メディアグランプリ

同調圧力に対する、「異質人」の宣戦布告

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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山﨑 堅斗(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「アナタは異質です」
 
最近、僕の上司から頂いた言葉である。
どういう訳だか、僕の持ち前のキャラクターに対して、お世話になった数多くの人々より、このような評価を頂戴する機会が多い。
 
「おかしな奴」
「変わってるね」
「クレイジーだね」
 
一目惚れしていたあの子、高校の友人、大学のサークル仲間、後輩、アルバイト先の先輩、職場の同僚まで。
出会ってきた人々から、「変人」扱いされる率が高いのである。
 
やれやれと、辟易してしまう。
僕自身はというと、決して日常生活でウケを狙っている訳ではないからだ。
お笑い芸人やコメディアンのような道化を演じているつもりは無い。
至って「普通の人間」のつもりである。
ハッキリ言って、評価を受けている本人からしたら訳が分からない。
何が奇異であり、どの辺りが変わっているポイントなのか。
通勤、風呂、トイレの中。ポツンと一人になった時に、暇さえあれば、この謎について、ふと考えて込んでしまう。
そんな僕のモヤモヤをよそに、人様は異質だのマイノリティだのと、僕のことを好奇の目で見続けてくるのだ。
 
この人生史上最大の謎について、考えている際、ふと脳裏によぎった社会現象がある。
大学生時代、今から遡ること数年前になるが、「量産型大学生」なる言葉がTwitter上でバズっていた。
これは、周囲と同じような髪型やファッションを身に纏い、メンバーそれぞれ似たり寄ったりの見た目をしているグループ一行を揶揄した言葉である。
チェックシャツを着ている集団が横一列で講義を受けている姿を撮らえた写真が話題になっていた。
何故、服装がカブってしまうのか。
この奇妙な画一性の要因としては、彼らがチェックしているメディアの「ありきたりさ」が要因であると考える。
「流行る髪型」「冬おすすめのアウター5選」という見出しのファッションまとめサイトやアプリ、雑誌など、みんなが注目するような「ありきたりな」情報源を参照している為、どうしても服装が被ってしまうと見られる。
そこで、完全に僕の推測となるが、彼らの心理としては、一種の同調圧力が働いているのだと思う。
チェックシャツ、ロングコート、ツーブロック、マッシュヘアーといったポピュラーなお洒落アイテムやトレンドを取り入れ、一種の安堵感を得たいのだろう。
そこに、自分自身の個性やオリジナリティの追求、さらには「おこだわり」といった美学は全くの皆無である。
この不思議な社会現象を思い浮かべた瞬間、ここに僕が世間一般とズレている要因があることに気づいた。
 
つまり、こういうことだ。
僕は同調圧力を毛嫌いしているのだ。
同調圧力に対して反骨精神を示しているのだ。
他人と違うことをしたい欲望に駆られている。
これが僕を「異質」たらしめている要因なのだと、ようやく気づいた。
何故、他人と同じであることの安堵感を嫌うのか。
それは、他人と同調することによる個性の埋没を恐れているからだ。
 
思い返せば、この積み上げてきた「異質さ」が故に、「量産型」というレッテルを貼られたことは無いと自負している。
自分自身のオリジナリティ、アイデンティティの喪失という場面に直面したことは一切無い。
 
ちなみに服装に関して言えば、自分なりの「おこだわり」が強烈だった。
やはり人と違った服を着るのを好み、友達と被ることを避けていた。
古着が好きだったこともあり、ファストファッションのような無地のTシャツやニットよりも、下北沢や高円寺の古着屋で売っている様な、カラフルでビビッドなパターンの柄シャツやニットを好んで着ている始末であった。
 
異質であることは、学生時代のうちは、まだまだ「キャラ濃いよね」と、個性の範囲内として許容してもらえた。
しかし社会人になって一企業人となってからというもの、「ズレている」ことに対しては苦悩を感じている。
むしろ恩恵を感じなくなっている。
 
人様とズレていることは、処世スキルにおいては不利要素である。
会社組織は完全に「同調圧力」の世界である。
上司が「ゴルフ行こう」「登山行こう」「飲もうぜ」と言ったら、右ならえ、内心は「面倒くせぇ」と思いつつも、思考を切り替え、愉快に「行きます!」と同調意思を示さなければならない。
会社の掟に対して「ズレた」行動をしていると、組織にとって厄介な鼻つまみ者となる。
出る杭は打たれる。厳しいかな、自分自身の主義信条を至上とし、個性を発揮し続けていると、ビジネスマンとしては痛い目を見る確率が高くなる。
 
企業が掲げるイデオロギーに対して、反骨精神を抱く者にとっては辛い世の中である。
上下関係が厳しく、理不尽な命令に歯を食いしばってでも理性をコントロールしながら、耐え続けてきた「没個性人」であれば、会社員世界は順応がスムーズである。
しかし、同調圧力に逆らい、生涯、個性を剥き出しにし続けてきた「異質人」である僕にとっては、組織の歯車の一部になるということは、「没個性」への第一歩、自身のアイデンティティの喪失であり死活問題なのである。
 
だから断言しよう。僕は生存の為に「異質さ」をどんどん磨いていきたい。
人よりズレていきたい。ますます異質さを発揮し続けていきたい。
確かに「みんな同じでみんな良い」同調圧力を最善とする世界では、異質であることは評価ポイントを下げてしまう残念な要素であると言える。
しかし、毎週2,000文字の記事作成を続けていて、つくづく思うが、やはり他人とズレているということは長所である。
他人とは違った視点で、自分のオリジナリティ溢れる切り口を発揮しながら、物事を語ることが出来るからだ。
既成概念を打ち壊し、常識を破り、新たなイノベーションを生み出せる。閉塞した世の中で、突破口を開いていける。ユニークな発想で世界を変えられる。独自のクリエイティビティさで世界を創造出来る。
このように、世間とズレていることは、限りない可能性に満ち溢れていることでもある。
 
将来、作家になりたいという密かな夢がある。
自分自身のオリジナリティを磨いていくことは、この上ない自己投資なのである。
「没個性」として世間の歯車になるよりも、異質であるが故のメリットを生かして、活躍していきたい訳だ。その方が人生も楽しいだろうから。
だから決意を固める。
どんな環境に所属していようとも、人間らしく生きる為に、個性を守っていく為に、日本を蝕んでいる同調圧力とは断固として闘っていきたい。
 
 
 
 
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2021-07-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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