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不自由だからこそ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:川口 公伸(ライティングゼミ・平日コース)
 
 
昨年の八月、初めて湘南天狼院のフォトイベントに参加した。
これまでも、ずっとカメラは身近にあった。
しかし、実際は旅行の際に持って行くか、最近趣味で観戦するバレーボールの試合の際に持って行くくらいだった。
それも、カメラの力に頼って、シャッターを押すばかりだった。
それが、イベントでは「マニュアルモードで撮ってみましょう」と言われ、絞りやシャッタースピードなどを考え、頭の中で汗を掻きながら撮影をした。
その感覚はかなり久しぶりにことだった。
かつて、そんな風に写真を撮っていたことがあった。
最近ではすっかり忘れていた感覚だった。
 
僕が初めて一眼レフカメラを手にしたのは、今から25年以上前のことになる。
僕が住んでいる三浦半島から見える、富士山を撮りたくて手に入れたのが最初だった。
僕が手にしたのは、ニコンのカメラだった。
まだニコンではF3と言うマニュアルカメラが現役で発売されていたと記憶している。
しかも、最上位機種はF4からF5と言う機種へ変更するくらいの頃で、オートフォーカスの精度が上がったとか、雑誌に書かれていたように覚えている。
確か、当時はいかに白い壁にピントを合わせるかがオートフォーカスの課題だったと書かれていた。
ちょうど、キャノンがEOS KISSと言う手軽に使える一眼レフカメラのコマーシャルをやっていた頃。
そんな時代に買った僕のカメラはニコンのF70という入門機だった。
しかもカメラや写真についてほぼ何も知らない中で買ったカメラだった。
 
それから、当初の目的だった富士山の写真を撮理に行くようになった。
当時もちょっと前の自分と変わらず、カメラの力で写真を撮っていた。
それでも、なんとなく良い写真が撮れるようになった気がして嬉しかった。
そうなると、写真を撮ることが楽しくなり、少しずつ自分でも写真について勉強をするようになった。
そして、絞りやシャッタースピード、フイルムのISO感度というものを知った。
知ると試したくなる。
当時使っていたカメラでも、いろいろなことができたはずだが、何故か自分の力で写真を撮りたいと思い、同じニコンのFM2と言う、フルマニュアルの機械式のカメラを手に入れた。
このカメラには露出計が内蔵されていて電池は必要だが、それ以外はすべて手動で、電池がなかったとしても、写真を撮ることができるカメラだった。
技術が進歩しオートフォーカスが主流となり、電子制御により何も考えずに綺麗な写真が撮れるようになって行く中で、全く逆行した選択をした。
しかし、このカメラはとても楽しかった。
それまで、ズームレンズばかり使っていたのが、セットで付いていた50mmの単焦点レンズだけ持って出かけ写真を撮るようになった。
そうすると、風景ばかり撮っていたのが、スナップ写真にも興味を持つようになった。
単焦点レンズのため、自分が動かないと、良いアングルで取ることが出来ない。
だから、自分が動いて撮ることを覚えた。
失敗もたくさんした。
旅行先で、フイルムがうまく取り付けられておらず、何も撮れていなかったり、記念写真を撮るときに、F値が小さい方が良いだろうと撮った写真は、肝心の人がボヤけてしまったりと言うこともあった。
それでも、自分で撮っていると言う感じがして楽しかった。
趣味は不自由だから、楽しいと言うこともあるのだろう。
本来、カメラ任せで綺麗に撮れるのだったらそれで良いのだろう。
しかし、わざわざ撮りづらい環境を選んで、撮ることが楽しい。
 
そのカメラは、フイルムが廃れて行ったことで使わなくなってしまったが、ただシャッターを押すのではなく、いろいろと考えてシャッターを押すことの楽しさを教えてくれたカメラだった。
 
それからしばらくして、どうしても一眼レフが欲しくなり、デジタルの一眼レフを買った。
最初に使ったカメラに比べて、いろいろな機能も増えていて、すごく便利になっている。
そして何よりも、撮った写真をすぐに観られるのが便利だ。
ISO感動に付いても、ダイヤル一つで変えられる。
しかも、フイルムの頃には考えられない数値をダイヤルだけで設定ができる。
それを、途中で変えることもできる。
 
それでも、その機能をうまく使いつつ、機能だけに頼らないで、いろいろと考えて、頭の中に汗をかきながら写真を撮ることが楽しい。
 
不自由だからこそ、うまく出来た時は嬉しい。
うまく出来たことがあると、次もと、いろいろ考えるのが楽しい。
そんなことを思い出させてくれたのが、天狼院書店のフォトイベントだった。
あれからまた、写真を撮るのが楽しくなった。
 
 
 
 
***
 
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2021-04-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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