メディアグランプリ

それでも私は紙の新聞を読む


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記事:岡 智子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
私は週に1回、大学でキャリア関連の授業を行っている。大学に行く日は、学生に話すネタになりそうなニュースを探しながら、電車の中で新聞を読む。先日、いつものように車内で新聞を広げて、ふと、気が付いた。平日の朝、通勤時間にもかかわらず、車内で新聞を読んでいるのは私一人、ほとんどの乗客はスマホを見ている。自分だけが、とても浮いている感じがした。
 
もし今、この車内で、何か事件が起こったとして、警察が乗客に「車内で変わった行動をしていた人はいませんでしたか?」と質問したら、「そういえば、車内で新聞を読んでいる人がいました」と言われるかもしれないくらいの違和感だった。
 
10年以上前、毎日、電車通勤をしていた頃は、多くの乗客が車内で新聞を読んでいた。車内でスマートに日経新聞を読んでいるビジネスマンは、なんとなく仕事ができそうな雰囲気を醸し出していた。混んだ電車の中では、大きく新聞を広げることができないので、独特の新聞の折り方が流行っていた。新聞を縦に山折りにして持ち、まず1面の右側を読み、裏返して左側を読み、1面の左右を読み終わったら負ったままの状態で新聞をめくる。めくるのは半分だけ、そうすると2面の右側を読むことができて、さらに、その後は2面の右側を後ろに回して……と読み進めていく方法。私も何度かやってみようとしたが、いつもくしゃくしゃになって、どこを読んでいるのかわからなくなってしまったものだ。
 
スマホが普及する前は、日中に起きた事を、電車の中で他人が読んでいる夕刊紙の見出しで知ることが多かった。「○○が逮捕!」とか「〇〇とXXが離婚!」など。特にスポーツ新聞の見出しはインパクトがあって面白かった。興味深い記事があった時は、隣の人の夕刊紙を横から盗み読みをした記憶がある。
 
電車の中で新聞を読む人が、いなくなったのはいつからだろう。スマホの普及に伴い、様々なニュースアプリが出てきたことが契機になったのかとも思うが、今はどの新聞社も電子版でもニュースを提供している。日経新聞社もテレビCMでは、新社会人に向けて「日経電子版」の購読を勧めているので、今はスマホで新聞を読むことが当たり前になりつつあるのだろう。
 
紙面を読むことに馴染んでいる読者のためには、新聞各社は紙面のビューアー機能を持っていて、読者はスマホやPCで紙の新聞と同じものを見ることができる。読みたい記事のところで拡大機能を使い、本文を読むこともできるし。プリンターと繋がっていれば、その記事だけを印刷することもできる。
 
全く新聞を読まなくなったというわけではなく、紙で読む人が少なくなった、ということなのだろう。
 
それでも私は紙で新聞を読む。
 
4つにたたまれてポストに入っている新聞を取ってきて、ダイニングテーブルの上に広げて、1枚ずつページをめくっていく読み方が好きだ。
大げさかもしれないが、新聞には「その日の社会」が凝縮されている気がする。
新しいページをめくるたびに、大小の見出しが、「私を読んで~」とばかりに、目に飛び込んでくる。
 
紙で読む良いことのひとつは、大体のことが見出しでわかるということだ。
大きな記事であれば、見出しのあとに記事を要約した前文があり、これを読むと大まかなことがわかる。
見出しを読むだけで、何のことを言っているのかはわかる。
気になれば、記事の本文を読むが、素通りのページも多い。
いつもは素通りのページだけれど、この記事は読もうかな、と思う時もある。
普段は気にならない健康のページが気になったり、家族が住んでいる国のニュースがあると目が行ったり、読みたくなる記事が、今の自分の興味関心を教えてくれるような気がすることがある。
 
スマホでニュースを読むと、こうはいかない。スマホを開くと、嫌でもその日の何らかのニュースが目に入る。スマホの小さい画面上では、読みたいニュースの選択権は自分にはない。出てきたニュースをスクロールしながら読み、「次」ページをクリックし、またスクロール、そしてまた「次」ページをクリック、そうしているうちに、いつの間にか読んでいた記事と関係ない広告が表示されていて、ついそちらを読んでしまう、ということも多い。
 
過去に読んだニュースの傾向から、その人の好みにあうニュースを表示するニュースアプリもあると聞く。常に自分にとって必要な情報を最優先で得ることは、確かに効率的かもしれないが、果たしてそれで良いのだろうか、という気もする。社会ではいろいろなことが同時進行で起こっている。常に自分が同じ傾向の記事ばかりを選んで(もらって)読んでいる、という自覚がないと、なおさら社会の動きに無関心なことになってしまうのではないだろうか。スマホのニュースばかりを見ていると、自分の感覚で、読む記事を選ぶ、そういった情報の取捨選択の感覚が鈍ってしまうような気がしてならない。
 
さぁ、新聞の紙面にちりばめられている見出しの中から、必要な情報を自分から取りに行こう!
 
 
 
 
***
 
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2021-07-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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