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他者とのよい関係


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:内藤 睦(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「えー、これ食べられないの?」
 
「だってちょっとヘンな味がするんだもん」と言って娘は顔をちょっとしかめてお箸を置いた。そこで子どもの食事は終了。
 
今日は3分の1ほど残した。
 
下の子は、好き嫌いがいろいろあって食が細い。
 
たとえば食感がグニュッとするキノコ類や海藻類、油揚げなどが苦手。
 
小松菜の軸など、固いものも食べづらいらしい。
 
あと、いろんなものがゴチャッとなっていて原形があまりわからないものも食べたいと思わない。たとえば、ジャガイモ、ハム、玉ねぎ、キュウリ、マヨネーズどれも大好きなのに、ポテトサラダになると食べられない、ということもある。
 
揚げ物やテリヤキのような味つけのはっきりしたものは好きなのだが、野菜の煮びたしや酢の物などはなかなか食べてくれない。
 
お腹の調子のイマイチだし、もう少し野菜や海藻など食べてほしいのだが……。
 
ネットで調べると、子どもの食事については子どもとお母さんの数だけ事情があるようで「子ども」「好き嫌い」で検索すると、星の数ほど結果が出てくる。
 
で、よく出てくる解決法について、ざっくり4タイプに分けてみた。
 
①調理でなんとかする正攻法作戦
 
なぜ野菜が苦手な子が多いかというと「ちょっとした苦みや酸味、食感、噛みきりにくさ」といったところに敏感だから。なので「調理の仕方でそれらを変えてあげよう」というもの。
 
細かく刻む、しっかり味つけする、加熱して食感を変えるといった方法で対応する。
 
調理担当者に調理スキル、時間、手間をかけることに関する忍耐力といったところが求められる。
 
②雰囲気重視作戦
 
叱らない、強要しない。子どもが自発的に食べたくなるような環境を作るというもの。
 
大人が率先して「美味しいねえ」とパクパク食べるなど、子どもと一緒に、食事をとにかく「楽しい雰囲気」にする。その中で、子どもも自然と(うっかり?)自発的にパクっといってくれるかもしれない。
 
園や学校で、皆とワイワイしながら食べたら食べられた、というのもこれになるだろう。
 
③ひと捻り作戦
 
トマトが苦手なら、家で鉢植え栽培にチャレンジ。だんだん大きくなってくる野菜に愛着が湧き、立派に育ったところで自分の手で収穫。料理して美味しくいただく……というもの。
 
お弁当箱に入れてピクニック気分で食べてもらう。
 
パーティーで苦手な野菜を可愛く星型とかに抜いて飾りつける、といった非日常性の演出も効果的らしい。
 
時間と準備などの手間が必要で、何より大人が知恵を出すことが求められる。
 
④割り切る
 
押してダメなら引いてみな。
 
「牛乳が嫌いでもヨーグルトを食べてくれたらO.K.」とか「生野菜を食べなくても野菜ジュースを飲めばオッケー」など、別のものから栄養を摂ってくれたらOK.
 
食べてくれたらいい! そのうち食べるようになる! と考えるパターン。
 
食べたくないのであればムリに食べさせない。お腹が空けば食べるだろう、と考えてさっと食事を終わらせる、というのも一つ。
 
うーん、どれがいいんだろう。でも①も③もだいぶ試した。②はどうだろう。なんか雰囲気を考える余裕がないような気がする。④はなんだか最後の手段って感じ……。
 
と考えていて、ふと気づいた。なぜ②と④の解決法を積極的に採用したくないんだろう、私は。
 
それは、多分「頑張らない」からではないだろうか。
 
①も②も③も頑張る。で、頑張り過ぎると、それでも食べてくれない子どもに対して、ついつい「なんで食べないの?」「体にいいから食べて!」と「食べてほしいのになんで?」という「強制状態」になってしまいがちだ。これって結局雰囲気を台無しにするのだ。
 
でも多分。これって何番の解決策を取るにしても、一番ダメなのではないだろうか。
 
それって親は小さい子どもに対して剣幕でいくらでも主張できる。感情のままに言えてしまう。「自分本位の押しつけ」になってしまう。それでは子どもが心を閉ざして、野菜を食べるどころか食事がストップしてしまう。親子の空気もなんだかあまりよろしくなくなる。
 
これって、結局親である自分がどれだけ頑張ったか、どれだけ手間をかけたか、ではないのだろう。
 
子どもには子どもなりの理由がある。その理由を受け入れる。受け入れることで、子どもと心が通じる。そうすれば次の展開が一緒に考えられるかもしれない。
 
結局自分の頑張りよりも、相手とのよい関係が大切ではないだろうか。
 
私は今、天狼院書店の「ライティング・ゼミ」を受講している。
 
毎週出す課題の添削では「第3者を意識すること」とよくコメントされている。
 
そうだ。自分を手放さないと、第3者を意識できない。
 
自分がこれだけ頑張ったかにこだわっているうちは、第3者のことに気が回らない。
 
そのためには、いろいろ頑張ったことを一度手放して「それが読み手にどんな影響を与えるか」ということを見てみるということなのだろう。
 
自分本位になり過ぎると、読み手が見えなくなるのだ。子どもの気持ちがわからなくなるように。
 
自分が頑張ることを一度手放して、自分以外の立場に立とう。
 
そうすることが、子どもも、読み手も、心を掴むのだ。
 
頑張り過ぎないこと。これって自分の今までの人生で、考えたことなかったんじゃない?
 
どうやら天狼院でのゼミ受講は、文章修行だけでなく人間修行の場にもなりつつあるようである。
 
 
 
 
***
 
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2021-03-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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