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ミントは、なぜ「水色」なのか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:鴨川 泰(ひろ)江(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「チョコミントって、どんな色?」
 
そう言われたら、あなたは何色を思い浮かべますか? 実はこれ、わたしが担当する色彩学の授業で、毎年出している定番の「お題」なんです。
 
今年も学生たちは、ほぼ例外なく似たような「水色と茶色」の組み合わせを選んでいました。もしかして、あなたもそうですか?
 
確かに、コンビニやスーパーのお菓子コーナーに並ぶ「チョコミント」味の製品パッケージは、たいていこの2色が使われていますよね。でも、ちょっと考えれば不思議じゃないでしょうか。「チョコ=茶色」は分かりますが、なぜ
 
 
「ミント=水色」
 
 
なんでしょう。実際のミントの葉は、どう見ても「グリーン」。決して水色、つまり「ブルー」系ではありません。
 
その理由は、色が持つ「温度感」。ミント特有のスースーした「清涼感」をイメージさせるには、グリーンでは「冷たさが足りない」のです。
 
色には、冷たく感じる「寒色」と、反対に温かく感じる「暖色」、そして単独ではあまり温かくも冷たくもない「中性色」という3つの系統があります。グリーンには「爽やか」なイメージこそありますが、実は寒色ではなく「中性色」の仲間なんですね。
 
中性色には「組み合わせる色によって、温度感が左右される」特徴があり、寒色である白やブルーと組み合わせた時は「涼しげ」に見えるため、夏場のエアコンの広告や、ミネラルウォーターのパッケージなどによく使われています。
 
一方で、赤やオレンジのような暖色とグリーンを組み合わせると、今度は「トロピカル:熱帯的」な雰囲気に。チョコの茶色も、暖色である「オレンジを暗くした色」なので、グリーンと組み合わせても、やはり「涼しげ」には見えないのです。
 
そんなわけで、パッと見てあのミントの「スースー感」を連想させるためには、寒色である「水色」でアピールするほうが効果的なんですね。
 
ところが面白いことに、必ずしも「ミント=水色」は世界共通ではありません。むしろパッケージカラーに関しては、日本が例外と言っても良いでしょう。
 
試しに「チョコミント 画像」でネット検索してみてください。見事に「水色と茶色」の組み合わせがズラリと並びます。が、その検索ワードに「海外」と追加してみると、
 
……はい、ガラリと雰囲気が変わりますね?
 
そうなのです。海外で主流なのは「グリーンと茶色」のコンビネーション。そして先ほど感じた「清涼感」が、一気になくなるのも感じていただけると思います。
 
そのまま食用に使える、身近なハーブとして複数種のミントが親しまれてきた欧米とは異なり、日本在来種の「ニホンハッカ(Japanese peppermint)」は、主に医薬品や香料用メントールの材料として栽培されてきました。
 
1930年代には世界シェアの7割(!)を誇る勢いでしたが、その後は安価な合成ハッカに急速に取って代わられ、今では北海道の北見などごく一部に残るだけ。一般的には「葉っぱとしてのミント」よりは、やはり「ミント=スースーする」という主成分のメントールによる印象が強いと思われます。
 
加えて高温多湿な日本の夏には、グリーンよりも遥かに涼しげな「水色」のほうが、購買意欲が湧くというもの。最近は年中目にするようになった「ミント」味のスイーツですが、冬発売のパッケージでも水色が使われているあたり、もはや定着した感がありますね。
 
ちなみに、ミント=水色のような「味のイメージカラー」は、他にもたくさん存在します。
 
代表的な例を挙げると「カレー味=イエロー」や「いちご味=ピンク」。カレールーには確かに、黄色いターメリック(うこん)が使われていますが、別にルー自体は「イエロー」ではありませんよね? いちごも、実際の果実に近い「赤」が使われているものも多いのですが、それ以上に「ピンク」が多用されています。
 
レトルトカレーやカレールーのパッケージには、必ずと言って良いほど濃いイエロー(辛子色)やオレンジ、赤といった「暖色」が使われています。そう、ミントの清涼感とは逆に、スパイスの刺激で食べると「熱くなる」ため、その温度感を色で表現しているのです。
 
より辛いカレーほどイエロー→オレンジ→赤と「赤みが増す」のも、辛み成分である「赤いトウガラシ」のカプサイシンの増量を連想させますね。
 
ところが同じ赤でも、白を混ぜて「ピンク」になると、あら不思議。今度は「甘い」イメージに変化します。
 
いちご味の商品は、ほとんどが「甘い」スイーツかドリンクですから、実際のいちごとは異なるピンクでも違和感がありません。いちごにミルクや練乳をかけ、つぶして混ぜながら食べる人も多いので、「いちご=ピンク=甘い」という連想はごく一般的です。
 
このように、味のイメージカラーといっても「素材の色」から派生しているケースが多い中、ミントのように元の素材色から大きく離れている例は、珍しいと言ってよいでしょう。
 
今年も数多くの「ミント=水色」商品が店頭に並んでいます。味の好き嫌いはあっても、見るだけで涼しげなミントカラーのパッケージ。見かけたら、他の色との「温度感」の違いを、ぜひ体感してみてくださいね。
 
 
 
 
***

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2021-06-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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