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子育ての正しさってなんだ

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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:北林美沙子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
1日の合計睡眠時間22分。
 
これは何の数字か知っているだろうか。
いや、まず知らないだろう。これは私の住む町にある多胎児支援団体の理事長が、双子を生み育てていた頃の最短睡眠記録だそうだ。
5分ウトウトしてまた起きて、ということを繰り返していたため、一体合計で何分寝れているのだろうか、と疑問に思い図ってみた結果だという。
 
信じられるだろうか。それが1日だけではないのだ。ある程度赤ちゃんが夜寝るようになるまで毎晩続くのだ。
 
こんなことを書くと、私が多胎児子育て経験者の様に見えるかもしれないが、我が家には3つ離れた兄妹が2人いるだけだ。しかも妹の方は、生まれてすぐ先天性の病気を持っていることがわかり、生後8か月まで新生児センター(8か月はもはや新生児でもなんでもないのだが……)に入っていたため、兄妹の乳幼児期育児の大変さを体験していない。
 
なぜこんな事を知っているのかというと、今私は縁あって双子や三つ子など多胎児家庭を支援する団体に少しだけ関わらせていただいているからだ。
 
私の仕事はスナフキンのように各企業を渡り歩き新規事業のお手伝いをすることだ。特に何かすごい資格も学歴もあるわけではないが、ADHDに違いない強烈な多動力と、忖度せず率直にモノを言える性格、それから数々のマネジメントでのしくじり経験から、方々お声掛けいただいて細々と生きている。
 
その中の一つの事業で「訪問美容事業」があるのだが、その事業のターゲットとして多胎児家庭に白羽の矢を当てた。というと大変失礼に聞こえてしまうかもしれないが、とにかく美容室に行くこともできずに困っている人は誰だ?と模索した結果だ。
それまでも我が子の同級生に双子はいたし、そんなに珍しいイメージではなかったのだが、実際に話を聞いて驚いた。
 
1日22分の睡眠時間だけではない。
三つ子家庭の場合、全員が泣いたらカオスだ。
また母親の手は2本しかないので、当然全員を一緒にだっこできない。
3人分の母乳はあいにく持ち合わせていない母親が多いので、ミルク代は3倍。
おむつ代も3倍。離乳食も3倍。お金がいくらあっても足りない。
 
……驚愕すぎる。
 
そんな彼女たちの子育てキーワードは「効率的」と「生産性」だという。
抱っこをしてあげないと可哀そうとか、ミルクを上げるときにはしっかり顔を見てあげると教育上いいとか、そんなことをやっていては完全に回らなくなる。
ミルクはセルフ授乳だ。
 
セルフ授乳という言葉を知っているだろうか。
赤ちゃんを横向きに寝かせ、哺乳瓶をクッションなどの上に乗せて、1人で授乳できるようにセットするのだ。それが2人、ないし3人並べられている状態である。
手抜きの様に見えるが、まず哺乳瓶にミルクを作る時点で3回作らなくてはならない。
3回粉ミルクを図って、3回お湯を入れて、3回溶かして、3回温度を確認して、3回クッションにセットする。
 
何度も何度も使うが驚愕だ。
 
子供の出生率が減り、1人当たりの子供に対して大切に丁寧に育てる風潮がある昨今だが、それに合わせるかのように、子育ての正しさを探して戸惑い悩む母親が増えてきているように感じる。
 
私自身も適当な性格ながら、1人目の子育て時にはそれなりに悩んだ。
授乳している時間は暇だが、スマホを見たらよくないのだろうか?家で流す音楽は童謡がいいのだろうか?オムツは1日何回変えるべきなのか。布おむつの方が肌にいいのだろうか?
ベビーサインを習わせた方が子供の発育にいいのだろうか?
トマトしか食べないが、他の食べ物を食べなくていいのだろうか?
 
でも、パワフルに育てぬく、生きるために効率と生産性を徹底する双子や三つ子のお母さん達を見ていたら、あの頃の悩みがとても小さなことのように思えてきた。
 
生きていればいい。笑っていられる時間が少しでもあればいい。
今日また元気に泣いていればそれでいい。
 
そのために、お母さんは全力で「生きる」為の支援をする。
トマトだけでもいいし、ピーマンだけでもいい。スマホ見てもいいし、見なくてもいい。
童謡でもいいし、ヘビメタでもいい。
オムツはたまに替え忘れたっていい。ちゃんと泣いて教えてくれるから。
 
それでも、3人いてカオスの子育てでも、みんな元気にいい子に育ってる。
 
だから、正しさを探して悩まないで。
時短できることは時短して、さぼれるところは徹底的にさぼって、ふぅって一息つく時間を作ろう。正しい子育てをすることよりも、少しでもお母さんの心が穏やかになることの方が大切なんだよ! 正しい事しても気持ちが苦しくなったら、子供も苦しくなるよ。
堂々と、効率的な子育てしよう。頼れるものは頼って、使えるものは使おう。それで大丈夫。
 
そう、ある多胎児支援団体の理事は教えてくれた。
 
この方はもちろん、多胎児のお母さんに向けてそのメッセージを発信しているのだが、私のような単胎(ひとりという意味)の子供を育てるお母さんにも同じことが言える気がする。
時間やお金があるからこそ迷いが生じる子育てにハマってしまう私たちは、もっと本質的でシンプルな子育てをすることこそが、実は子育てを一番楽しめるのではなかろうか。
 
子育ての正しさ、それは母親が心に余裕を持てるようにする、ということなのかもしれない。
私の心に余裕はあるだろうか。あなたの心に余裕はあるだろうか。
 
 
 
 
***
 
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2021-04-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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