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チーム運営に困ったら餃子マネジメント術


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小島雄也(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「パリッパリッ、ジュワー、ゴクッゴクッゴクッ、う、うまい!」
 
熱々の餃子を口いっぱいに放り込み、ビールをグイッとジョッキ半分ほど一気に飲んだ。中から肉汁がたっぷり溢れでてくる。後からやってくるキャベツの甘味、ニラの食欲を唆るあの匂い。美味しすぎる。何でこんなに美味しいんだ!
今まで34年間生きてきて餃子嫌いに出会ったことがない。あのみんなが大好きなカレーでさえ数人嫌いな人に会ったことがある。でも餃子はいないのだ。あんなにシンプルなレシピなのに店によって味が全然違うのが面白い。ビールに合うというのも大好きな理由だ。
 
職場の近くには美味しい中華屋があるのでランチで訪れることが多い。仕事帰りに餃子をつつきながら一杯呑むことも多い。そこで仕事のことを振り返るのだが、ブルーな気持ちで食べる日が多い。なぜならチームのまとまりが悪くて問題が絶えないからからだ。全然チーム運営が上手くいっていない。今年でチームリーダーになり5年目に突入するが、ここまでのチームは初めてで戸惑っている。7人の小さなチームではあるのだが、問題が絶えない。というのもスタッフ同士の仲が良くなくて、通常であればなんの問題もないことでもコミュニケーションエラーで大きな問題に発展してしまう。
例えるならば全員が本田圭佑のタイプで主張が強い、そして一度決めると一歩も引かないのだ。本当に困る。
 
上司からは早急な立て直しを依頼されている。
 
「何とかならないかなぁ……。どうすればいいのか全く分からない。僕はザッケローニになれるのか? いや、岡ちゃんか? いやそれは古すぎ」
しょうもないことをぼやきながらも真剣に考えていた。
 
取り敢えずマネジメントの本を読み漁ることにした。まずは経営の神と呼ばれるドラッカー先生の「マネジメント」を読んだ。
「うーん。これは難しい……。僕には無理だ」
すぐに挫折してしまった。何て自分は挫折するのが早い人間なのだ。嫌になってくる。
古典の名書であるので良書ではあったが、いかんせん難しかった。でもチームを立て直さなければいけない。それならばと、以前にベストセラーになった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」を読んだ。通称「もしどら」だ。こっちはストーリー仕立てになっていてスルスル読めた。この後に本家「マネジメント」を読むと思ったよりも頭に入ってきた。早速学んだことをチームマネジメントに活かすことにした。分かっていたことだが直ぐには結果がでずにもがいていた。
 
1人では難しかったので上司にも介入をお願いした。しばらく介入してもらって相変わらず問題は多かったのだが、少しずつ変化が表れてきた。あの手を焼いていた本田圭佑軍団の1人がパスを回し始めたのだ。僕はそれだけですごく感動した。パスを受けた本田圭佑もギリギリではあるがゴールを決めるようになってきた。
それぐらいの時期から良い兆しが見え始めた。だが、まだまだ良い連鎖は起きていない感じがした。上手く言えないのだが、バランスが取れていないように思ったのだ。
 
「あと一歩だと思うんだよなぁ。何か良い方法ないかな」
 
そんなことをずっと考えていた。そんなある日、ふらっと王将に立ち寄った。言わずもがなの餃子好きと言えばこの店だ。席に着くなりすぐに餃子定食を注文した。ものの数分で熱々の餃子定食が席に運ばれてすぐに食べた。やっぱり美味しい安定の王将だ。
そのときにふと考えた。
 
「何で餃子はこんなに美味しいのか?」
1人で餃子の美味しさについて考えてみた。
まずは、あの羽付きのパリパリの皮だ。カリッとした食感が病みつきになる。その後訪れるあの豚肉の甘い肉汁が口に広がる。それだけでは後味がくどくなると思うのだが、そこはキャベツのサッパリ感がカバーしてくれる。かといってさっぱりしすぎないように、ニラのパンチが効いた匂いが全体をまとめているのだ。
まとめると食材同士のバランスが抜群に良いということである。
このバランスはチーム作りでも同じことが言えるのではないかと考えた。
人間だから一人一人個性があり、特技も全く違う。僕が上手く振り分けられていないのではないかと反省した。餃子のように各々の特徴を活かす運営が必要なのだと。
すぐに個人面談をすることにした。とにかくスタッフのことを知りたかったかので、1人1時間かけてみっちり話し合った。暇があればコミュニケーションをとるようにした。そうすることで個人の得意不得意が理解できるようになった。
そこからもう一度仕事を再分配した。
しばらくすると目に見えて変化が表れたのだった。スタッフの目の色が変わりやる気に満ち溢れてきた。言いたいことをはっきり言うのは変わっていないのだが、相手の意見を受け止めてそれを活かすことができるようになった。後から聞いたことだが得意な分野を任せてもらえるようになったので、やり甲斐がでてきたそうなのだ。そこからリズムが良くなり余裕が生まれてきたようだ。
 
今でもたまに言い合いはしているのだが、建設的な内容だ。それぞれがチームのことを考えて長所を活かしている。このバランスの良さはまさに餃子のようではないかと思った。
 
今後も運営につまずいたら餃子マネジメント術を取り入れたい。
 
 
 
 
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2021-04-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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