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「白は膨張して見える」はウソ? 色彩コンサルタントがホントのことを教えます!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:鴨川 泰(ひろ)江(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
結論から言えば「半分ホントで半分ウソ」。同じデザイン・同じ素材の服を白と黒で比べれば、白の方が「大きく見えることが多い」です。
 
え、「多い」って何!? と思ったあなた。
 
実はあまり知られていないのですが、色による「見かけの大きさの違い」は、「背景の色」次第なんです。
 
ざっくり説明すると、白や淡いパステルカラーが「膨張色」になる、つまり実際より大きく見えるのは、その色の「背景が暗い」時。同じ白いワンピースなら、白い壁より黒い壁の前に立った方が、よりふわっと輪郭が大きく見えます。
 
これは「光滲(こうじん)」と呼ばれる、文字通り「光が滲(にじ)み出ている」現象によるもの。
 
光度(こうど=光の強さ)が高いほど「滲み」が強くなり、背景が暗いほどその滲みが分かりやすくなるんですね。
 
夜空に輝く一等星が、光の弱い三等星より大きく見えるのが良い例でしょう。どの星も地球からはうんと遠いので、本来ならすべて「同じ大きさの点」にしか見えないはずなのですが。
 
白いワンピースそのものが光っているわけではありませんが、ヒトの目に「白く映る」ものは、それだけ「多くの光を反射している」と考えてください。また、白とは正反対の「黒」は、逆に「ほとんどの光を吸収」しているため、ヒトの目に光が届かない=暗く見えているのです。
 
光が届かない以上、当然ながら黒から「光が滲む」こともありません。なのでどうしても「白を着たほうが、黒より大きく見えやすい」というわけです。
 
ところが「背景が明るい」と、白を着ても光滲が目立たなくなります。隣に同じデザインで「黒を着た人」が立っても、大きさ自体に差はあまり感じません。が!
 
黒を着たほうが「輪郭がクッキリ」します。
 
つまり、その服の「シルエット」による印象が強くなる、ということ。ボディライン、あるいはその服自体のシルエットを強調したい場合には、「黒い服+白背景」は最適と言えるでしょう。
 
ただ、よく言われる「黒を着ればヤセて見える」は、残念ながらあんまり根拠がないのです。
 
色彩学を勉強したことのある人なら、「白=膨張色/黒=収縮色」と習った記憶があるでしょう。わたしも大学や専門学校で教壇に立つ時はそのように伝えていますが、より正確に言うならば、黒が収縮=小さく見えるのは、あくまでも「(光滲が起きている)白と比べて」なんですねえ。
 
さらに付け加えると、色は明るさ(明度)によって、見かけの大きさだけでなく「重さ」や「硬さ」の印象も変わります。
 
明度が高い=白に近いほど「軽く・柔らかく」見え、明度が低い=黒に近いほど「重く・硬く」見える、と覚えておいてください。と、言うことは……
 
そうです。流行りの「全身黒コーデ」にすると、実際より大きく見えることはないものの、「重くて硬いカタマリ」に見えている可能性・大です!
 
特に大柄な人は気をつけて。知らず知らずのうちに「圧の強い人」に見られているかもしれません。
 
お勧めは「素材感で軽さを出す」方法。
 
薄手で透け感があり、身体にピッタリしすぎない、適度なゆとりのあるシルエットの服を選んでみてください。通気性も高いので、今のように蒸し暑い季節には一石二鳥ですよ。
 
反対に「白を着たいけど膨張したくない」人は、あまり広がらないシルエットを選び、プリーツやシャーリング、あるいはストライプ柄などで「縦のライン」を強調するのがポイント。
 
この「縦ライン作戦」は白に限らず、どんな色でも有効ですので、スラリと見せたい人はぜひ取り入れてみてください。
 
なお、白も黒も「全身同じ色で統一」するより「組み合わせる」ほうが、スタイルアップしやすいのでお勧めです。
 
例えば「白やベージュなど、淡い色のトップス+ボトムスに、黒や焦茶のロングジレ(袖なしの羽織もの)」のようなコーディネート。
 
正面から見た時に「身体の両サイド」にダークカラーの縦ラインが入るため、横幅が削られ、縦に長くスタイル良く見えます。また中央に「膨張色」の縦ラインが入るのでのっぺりせず、全体が立体的に見えますよ。
 
ただし明暗を逆にすると、身体の輪郭が膨張してしまうので、縦ラインの効果が半減してしまいます。「外側に暗い色」と覚えておいてくださいね。
 
また上半身と下半身のサイズに差がある人は、「大きく見せたいほうに白っぽい色」「小さく見せたいほうに黒っぽい色」を使うという手もあります。
 
この方法だと「縦ライン」が作りにくいので、もし「背を高く」見せたいなら、ヘアカラーや帽子、大きめのピアスなど、身体の「上のほうにアクセント」を置くのがお勧めです。
 
白も黒も色みを持たない「無彩色」なので、アクセントには「鮮やかな色」を使うと映えるでしょう。特に体型カバーは必要ないという人も、1色プラスすることで「いつものコーデ」に変化が生まれるので、バッグやネイル、あるいはマスクの色で工夫してみては?
 
夏の定番カラーの白、トレンドカラーの黒、どちらも楽しく賢く使って、あなたらしいファッションを楽しんでくださいね!
 
 
 
 
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2021-08-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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