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サラリーマンが、サラリーマンになろうとする子供に伝えるべきこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」を受講したスタッフが書いたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ほーりー(「超」ライティング・ゼミ講座)
 
 
園庭の真ん中で三輪車に乗っていたときだ。
 
30年以上前の記憶。
 
クラスでみんなができている鉄棒の逆上がりができずに、
別の遊具に「逃げる」ことを覚え始めたころだ。
 
当時の担任だった女性の先生に呼び止められた。
てっきり鉄棒で遊ばない自分が注意されるのかと思ったら、
突然こんなことを言い出した。
 
「しょうらいはなにになりたいの」
 
迷わず「仮面ライダー」と答えた。
 
こどもは純粋だ。
今思えば、これを聞いた彼女の苦笑いの表情も鮮明だ。
 
この質問の意図が分かったのは、卒園式の当日だ。
いつもより立派な衣装をまとって、園児達は自分たちの将来なりたい
職業を満面の笑顔で口にする。
 
それを見て満足そうに写真を取る保護者たち。
いまではすっかり見かけなくなったインスタントカメラのフラッシュの嵐だった。
 
ケーキ屋
消防士
看護婦(当時はそう読んでいた)
お医者さん
サッカー選手
などなど。
 
多少の空気を読む力があったのだろうか。
仮面ライダーと答えることに多少の羞恥心があったのか。
私は無難に3つ前の男の子が言った同じ職業を言うことを選択した。
 
「ぼくは……けいさつかんに……なりたいです」
 
そのときのパラパラとした、自分の母親以外の社交辞令の拍手を
浴びながら、経験したことのないゴワゴワした感覚を覚えている。
 
将来は何になりたいのか。
 
どんな職業を選びたいのか。
 
何を生活の糧にしていくのか。
 
これは誰もが生きていくうえで、最重要テーマのひとつであることは
間違いないだろう。
 
にもかかわらず、大人たちは、こどもたちに繰り返し問いかけるだけだ。
 
「何になりたいの」
 
偏差値に応じた志望校の選び方は熱心に教えてくれるのに、
肝心な社会にでた後の職業の選び方については教えられる機会はほとんどない。
 
学生生活よりも社会人になって職を全うする時間のほうが圧倒的に長いのに。
人生100年時代と呼ばれて久しい。
4年制の大学を卒業したら、学生生活は最短16年だ。
65歳で定年退職すると仮定すると、職業生活は43年も続く。
 
自分がよっぽどの富裕層の家に生まれない限り、仕事に使う時間は
人生の中で本当に大きな割合を占める。
 
だからこそきちんと選び方を教えるべきだ。
それが親なのか、学校の先生なのか。
何らかの形で。
 
息子や娘がいたら、人並みに幸せな人生を歩んで欲しい。
多くの親の願いだろう。
読者の方も親の立場で読んでいただいている方もいらっしゃると思う。
 
これから自分が親になったら、こどもに伝えたいことを書いてみようと思う。
 
心の片隅において、あなたがもしこどもたちと進路について話し合う
機会があったなら、ぜひ問いかけてみてほしい。
 
 
 
夢を見る小学生、現実を見始める中学生
 
「将来就きたい仕事に関する調査」というアデコ株式会社が実施した
データがある。
 
男子小学生を例にとって引用させていただくと、以下の結果となる。
 
【男子小学生の将来なりたい職業ランキング】
 
1位 Youtuber(ユーチューバー)などの動画投稿者 8.7%
2位 サッカー選手 7.3%
3位 警察官・刑事 6.7%
※300人、各学年50人ずつを対象に実施。
 
1位の職業は10年前なら誰もが予想しえなかった。
今では、年収28億円を稼ぐ8歳のYouTuberがニュースになる時代だ。
 
スポットライトを浴びる職業に憧れを強く抱くものだというのがよくわかる。
3位の警察官も毎週1回殺人事件が起きて、50分足らずで解決していく
職業とするならうなずける。
 
ところが中学生になると、とたんに現実味を帯びてくる。
同じアデコ株式会社の調査結果だ。
 
【男子中学生の将来なりたい職業ランキング】
 
1位:会社員(サラリーマン・OL) 17.3%
1位:公務員 17.3%
3位:ゲームクリエイター 15.3%
※150人、各学年50人ずつを対象に実施。
 
3位のゲームクリエイターはスポットライトの強い職業だと思われるが、
1位、2位の結果は安定志向に大きく傾いた結果と思われる。
 
個人的にはいい傾向だと考えている。
 
私自身も含めて、大半の人は凡人である。
これは特定のジャンルで突出した圧倒的な才能がないという意味で。
そこで教育や親の背中を見て、すこしずつ自分なりの好きなことや
得意なことを見つけて、自分の将来像を作っていくのだろう。
 
誰もがメジャーリーガーの大谷翔平選手のようにキラキラした
存在にならなくても、幸せな人生を歩むことができる。
 
そういう意味での現実を知るタイミングは中学生の時代で
決して早すぎることはない。
 
筆者はけっしてスポットライトの強い、競争率が突拍子もないほど
高い職業を目指すことを否定しているわけではない。
 
プロ野球選手を目指す。
俳優になりたい。
服飾デザイナーになりたい。
 
そんな夢を追いかけるこどもを応援することも親心だろう。
そのときは親として、いろんな選択肢や状況、
それなりの覚悟や忍耐力が問われることを伝えて見守っていくこと
しかできないのかもしれない。
 
 
 
問題は現実のその先にある
 
やっぱり安定した生活は必要だし、特に圧倒的な得意なこともないし、
なんとなく会社員や公務員を目指してみる。
そういった気持ちになるのは自然な流れだとおもうし、至極まっとうだと思う。
そんな平凡だとつまらないと言うかもしれない。
いやいやそんなことはない。
自分で決めた進路と職業を全うして生きていく。
それだけで十分立派なことなのに、こどもたちにはそういった平凡な会社員として
生きていくことの尊さがあまり伝わっていないのが残念だ。
 
私が学習塾の講師をしていたころ、中3の教え子たちは口をそろえて
「サラリーマンにはなりたくない」といった。
そこには思春期特有の平凡とされる大人の生き方に対する嘲笑がまじっていた。
 
「昔はワルでした」
そんなヤンキーが、更生して故郷に錦を飾るというストーリー。
がメディアで過剰にもてはやされるのが苦手だった。
 
彼らが更生したことは素晴らしいこと。
 
ただ大人に大迷惑をかけていたときから、きちんとルールを守って
生きていた人たちが大半であることは忘れてはいけない。
それじゃニュースにならないのかもしれないけれど。
 
自分の場所でもくもくと生きていく。
たとえ周りから平凡といわれたとしてもそこに敬意を払えるような大人に
なってほしいと強く思う。
 
さてここからは、大半のこどもたちが選択するであろう、会社員、
つまり雇われる選択肢について書いていきたい。
 
親としてこどもたちに伝えたいことだ。
 
それは会社員を細分化した現実を見て、選びなさいということだ。
 
会社員を細分化した現実とは何か。
これはふたつのステップで検討すると見えてくる。
 
自分のこどもと一度はディスカッションしておきたいところだ。
まず一つめのステップは業界と職種を細分化し、検討し選択することである。
 
どんなに自分の志望先が漠然としていたとしても、下記の大枠で考えてみれば
少し輪郭が見えてくる。
 
サラリーマンが所属しうる業界や職種は、細かくしていけばきりがないが、
大きく分けても下記の8つに大別される。
 
①メーカー②商社③小売④金融⑤サービス⑥マスコミ⑦ソフトウェア・通信
⑧官公庁・公社・団体
 
職種はどうだろうか。
総務省の「日本標準職業分類」の大分類によると12タイプに分別されている。
 
①管理的職業従事者
②専門的・技術的職業従事者
③事務従事者
④販売従事者
⑤サービス職業従事者
……など12分類。
 
こどもたちが会社員になるとき、大枠で考えても8業界✕12職種で
96パターンのポジションが考えうるということになる。
 
自分だったら、どんな業界・職種がふさわしいか上記の大枠のパターンであたりを
つけることができればよい。
 
2つ目のステップはそのポジションの長期的視野での条件検討である。
この条件は3つのキーワードから導かれる。
 
(1)年収
 
働いた対価である報酬、給料である。ポイントは長期的な視点でみることである。
少しデータを調べれば、業種・職種によって平均年収の差ははっきりある。
 
転職サービスdodaの2020年12月に公開された調査結果によると、
コンサルティングファームなどに所属する専門職の平均年収が601万円に対し、
販売・サービス系は329万円となる。
 
1年間で270万円以上の差になるのだ。
仮説だが、これが大卒から65歳の定年までの43年間で
1億1000万円以上になる。
 
「自分のやりたい仕事だから」と腹をくくって、平均年収の低いポジション
に飛び込むことを決して否定しているわけではない。
きちんとこうした現実と情報を受け止めて飛び込んでほしいと思う。
 
(2)休日
 
具体的には年間休日数である。
これも業界によって大きく違う点は見逃せない。
 
私は携帯電話の販売代理店に新卒で入社した。
当時はリーマンショックで就職戦線が厳しくやっと拾ってくれた会社だった。
そこで提示された年間休日数は105日であった。
 
就職後、ある地方銀行にいる大学の同期に会ったときに、
年間休日数が120日ということを知った。
 
理由は祝日の取り扱いと、長期休暇の取りやすさだ。
ただでさえ販売職は土日祝日が忙しい仕事だから、休みもとりづらいということも
入社してから実感した。
このように業界、業種によって休日のとりかた、考え方は大きく異なるのだ。
 
サラリーマンはほとんどが月給制だから休日の数で給料が変動することはない。
ワークライフバランスという単語が登場して久しいが、より多くの休日を有効に使うことが
幸せに生きられることにつながると思うなら、ぜひ伝えたいところだ。
 
(3)転職
 
これはその会社を転職しても通用するキャリアを積むことができるか。
もっと極端な話だと、次の日クビになってしまったり、会社がつぶれてしまったりしても、
次の会社で通用するスキルや市場評価のある仕事であるかどうかということである。
ここは世代によっては一番ギャップがあるところかもしれない。
終身雇用という働き方はこれからどんどん少なくなり、兼業、副業をすること
人も増えてくる。
間違ってもひとつの会社に一蓮托生になってしまうような形は今では大きな
リスクであることは、こどもに伝えたい。
 
 
 
最後は決断を尊重する
 
サラリーマンになろうとするこどもに伝えたいこと。
このテーマでポイントを書いてきた。
 
ここまで読んでいただいた方の中には、ここまで親がアドバイス
しなければいけないのかと感じた人もいらっしゃるだろう。
 
もちろんこどもの人生はこどもの人生だ。
自身でその選択は決めるべきである。
 
仕事や働くことに対しての価値観は人それぞれだ。
しかしながら、人が一生を全うするうえでの社会人としてのキャリアはますます
長くなっていく。
 
こどもたちが後悔しないよう選択肢を提示すること。
判断に必要な情報を伝え、見守ること。
そしてその決断を最後は尊重すること。
 
こどもが会人になるまえに、親が最後にできることではないだろうか。
もし適齢期のお子さんがいらっしゃる読者のかた。
ぜひ自分のキャリアを振り返りつつ、一度話し合ってみてはいかがだろうか。
 
 
 
 
***
 
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2021-08-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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