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メディアグランプリ

かたづけは、感性を研ぎ澄ます研磨剤

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:佐々木 茜 (ライティングゼミ平日コース)
 
 
「かたづけは人生を変える魔法」
この言葉を1度は耳にしたことがある人も多いのではないだろうか。
 
片付けが持つ可能性に魅せられた一人の日本人女性・片付けコンサルタントこんまりこと近藤麻里恵さんの言葉である。
 
“あぁ、あのミニマリストの人ね“ ”ひたすらモノを捨てまくるんだよね“
こんな声も聞こえてくるし、私もそうだと思っていたが、それはどうも違うようだ。
 
彼女の片付け方法は今や世界中の片付けを苦手とする人々の胸に響き、英語で”Spark Joy”(ときめき)という新しい概念まで生まれているそうだ。
 
なぜ冒頭でこの紹介をするのか。それは私もそんな彼女の片付けの魔法に魅せられ、片付けを通して自分の感性に大いに磨かれることに気づいてしまったからだ。
 
今回はそんな実体験をここに記したい。
 
Netflixで彼女の番組が世界中から支持されるようになったのを見て、ずっと興味をいだいていたものの、ずぼらな私は実践するのに重い腰が上がらずにいたのだが、引越しで自分が持つ全てのモノを大移動する機会を得られたので、挑戦してみることにした。
 
彼女の片付けメソッドは至ってシンプルである。“自分のときめくモノ“だけを選択し、そうでないものは手放す。それが全てである。
 
具体的な方法としては、服、本、キッチングッズなどモノをカテゴリー別に手をつけていくのだが、自分の持つ全てのものを一箇所に山積みにする。そこから一つ一つ手にとり、“自分がときめくかどうか“を基準に手元に残すもの、手放すものを見極めていくのだ。そうすることで、自分が本当に心から必要としているものに囲まれ心がワクワク、キラキラする空間を作り出すことができるのだという。
 
私はそんなに普段からモノを持つ方ではないと思っていたし、部屋もそんなに片付けるのが苦ではなかったので、すぐに終わるだろうと自分を買い被っていた。
 
でも実際に始めてみると、どうだろう。部屋の一部に山のように積み上げられたモノたちに目をやると、それらは自分が把握していた以上に溢れかえっていたことに気づく。
 
就職活動時迷走を繰り返し買いすぎてしまった自己啓発本や要らなくなった大学・留学関係の大量の書類。あまり好きじゃないけど、まだ色あせていないし機能的だからそのうち着るだろう、と1年以上袖を通していない洋服。奥の方でいつかテーブルに出されるのを心待ちにしているかのようなティーセット。壊れたワイヤレスイヤフォン、何を充電できるか分からない絡まったプラグ…。
 
自分の“履き違えたもったいない”の認識がいかに数々ものを雑に扱い、無駄にしてしまっていたか痛感した。
 
まだ使うかもしれない。これを捨ててしまったら後で突然必要になって慌てるのではないか。後悔するのではないか。いつの間にか自分の心はそんな不安やエゴに捕らわれて、一時的な安心にしがみつくためにそのモノたちに固執し、不安を和らげるためだけに持っていたのだ。
 
でも、そのモノたちは本当に不安を解消してくれるのだろうか?
ずっと自分が使わずにないがしろにしていたものは、今後も一生使わない。それらと共に今を過ごしていないのだから。
 
こんまりメソッドの良いところは、自分がときめかなかったモノにも、ありがとう、と誠実に感謝の意を込めて手放すことだ。
私もそれらのものを見つめ、ずっと不安でしがみつくだけの自分がいたこと、そんな自分と共にあったことに何度も何度もお礼をして手放した。
 
そんな作業を繰り返すうちに、私ははっとした。
 
親友からもらった誕生日の手紙や、宅急便で届いたたくさんのお米や野菜とともに添えられた、上京して一人暮らしする娘を想う親からのメッセージカード。
1年前大好きなディズニーランドに行った時、アメリカに住む友人が作ってくれた、キラキラ光る手作りのカチューシャ。
大学入学が決まり親友から入学祝いでもらった、ウイスキーボトルにカラフルなビー玉が入った間接照明。眠る時いつも隣にいるお気に入りのぬいぐるみ。
 
ああ、私はこんなにも大好きなものに囲まれていたのか。こんなにも素晴らしい人たちとの繋がりがあったのかと。
 
近年オンライン上のコミュニケーションの活発化により一層拍車がかかり、あっという間にさまざまな人々に巡り会えるようになったにも関わらず、いくら人とたくさん話してもどこか孤独で満たされない日々。
 
大好きな勉強ができて素敵な職場に出会えたのにまだ不安で不安で仕方がない。でもその心境を作り出していたのは環境でもなんでもなく、まぎれもない自分自身だったのだ。ときめくものには感謝をして共に生きる。ときめかなかったものには感謝の念と共に手放していく。
このプロセスを繰り返すうちに、ああ、自分にずっと足りていなかったのは感謝することだったのか、と気づき、温かな何かが胸いっぱいに溢れかえる。
 
ときめくものを選んでいくうちに、心が軽くなって私はようやく気が付いた。
 
そう、自分のモノの選び方は今まで何度も何度も行ってきた人生の選択の仕方を全て反映しているのだ。
どんな人と一緒なら、どんな環境ならどうしようもなく楽しくて、ワクワクするのか。自分にしか分からないこの問いは、日々の忙しさや不安で麻痺し、いつの間にか自分にとって最良の選択ができなくなってしまっていたが、どんなに苦しい日も、足りないと思う日も、私は既に満たされていたのだ。
 
こんまりメソッドは、ときめきを基に、より人生を輝かせる秘密が散りばめられている。今度の週末片付けを通じて、過去から現在の自分と向き合い感性を磨いてみると面白い発見があるかもしれない。
 
 
 
 
***

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2021-02-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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