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簡単にできることに思うこと


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記事:仲本 ひと美(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
先日、ヘアドネーションのために髪を切った。
 
ヘアドネーションとは、小児がんや先天性の脱毛症、不慮の事故などで頭髪を失った子どものために、寄付された髪の毛でウィッグを作り無償で提供する活動のこと(Wikipediaより)。
 
きっかけは4年前、行きつけの美容師さんに「ヘアドネーションは、髪を伸ばすだけでできる社会貢献」と教えてもらったこと。
やりたい髪型もなかったし、軽い気持ちで私もヘアドネーションに協力することにした。
 
医療用ウィッグに役立ててもらうには31センチ以上の長さが必要。カラー、パーマやブリーチヘアでも大丈夫。でも、31センチ未満でも、シャンプーなどヘアケア商品を研究開発するメーカーへ「評価毛(試作用の髪の毛)」として、また、美容師さんが練習で使用するカットマネキン用として転売することで、ウィッグ制作費の一部として役立てているらしい。
ヘアドネーションのホームページを見ると、多くの子どもたちが「ロングヘアのウィッグ」を希望するため、長ければ長いほど貴重と書いてある。50センチ以上だとロングヘアのウィッグの素材として理想的な長さらしい。
私は50センチ寄付できる長さまで伸ばすことにした。
 
伸ばしはじめの頃は、それまで、ずっとショートボブだったこともあり、久しぶりのロングヘアで色々なヘアアレンジをできることが純粋に楽しかった。
でも、楽しめたのは肩下10センチの長さまで、長くなれば長くなるほど、予想していなかったことが色々あった。
 
寝ていると髪がからみやすくなる。これは、ナイトキャップで解決した。
美容関係の本を読むと、髪の長さに関係なく、枕の摩擦で切れ毛など傷みやすくなると書いてある。シルクの枕カバーか、シルクのナイトキャプが傷みを予防するのにおススメらしい。
早速、ナイトキャップを購入し、毎晩、着けて寝てみた。着け始めは、慣れてないので違和感があったが、数日でナイトキャップは気にならなくなった。なによりも、朝、髪がからまず、ボサボサに広がらない、手入れがしやすくなった。
 
長くなるとドライヤーをかけるのに30分以上かかるようになった。真夏は完全に髪の毛が乾くころには汗だくになり、軽いエクササイズの様になっていた。
 
長くなるほど髪が重く感じるようになった。ヘアアレンジをしにくくなり、ポニーテールか三つ編みばかりしていた。
長いが故に、三つ編みをしている時に失敗もあった。振り向きざまに後ろに束ねていた三つ編みが同僚にぶつかってしまった。すぐに謝り許してはもらえたが、ショートボブの頃は何も気にしていなかったが、長いと周囲に気を使わなければならず、どこかの扉に挟めたりしないようにと注意しながら行動もしていた。
腰までの長さになると、髪が長いというだけで目立つようで、知らない方に「髪の毛、すごく長いですね」と驚きの表情で声をかけられることもあった。
 
まだ、50センチまで届いていなかったが、日常生活で少々困ることも増えてきたので、切ることに。4年間丁寧に手入れをしながら伸ばしてきたけれど、カットは、たったの5分で終わってしまった。
 
誰かのウィッグになるのなら、寄付をする日は、美容室でトリートメントをしてもらおうと思っていたが、美容師さんには「切る前日に、自分で洗って、きちんと乾かしてきて」とお願いされた。美容院へ着いたら、シャンプーをする前に、最初に髪を切るからだ。
ヘアドネーションされる髪の毛は、年齢も髪の毛の状態も様々、全て加工をしてからウィッグにするので、美容院でトリートメントをしてもあまり意味がないらしい。それよりも、寄付する髪は、きちんと乾いていることが条件。シャンプーをしてきちんと乾かしても内部が湿っていて、雑菌やカビの原因になる。だから、ヘアドネーションをするときはシャンプーをする前にカットすることが条件。
 
ヘアドネーションは、誰でも簡単にできる、髪は切らなければ勝手に伸びてくれる。寄付する髪を切るのも数分で終わる。言葉にすると簡単に説明できるけれど、やり続けることは楽ではない。
ヘアドネーションを経験し、やってみて気づく不便を通して、思ったことがある。
誰でもできることは、世の中たくさんあるけれど、楽に簡単にできることは、あまりないよなと思った。
家事だってそうだ。料理は、包丁で切って、適当に焼いたりすれば食べられるものにはなるけれど、美味しく作るとなると、調味料を入れるタイミグや、火加減、食材の切り方などコツが色々ある。
 
私一人の髪で、一人分のウィッグになると思っていたが、一人分のウィッグを作るには、5人程のヘアドネーションが必要らしい。
ヘアドネーションを知ったとき、ウィッグをなぜ寄付するのだろうと思った。
一人分の髪の束が数万円で取引されることもあるらしい、その髪を5人分使ってウィッグを作るということは、一つのウィッグで数十万円になる。人毛製のウィッグはとても高価なのだ。
 
結局、寄付できたのは40センチ。目標のロングヘア用の長さにはとどかなかったけれど、40センチでボブスタイルのウィッグは作れるようだ。
気軽にできたけれど、色々学べたヘアドネーション。
少しでも私の髪が、誰かの役に立てたら嬉しいと思う。
 
 
ヘアドネーションについて参考サイト
https://www.jhdac.org/
 
 
 
 
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2021-06-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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