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3分クッキングの呪いを解き料理をシンプルにする方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」を受講したスタッフが書いたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山口 幸美(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
私の趣味は料理、だった。
なぜ過去形なのかというと、一人暮らしを始めた途端、楽しかったはずの料理が苦行へと変わったからだ。
実家暮らしで休みの日や気が向いたときに、好きなものだけをコスパ度外視で作っていた料理とは明らかに別物だった。特に平日、仕事を終えてからの料理は、帰宅してもなお残業を続けているような気持ちになった。
一人暮らしなのだから、出来合いのものを買ったり、ネットで好きなものを注文して自宅まで配達してもらったりすることも出来る。しかし、一人暮らしでもきちんと料理をする女でありたいという誰に見せるでもない見栄と現実的な節約のため、私は自炊を続けていた。
 
えっと……お肉を焼きながら、野菜も炒めて、その間にスープも作りたいから材料を切って、お湯を沸かして……はぁ疲れた……もうビール飲んできゅうりかじって寝たい……。
 
いくつかの料理を同時に作る場合、なるべく短時間で効率良く作業を進めたい。そして全ての料理がほぼ同時に出来上がることが理想だ。そのためには、まず時間のかかる煮物や焼き物から取り掛かり、加熱調理している間に、和え物などの副菜を作る。切って焼いて……その間に切って和えて……切って茹でて……。
 
あれ?
私はあることに気が付く。
焼く、和える、茹でるの間に入る「切る」作業、無駄じゃない?
そうだ。私の料理の手順は、あれに似ている。
3分クッキングだ!
 
私は小さい頃からテレビで3分クッキングを見ていた。
3分と言っても番組中には「出来上がったものがこちらです」というワープ機能が何度も使われ、正確には「3分で説明するクッキング」なのだが、短時間で同時に数品を完成させるという基本を教えてくれたのは、間違いなくこの3分クッキングだ。
3分クッキングでは、一品ごとに料理手順を説明するため、当然切って焼く、切って煮るという作業を繰り返すことになる。しかし実際の作業で考えてみると、切る作業はまとめてしまった方が、断然作業効率は上がるのだ。
しかし3分クッキングという番組タイトルも相まって、一品ずつ切って焼く、切って煮るという手順が一番効率的だと私の中に刷り込まれていたのかもしれない。
 
私は3分クッキングの呪いを解き、料理の手順をシンプルに3つのステップにまとめることにした。
ステップ1.時間のかかる下準備
ステップ2.食材を切る
ステップ3.切った食材の調理
 
例えば、ハンバーグ、ポテトサラダ、みそ汁、ごはんというメニューを作るならこんな感じだ。
 
ステップ1.時間のかかる下準備
10~30分程度かかる作業は、食材を切る前に済ませておく。
このメニューであれば、ポテトサラダのじゃがいもと卵を茹でる、鍋に湯を沸かしてみそ汁のだしをとる(私はだしの素を使うが)、米を洗って炊飯器にセットするという作業がステップ1に入る。
肉料理等を作る場合であれば、下味をつけて時間を置くという作業もこのステップ1に入るだろう。
 
ステップ2.食材を切る
ステップ1を行っている間に、全ての食材を切る。
何も考えず無心で玉ねぎ、きゅうり、にんじん、豆腐、わかめ等の食材をひたすら切っていく。
今までであれば、食材を切っている間に何度も包丁を置いてフライパンや鍋の様子を気にしていた。
しかし「切る」という作業をまとめてしまえば、包丁を握るのは、この1回だけだ。包丁を菜箸に持ち替えたり、様子を見にコンロへ移動したりする手間も省けるため時短にもなる。他の作業のことを考えなくていいので、気持ち的にもかなり楽だ。
 
ステップ3.切った食材の調理
順番は、時間がかかるものから先に調理する。
今回のメニューであれば、ハンバーグだ。食材をこね、俵型に成形し、フライパンで焼いていく。焼いている間に、みそ汁の鍋に具材を放り込んでみそを溶かし、ポテトサラダの材料を混ぜて完成させる。
すべてのメニューが同時に出来上がるわけではないが、時間が余ればその間に洗い物等を済ませておけばいい。
 
日々の生活の中で、料理を楽しむ余裕はない。
しかし無駄な作業をなくし、シンプルかつ単純なものにすることで、ストレスはかなり軽減される。いかに楽に短時間で美味しい料理を作るかを考えることも、料理の楽しみ方の一つだ。その結果、節約ができ健康的な生活が手に入るのであれば、料理をするのも悪くないと思える。
私の趣味が料理に戻る日も、そう遠くはないかもしれない。
 
 
 
 
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2021-07-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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