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メディアグランプリ

推しを作れ、さらば与えられん。


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:鴨川 泰(ひろ)江(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
最近つくづく感じているのが、「推し」を持つ効果のパワフルさである。
 
推しとは「一押(いちお)し」、つまり自らの「これ/この人が好き!」というエネルギーを惜しみなく注げる対象のことだ。わたしは自分の推しのおかげで仕事が持ち直し、さらに長年伸び悩んでいた「英語を読み書きする」スキルが、飛躍的に上がったんである。
 
何故か。
 
わたしの推しは「ジオマンシー」という占いの一種で、出会ったのはちょうど一年前。webでたまたま見かけた点字のような16種類のシンボルと、《Populus》とか《Via》といったラテン語の名称(なので何となく読めるけど、今ひとつ意味は分からない)に不思議と心を奪われてしまった。
 
なんでも9世紀にアラビアで生まれ、その後アフリカ大陸を経てヨーロッパに渡り、その的中率の高さから、かの皇帝ナポレオンも愛用したとか。現代でもアラブ世界や欧米を中心に、広く人気を博しているらしい。
 
やり方はいたって簡単で、紙にペンでランダムに点を打ったり、コインの裏表やサイコロの目を使って、とにかく「奇数か偶数か」を4回出す。奇数なら点ひとつ(・)、偶数なら点ふたつ(‥)とし、その4回分を縦に並べて書く。すると16種類のシンボルのどれかになる、というわけだ。
 
昨年の今頃といえば、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言の影響で、仕事が激減していた時期だ。そんなに当たるというなら、いっちょ仕事運を占ってみよう。トントントン……手近にあったペンで適当に4列、メモ用紙に点を打って数えてみた。
 
1列目、偶数。‥
2列目、奇数。・
3列目、偶数。‥
4列目、奇数。・
 
ふむふむ、これは《Acquisitio》日本語に訳すと《獲得》という意味らしい。お、もしかして良い感じ?
 
サイトの説明を読むと「成功を手に入れる。利益を得る」とある。ホンマかいな。今わたし、フリーになって自分史上最低の売り上げ記録更新中なんですけど!?
 
Acquisitio(アクウィシショ、と読む)の偶数と奇数の点を線で繋ぐと、逆三角形(▽)がふたつ並んでいるように見えるが、これは「満たされた杯」を意味するのだという。金銭的な豊かさだけでなく、自分が求めるものを得られる「満足」を表しているらしい。
 
……この占い、もう少し知りたいな。
 
そう思った私はすぐに、通販サイトで「ジオマンシー 本」と検索してみた。意外なことに新版で手に入る書籍はたったの2冊しかなく、うち1冊しかジオマンシーの専門書は存在しなかった。翌々日に届いたその本は、400ページ以上もあってなかなかのボリュームだったけれど、あっという間に読めてしまっただけでなく、なんとすぐ16のシンボルの名称と意味を覚えてしまったのだ。上級者向けにシンボルを15個使う方法も紹介されていたが、そちらも程なく出来るようになった。
 
毎日のようにSNSで「謎の点々」について投稿するようになり、わたしの「推し」が徐々に友人たちの間にも知られるようになっていった。
 
「実はわたしも昔ハマってたよ」
「彼氏が出来るか占ってほしい」
 
そんなレスも増え始め、ますます推し活動に拍車がかかる。もっともっと知りたい! わたしはさらに情報を探し求めた。
 
同じ著者による絶版となった「旧版」には、新版ではカットされた「応用テクニック」が紹介されていると知り、さっそく中古本を取り寄せたが、これがクセモノだった! 占星術にルーツを持つ手法らしいのだが、そちら方面に心得がないわたしにはチンプンカンプンで、頭に入らない。
 
しかしこれ以上、入手できる資料がない……いや、待てよ? 日本ではマイナーなだけで、欧米では今でも大人気なんだよね?
 
試しにFacebookで“geomancy”と検索してみると、2000人以上メンバーのいるコミュニティがすぐ見つかった。“English only”がルールだったが、思い切って入会申請を出した。最近の自動翻訳サイトは結構優秀だし、何とかなるでしょ。
 
実際、何とかわたしはコミュニティで「なるべくシンプルな英語で読める、ジオマンシーの資料を教えてください」と質問することに成功した! 親切なコメントやメッセージが殺到し、ひーひー言いながら返信も出来た。これが今年の3月下旬の出来事だ。
 
そして紹介された書籍やブログ、PDFファイルを、翻訳サイトと辞書アプリを駆使しながら毎日コツコツ読み続け、ノートにまとめ、気がつけば辞書なしでもそこそこ読めるようになっていたのだ。
 
「ジオマンシーについて、もっと知りたい」
「あの応用テクニックを、わたしも使えるようになりたい」
 
その一心から、学生時代をはるかにしのぐ熱量で大量の英文を読み、英語でメモを取り、コミュニティにもしばしば投稿するようになった。推しのパワー恐るべし。ジオマンシーに関係のない英文でもそこそこ読めるようになったのは、嬉しい副産物だった。
 
で、結局、あの時の「占い」は当たっていたのか? というと……
 
実は最初の本で学んだ後、占い好きの友人たちに練習相手になってもらい、手応えを感じたわたしは、これまでのコーチングの仕事に加え、思い切ってジオマンシーを取り入れた「メールセッション」を始めると告知したのだ。
 
その結果、新型コロナで外出もままならず、ストレスの溜まっていたクライアントからお申し込みが殺到し、あっさりとV字回復に成功したのである。さらにその後もジオマンシー用のカードを自作したり、ジオマンシー本の著者である高橋桐矢さんのワークショップに参加したり、twitterでやりとりさせていただいたりと、売り上げだけでなく、わたしの「推し」活動もますます充実している。
 
《Acquisitio:獲得》という名のシンボルがきっかけで、わたしは新たな収入源と、そこそこの英語力を手に入れた。何より「これが好き!」と夢中になれる存在を獲得できた。
 
1200年以上の歴史を誇るジオマンシーの世界は広大で、まだまだ知らないことも沢山ありそうだ。英語も次はヒアリング能力を高め、海外のオンラインレッスンも受けてみたい。これからも「推しへの愛」を原動力に、未知なる領域にチャレンジし続けるぞー!
 
 
 
 
***
 
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2021-07-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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