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メディアグランプリ

いつもどおりを、いつもと違う場所で。ワーケーションをやってみた


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記事:ebikawa(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
ワーケーションとは、ワーク(仕事)と バケーション(休暇)を組み合わせた造語だ。リモートワークを活用し、観光地やリゾート地に行って働くことを指している。
2010年代から欧米で使われ始め、日本国内でも数年前から広まっていたらしいが、新型コロナウイルスによるリモートワークの普及や、旅行業界の経済復興への期待から、最近いっそう注目が高まっているキーワードだ。
 
これまで15年以上、週に5日しっかり職場へ通勤する働き方を続けてきた私だが、昨年の新型コロナ感染拡大を機にリモートワークになった。さらに転職をしたことにより、いっそう働く場所が自由な環境となっている。今の同僚はカフェや、そのへんの公園から仕事をしていることもある。
 
好きな環境で働ける自由度があるのは良い。とはいっても、ワーケーションに関しては「せっかく観光地まで行くなら、仕事のことは忘れて旅行を楽しんだほうがいいんじゃない?」という気持ちが私にはあった。仕事は仕事、旅行は旅行。せっかく行くなら、思う存分遊びたい。
 
そう思っては、いたのだが。
この夏はご時世柄、旅行といっても、あまり人が多い場所には行きにくくなってしまった。気合を入れて、いろんな場所を訪れるのも躊躇われる。
でもどこか行きたいし、何か新しいこともしてみたいし……と迷った結果、旅行のついでに「新しいこと」として、話題のワーケーションを試してみることにしたのだ。
 
ワーケーションと一概に言っても、世の中で行われている方法は様々だ。長期滞在したり、会社が場所を用意したり。
今回私は個人的に挑戦したこともあり、特にワーケーション向けの施設ではない、普通のコテージに滞在した。森に囲まれたそのコテージは、徒歩3分で湖畔に出て、富士山を一望することができる。そこに5泊滞在し、週末は観光もしつつ、2日間は朝から晩までいつも通りに仕事をしてみた。
 
実際にワーケーションをしてみて、重要なポイントになると感じたのは、まず「ネットワーク環境」だ。リモートワークではインターネット回線の通信速度が仕事に大きく影響を与える。ミーティングはもちろん、クラウド上のファイルにアクセスできなければ何もできない。
そのため、私が宿泊したコテージにもWi-Fiは準備されていたが、万が一その速度が遅い場合やセキュリティの問題に備えて、旅行用のポケットWi-Fiをレンタルして持って行った。実際、他の人がWi-Fiを使っている時間帯は速度が遅くなっていたので、念のため持って行って良かったと思う。
 
次に「仕事をする場所があること」も重要となる。ワーケーション向けの施設では、コワーキングスペースが整ったところも多く存在する。ちゃんとした机と椅子があるのはありがたいが、ミーティング等がある場合は、他に知らない人もいる場で大っぴらには業務内容を話すわけにはいかない。
今回私はコテージの自室にテーブルと椅子がそろっており、そこで仕事をしたのでその点は問題なかったが、コワーキングスペースを使う場合は、ミーティング用の個室も用意されている場所を選びたい。
 
そして、そもそもの「ワーケーションの行先」選びも重要ではあるが、これはいくらでも候補があるし、好みもある。どこが良いというのは一概には言い難い。
ただ、今回私が行ったのは、自然は豊かだったが、観光施設などに行くには車に乗ってそれなりに移動しないといけない場所であった。そのため、行く前は「旅行中に仕事なんてもったいないのでは」などと思っていたものの、実際行くと周囲が自然ばかりで、ほどよく何もなかったので、日中仕事をしていても特にもったいなくは感じなかったのである。
これがもし観光名所が近くて多い都市部だったら、仕事が終わる時間帯にはすでに観光施設やお店が閉まっていて、「せっかく来たのに今日は何も見られなかった」と惜しい気持ちになっていたかもしれない。
その点、自然に閉店時間はないし、散歩するのは朝でも夕方でも自由だ。実際、私は普段は家から一歩も出ようとしない怠け者のくせに、ワーケーション中は始業前に森の中を散歩したり、終業後に湖畔で富士山を眺めたり、何かと歩き回っていた。
なので、もし私のようにワーケーションについて「せっかく行くのにもったいない」と感じてしまいそうな場合は、まず「ほどよく何もない、自然にあふれた場所」を候補としてみることをおすすめしたい。
 
さて、そうして試しにやってみたワーケーションの効果についてだが、残念ながら「仕事が爆速で進んだ」「めちゃくちゃ儲かるアイデアを山ほど思い付いた」などの、会社が諸手を挙げて予算を出してくれそうな、目を見張る効果というものはなかった。びっくりするくらいいつもどおりに働いてしまった。一人で進める作業も、ミーティングも、いつもどおりだ。特に社外とのミーティングでは、ワーケーション中だということを言わなかったし、Zoomの背景に画像を設定していたので、相手は私がいつもと違う場所にいたのにも気付いてないだろうと思われる。
 
かといって、何も変わらなかったのかというと、そうではない。
まず、快適な気候の中で、自然を楽しみながら仕事ができるというだけで十分のメリットがあったと言える。東京では35度を超す猛暑日が続く中、私が滞在した地域は気温が22度だったのだ。いつもなら暑くて一歩も外に出たくないが、この気温なら散歩もしようという気になるし、窓を開けてさわやかな空気の中で仕事もできる。それだけで得した気分だ。
それに、やっている仕事は「いつもどおり」でも、やはり環境を変えたことによって「いつもと違う」楽しさや、ワクワク感があった。空気が違う。景色が違う。始業前や終業後にできることが違う。こうした新鮮な気持ちは、仕事に向かうマインドに良い影響を与えていたと思う。
 
最近はまた新型コロナ感染者数が増え、県を跨ぐ移動の中止・延期が呼びかけられてしまったので、これからやろうと思っても時期的に難しいことはあるかもしれない。ただ、リモートワークはこれからも継続されるだろうし、旅行業界盛り上げのためにワーケーションもまだ需要が続いていくだろう。
 
私も、ぜひまたやってみたいと思っている。山の良さは満喫したから、今度は海が見える場所もいい。海産物も食べたいし、宿泊施設に温泉もあるといい。ワーケーションを機に、これまで行ったことのない都道府県を訪れるのも楽しそうだ。いつもどおりの仕事の延長でも、あれもやりたいこれもやりたいと、いつもと違う夢が広がるばかりである。
 
 
 
 
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2021-08-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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