっていることがあるとき、それはゾンビだ。
 
ただ、本当のゾンビと違うのは、自分が気づけば、ゾンビから人になることができるということだ。
 
かつて、iphoneやMacを世に送り出したスティーブジョブスは、今日が人生の最後の日だと思って毎日を歩んでいたと聞く。
 
私たち凡人がそこまでは考えることができなくても、半年後に寿命が尽きると思って生きることはできるはずだ。
 
半年後に寿命がつきると思って生きることは、きっと、無駄な時間をなくしてくれる。
 
毎日、充実した日々を送りたいと誰もが思っている。
 
無駄な時間というのは、自分以外の時間を生きることだ。
 
人生が100年になった今、できることは数多い。
 
やれること、すべてやる、あと半年後に寿命がつきると思って今を生き急ぐ。その意識がある人とない人とでは人生の密度がまるで変わる。
 
もちろん、半年後に死にたくはないけれども、そう思って判断すれば、多くのことはすぐに答えが出る。
 
また、そう思うと多くの悩み事は悩み事ではないことにも気づくことができる。
 
本当に今悩まなければならないことなのか、どうなのか。
 
小学生の娘の問は案外、本質を突いた質問だ。
 
 
 
 
***
 
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2021-01-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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