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私は29歳女性、独身である

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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小林梨南(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
30歳を目前にした女性に、世間の風は厳しい。
「女性の価値=年齢」という理論は古くから存在し、今から30年ほど前のバブル期には、女性の賞味期限はクリスマスケーキ(25歳まで)と言われ、現在なら女性軽視ともとられてしまう考え方がまかり通っていたようだ。
 
だが、女性の社会進出が進み、男女平等が叫ばれている現在でも、同じような風潮を耳にすることがある。経済的、精神的に独立している、いないかはあまり関係がないようだ。
早く結婚した方がいいとか、子供を産んだ方がいいとか、親戚に限らず赤の他人にまで、本当にしょっちゅう言われるし、同年代のシングル女性でさえも自分の年齢に焦っていることが多い。それらの発言のバックグラウンドには決して悪意が隠れているわけではなく、親切心や心配ゆえのものであることはわかる。
 
でもさ……正直、クソくらえ。余計なお世話だ。
 
もちろん一部では納得できる点もある。
どうしても女性は子供を産める年齢にリミットがあるし、高齢出産になればなるほど体に負担がかかるし、その後の子育ても大変だし。子育ては24時間365日、何年にもわたって続いていく重労働だから、若くて体力のある時期に取り掛かるのが理想なのは事実だ。子守りの手伝いとして、大きな味方になってくれるかもしれない自身の親だって、時の流れとともに老いてしまう。
親が歳をとれば、介護が必要になる場合もある。デイサービスや老人ホームなどの外部サービスを利用するとしても、やはり自分のやらなくてはならないことが0になるわけではないし、経済的な負担だって増える可能性が高い。子育てと介護が同時にやってきたら、精神的にも体力的にも厳しい状態になるだろうことは簡単に想像できる。
 
自分の人生設計の中に子供を持ちたい、親になりたい、という項目が入っているのならば、やはり焦るのも大事なことだろうと思う。
 
ただ、ここで考えてみたいのだが、本当に自分は子供を持ちたいと思っているのだろうか。世間が無言のプレッシャーとして、周りの人たちが会うたびに親切心から押し付けてきている、「結婚して家庭を持ち、子供を育てることこそが女性の幸せ」という価値観に影響されているのではないだろうか。
 
冷静になって考えてみよう。
 
私は29歳女性、独身である。
でも、仕事は順調で楽しく、経済的に安定している。
自由な時間には、趣味の旅行に行くことができる。外食も好きな時に行けるし、ご飯は毎日美味しい。離れて暮らす両親と姉夫婦が元気なのが嬉しい。姪たちが可愛い。
 
結構しあわせなのではないだろうか。
結婚して子供を持つことだけが、幸せとは限らないのではないか。
 
結婚して将来を誓い合っても、相手や自分が心変わりをして大きく傷つくかもしれない。
自分やパートナーが子供を成せない体質かもしれない。
子供に恵まれても、健康に産まれないかもしれない。
元気に生まれても、子供と不仲になってしまうかもしれない。
 
心配な点はいくらでもあげられるし、これがなければ幸せにはなれない! と考えているのだとしたら、その条件が多ければ多いだけ不幸せになってしまう可能性は高くなる。
もっとゆるーく生きた方が幸せになりやすいんじゃない?
 
ここまで不満を垂れ流し、結婚や子育てアンチのような考えを述べているが、実際は自分も25歳くらいまで結婚願望は強かったし、当時付き合っていた彼氏とそのまま結婚すると思っていたし、漠然と「30歳までには子供を産んでお母さんになって……」という考えを持ち続けてきた。
 
そう、漠然と。
漠然と、結婚して家庭を持てば幸せになれるのではないかと考えていた。
もっと言ってしまえば、結婚しなければ不幸せなのではないかと考えていた。
 
実際に30歳を目前にして、この価値観を見つめなおしたとき、これを持ち続けると、今の自分を否定することになって苦しいのではないかということに気づいた。
 
昔から持っていた価値観に合う幸せの条件は満たせていないけれど、それでも毎日幸せに暮らしている。
 
結婚も子供を持つことも、1人ではできない。
これから時代が変わっていったら、精子バンクとか新しいシステムを利用して女性だけで子供を持ち、子育てをするようになっていく可能性もあるけれど、現状の日本では子供を持つためにはパートナーが必要である。
 
1人ではできない以上、自分だけの希望が通せるわけではないし、自分の人生設計通りにできるわけでもない。
人生には流れみたいなものがあって、自分の手には負えないことがたくさん起こる。
 
自分に優しく、もっと自由に生きよう。
今の幸せに目を向けて、今を大事にしよう。
きっと楽になるから。
 
人の助言や意見を聞くのは大事なことだし、親や友達だってきっと自分のことを想って発現してくれているだろう。
でも、自分の人生なんだぜ。人生の責任を取れるのは自分だけ。
 
誰かのためじゃなくて、自分が一番楽しまなきゃ。
その先に素敵な出会いがあったら最高じゃないか。
 
私は29歳女性、今日も幸せに生きている。
 
 
 
 
***
 
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2021-07-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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