アロマセラピスト歴18年の本好きアロマセラピストが選ぶ、資格取得から次のステップへ進むためのおすすめ5冊
*この記事は、「リーディング・ライティング講座」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
記事:アロマ書房(リーディング・ライティング講座)
どんな学びにもあると思うのですが、最初は「面白そう!」「もっと知りたい」という純粋な好奇心だったものが、「資格取得」「試験に合格」という目標という名のハードルができた途端、眉間に皺を寄せてのオベンキョウになってしまいがち。
本来なら、具体的にやりたいことがあって、それを実現するために必要な学びの通過点に資格取得があるはずなのに、目的が資格を取ることにすり替わってしまい、「あれ、私何がしたかったんだっけ」と迷子になったり、試験でエネルギーを使い果たし、「合格」という成果を手にしたことで、その後いっさいやらなくなると言った話をよく耳にします。
かく言う私も、「アロマセラピー、いい香り!やってみたいな」から、「具体的な活用イメージはぼんやり」でスタート。その結果、「自分はアロマセラピーを通して何がしたいのか」にたどり着くまでに3歩進んで2歩下がる、時間もお金もたくさんたくさん(2回言います)かかりました。
それが、無駄ということではもちろんなくて、その迷子状態と人生に起こるもろもろが掛け合わさり、自分なりの着地点「自己表現としてのアロマセラピー」にたどり着きました。それらがあってこその今と、確信をもって言えます。
ただ、もし私と同じように「アロマセラピーで何がしたいのか」とグルグルしている仲間がいるとしたら、「こんな入り口もあるよ」というヒントになるかもしれない5冊をご紹介したいと思います。
テーマその1「旅とアロマセラピー」
「佐々木薫のアロマセラピー紀行」佐々木薫
これは、まさにアロマセラピストにとっての聖地巡礼。
A4判のフルカラー。うつくしい写真から香りが漂ってきそうです。
サブタイトルは「世界のハーブと精油のルーツを訪ね、その魂を知る旅」萌えます!
テーマその2「文学とアロマセラピー」
「それから」夏目漱石
文豪の名作「それから」に、アロマセラピーに通ずるくだりが出てきます。
「枕元の花が、次第に夢の方へ、躁(さわ)ぐ意識を吹いていく(中略)代助の神経は生まれ代ったように落ち着いて、世間との連絡が、前より比較的楽に取れる」
主人公代助が、外界からの刺激に疲れると淡い甘味の花の香りを嗅ぎながらうたた寝をする場面。
これはまさにアロマセラピー! 「香道」という香りの文化も持っている日本人。その歴史をたどれば源氏物語もアロマの世界を深める1冊になります。
香りが作品の中でどんな役割をしているか、という視点で読むのも面白いものです。
テーマその3「心理学とアロマセラピー」
「香りの心理分析 アロマアナリーゼ」藤原綾子
心とアロマセラピーについて関心があるなら、必読の1冊です。アロマセラピーについて勉強してきたことのすべてを、余すところなく活かせるメソッドのひとつなのではないかと思います。
「精油はこんなこともできるのか!」という新鮮な驚きを感じたのは、何を隠そうこの私です。
テーマその4「占星術とアロマセラピー」
「パトリシア・デーヴィスのアロマセラピー占星術」パトリシア・デーヴィス
最近よく耳にする「風の時代」という言葉は、占星術の世界から届いた言葉。
「目に見えるものから見えないものへ」「持つことから知ることへ」など様々なキーワードが紹介されています。
もともと、西洋医学が世にでるまでは、ヒトも自然の一部という括りのなかで、宇宙や植物のリズムと一緒に語られていました。そう考えると、アロマセラピーと占星術の組み合わせはとても自然な流れと言えます。星座別シンボル精油を知っておくだけでもクライアント理解に役立ちますし、自分自身の手引書にもおすすめ。
テーマその5「哲学とアロマセラピー」
「スピリットとアロマセラピー」ガブリエル・モージェイ
プロのアロマセラピストが読んでいる率90%はいくのではないか(自分調べ)というくらいガチな1冊。
具体的な症状や精油の働きの解説もさることながら、東洋医学をベースにした「生命」の捉え方についての深い考察は、まさに哲学。心理的ストレスの様々なパターンが紹介されているので、「あ、これ自分のことだ」と必要な精油をすぐに取り入れられます。
アロマセラピーについての学びは、精油の化学成分や働き、学名などといった「暗記もの」が中心となりがちですが、「心や体を健やかにするツール」ということは、幸せについて語るものなんですよね。
「ストレスにはラベンダーがいい」という入り口から、「ストレスってそもそもなんだろう」、「それをストレスと感じる自分ってなんだろう」と、どんどん因数分解していくと、「あなたらしさ100%」の成分が抽出されるやもしれません。
ご紹介した5冊は、あなたの因数分解にきっと役に立ってくれるはず!
ぜひご参考にしてみて下さい。
《終わり》
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