人生が大逆転するはずだったダイエットの話
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:綿谷しふみ(ライティングゼミ超通信コース)
「痩せると人生はバラ色になるに違いない」ダイエット成功には、そんな大きな勘違いが必要だ。
1年かけて13キロのダイエットに成功したのは、正に大きな勘違いのなせる技。
成功したわけだから、勘違いも時には役立つこともある。
これから私のダイエット成功物語をお話しよう。
私は子供の頃からポッチャリ体型だった。食べるのが大好きで、友達の家で夕飯をご馳走になった後、自宅でもしっかりとごはんをいただき、そのせいでお腹に激痛が走り病院に運ばれたという逸話の持ち主。
小学校3年生の時には肥満警告という名誉あるものまでいただいた。
デリカシーのない大人からは「何を食べればそんなに肉付きのいい体になるのか」だとか「女子プロに入れ」だの言いたい放題言われていたあの頃。
身から出たさびとはいえ、子供心にとても傷ついたのは言うまでもない。みにくいアヒルの子が白鳥になったように、大人になれば、みんながあっと驚く素敵な女性に変身しているに違いないと夢見ていたが、現実はそんなに甘くなかった。
中学生の頃から何の知識もないままダイエットを始め瞬く間に太っていったのだ。
ダイエットして太るのはおかしいではないかと思うかもしれないけれど、挫折しては食べ挫折しては食べしているうちに、痩せるどころか太っていったのだ。
高校生になってからは人生で体重がマックスになっていた。
痩せたいのに痩せられないどころか太っていく自分が悲しかった。
人生で女として一番いい時期にさしかかろうとしているのに、こんなに太っていてはお洒落な服もきれないし恋もできないではないかと絶望感に襲われた、今は懐かしいうら若き乙女時代。
グダグダのダイエットを繰り返していたある日。私は恋をした。といっても片思いの恋だけど。
痩せればきっとこの恋は実るかもしれない。絶対に両想いになれるはずだとなぜそう思ったのかはわからないけれど確信があった。
ここから背水の陣で本気のダイエットが幕を開ける。
本気のダイエットは、過去の失敗から学ぶことからスタートした。なぜ続かなかったのか。何がいけなかったのか。自分なりに分析してみたところ、フランスパンを一本だけ食べていいという摩訶不思議なダイエットに挑み当然のごとく数日で挫折するということを繰り返していたことに気付いた。
分析しなくても誰でも簡単にわかることなんだけど、アホな私は気付かなかったのだ。とにかく食べてはいけないと思い込んでいて、全く何も食べないわけにもいかないから大好きなフランスパン1本だけ食べていい事にしていたのだ。
もしもフランスパン1日1本ダイエットが成功したとしても、一生続けられるわけはなく、元に戻るのは目に見えている。
ダイエットは一時的なものではなく、一生続けられるモノでないとダメなのだ。ダイエットは生活習慣を見直すことが必要なのだと考えた。
そこで編み出したのが3食きちんとダイエット。このダイエットは3食食べるけれども間食はしないというもの。
とっても健康的なダイエットなのだ。朝昼晩と食事量を減らしていくこともポイントで朝はがっつり。昼は腹八分目。夜は少量。
ケーキなどカロリーが高いものをどうしても食べたい時は朝食べていた。
ここで付け加えておくと、昔は朝食べると太らないと言われていたけれども、今の常識は1日の総カロリーがどうかということが重要だと言われている。
時代が変われば常識も変わるものだ。
話を戻すと3食きちんとダイエットは、挫折することなく大成功した。
成功したポイントは、置き換えにある。基本的に間食は一切しないことにしていたけれど、小腹がすいた時はのりを食べていた。のりはカロリーが低いのでいくら食べても大丈夫なのだ。
小腹がすいたではおさまらず、異様に食べたい時は食事をしっかりとることにした。夕飯は少量と決めていたけれど、気にせず食べた。
我慢し過ぎると失敗のもとになる。食事から摂るカロリーであれば、栄養価も高い。
どんなものでカロリーを摂るかも重要なのだ。
ダイエットにカロリーの質は切っても切り離せない。
同じ100㎉でもスナック菓子と野菜や果物では大違いだ。ダイエットでとても健康的な生活を送ることができあの頃の私に頬づりしたいくらいである。
大きな勘違いから始まったダイエットは大成功だったけれど、片思いは実らなかった。
ポッチャリした女性が好きだと言われたのだ。「なんだそりゃ」な結末だったけれど、また太ろうとは思わなかった。人生が劇的に変化したわけではなかったけれど、やり遂げたという自信がついたのだ。
生まれて始めて一生懸命に頑張って成し遂げたこと。それがダイエットだった。
タイムマシーンがあるのならあの頃の私をハグしてあげたい! 今はそんな気持ちである。
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