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バツイチ男子のマッチングアプリ奮闘日記


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:武田 健人(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「離婚してほしいんだよね……」
27歳の4月、月曜の朝、突然その日は訪れた。
 
新卒入社した会社で4年間付き合った彼女と結婚してから、1年後のことだった。
「何で……? 意味がわからない。帰ってきてから、落ち着いて話そう」
その日の仕事が手につかなかったことは、言うまでもない。
 
それから1ヶ月間、粘って会話をしたり、手紙を送ったりしたけど、彼女の気持ちは変わらなかった。
 
まさか自分が、googleで「若年 離婚」なんて検索する日がくるとは思わなかった。
「日本の3分の1が離婚する時代になりました」なんて記事を見つけて、少し安心するような、やっぱり少ないような、複雑な気持ちになったのを覚えている。
 
優しい先輩や、友達に励まされて、何とか気持ちを整えられた僕は、渡されていた離婚届にハンコを押した。27歳バツイチの誕生である。
 
どうせ1人になったのだ。好きなことを思い切りしよう! そう思って、趣味や一人旅に没頭した。自由な時間、自由に使えるお金。その感覚に酔いながら、やりことを片端からやっていった。
 
1年ほど経ち、瀬戸内海の、しまなみ街道をロードバイクで渡って、広島から愛媛の道後温泉に行った旅のこと。温泉の最高なお湯を満喫した僕は、風呂上がりに休憩する、広いお座敷で涼んでいた。
 
後から入ってくる人たちが、どんどんお座敷の席に座っていく。僕の横には、40代半ばくらいの夫婦が座った。ふと、その会話が聞こえた。
「気持ちよかったねー。また絶対に来たいね」
 
「あー、いいなぁ、あの雰囲気」
僕は急に寂しくなった。こんな夏の暑い日に、年末のような哀愁を感じているのは僕くらいだろう。その時、また彼女を作ろうと決意した。
 
その頃、つるんでいた後輩がいて、三軒茶屋で昼飲みしながら、僕はその話をした。彼は最近はまっているというマッチングアプリを勧めてきた。バイト、サークル、会社の同僚との出会いしかなかった僕にとって、アプリは未知の世界だった。
 
しかし、その場でアプリを見せてもらうと、かわいい女の子たちの写真ばかり。
「おおお……」と内心では興奮していたけど、食いつくのはダサいと思って、言葉では「ふーん、アプリねぇ」と、余裕があるフリをした。けど、根掘り葉掘り、使い方はヒアリングしたから、後輩にも僕の興奮はバレていただろう。
 
この日から、僕のマッチングアプリの戦いが始まった。
 
知識がなければ戦えない。そう思った僕は、「マッチングアプリ 攻略」と検索して、戦い方をリサーチした。しばらく探していると、怪しい神様のキャラクターが、男性陣にマッチングアプリの使い方を指南しているサイトを見つけた。
 
その神様が「マッチングサイトは、プロフィールが全てじゃ!」と言っていたので、その教えに従うことにした。いわく、プロフィールの極意は3つ。
 
まず、プロフィール写真の極意。1枚目は、清潔感のある、自分の顔がよく分かるものを選ぶこと。2枚目には友達との写真をのせて交友関係をアピールせよ。ふむふむ、戦略的である。
 
そして、写真に載せる一言は、地名を入れて親近感を持たせるのがポイントらしい。僕は、「三軒茶屋に住んでいます。会社は銀座です」と書き込んだ。
 
次に、プロフィール文は「差別化をせよ」とのこと。そこには事例として、一般的に陥りがちな特徴のないプロフィール文が載っていた。なるほど、自分が書いた文とそっくりである。美味しいご飯が好きなことしか分からない。僕は、頭をひねり、数時間かけて、キャッチーな文章を書いた。
 
最後に、基本データの極意。会社規模、年収、卒業校、身長など。これは、「嘘をつかない範囲で盛れ」と書いてあった。例えば、年収450万なら四捨五入して500万である、という例。いや、これは嘘だろ、と突っ込みながら1つの項目で手が止まった。
 
「独身、離婚」の選択肢である。
 
僕は、悩んだ。離婚と書いてしまったら……誰も相手にしてくれないのではないか、と感じた。僕は、その欄は記入しないことに決めた。未記入なら嘘は言っていない……そう、自分に言い聞かせながら、登録を完了した。
 
僕が使っていたマッチングアプリは、「いいね」を送って、相手が「ありがとう」を返してくれたら、めでたくメッセージが開始できる仕組みだった。僕は、寝ても覚めても「いいね」を送った。
 
やり続けるうちに、30「いいね」送ると、2「ありがとう」の返信が来て、そのうち1人とご飯の約束までたどり着く確率であることが分かった。30「いいね」4,320円である。中々いい商売だよ……と愚痴を言いながら、僕は課金しまくっていた。
 
少しでも返信率を高めるために、会社の飲み会で、同僚の女性に意見を仰いだ。
「うーん、基本的には年収と身長しか見てないからなぁ」
なんてやつだ。
「あとプロフィールが狙ってる感じで気持ち悪いし、長すぎるかな。シンプルでいいよ」
なんてことだ。神様の嘘つき。
飲み会でもボロボロになりながらも、僕はプロフィールを磨いていった。
 
その努力もあって、僕は、何人かの女性と出会うことができた。
僕が出会った中で、特徴的だった女性を3人紹介しよう。
 
1人目は、写真とは全く別人の、体格の良い女性。明るく素敵な人だったが、僕の2倍食べるので驚いた。初対面とは思えないフレンドリーさで楽しかったが、注文も遠慮がなく、会計は普段の3倍だった。この子と付き合ったら破産してしまう、そう思った。
 
2人目は、アイドルグループに所属していそうな、かわいい女の子。神様に感謝したが、酔って話が弾んできた頃に「私、40歳の彼氏と、20歳の彼氏がいるの」とのこと。世界って、本当に広いなぁと感心して、帰路についた。
 
3人目は、お母さんみたいな人だった。その人には打ち明けられる気持ちになって、離婚のことを話した。「離婚って、全然悪いことじゃないと思う。むしろ、言ってくれた方が誠実だと思うよ」 その子のおかげで、僕は誠実の意味を知って、プロフィール文を「離婚」に切り替えた。恋愛には発展しなかったけど、とても感謝している。
 
「離婚」にプロフィールを書き換えても、30「いいね」2「ありがとう」1「ご飯」の法則は、変わらなかった。それでも、おそるおそる「俺、離婚しているけど大丈夫?」と会う人に聞いたが「むしろ、誠実だと思うよ」という回答ばかりだった。僕は1つ成長したようだ。
 
そんなこんなでコツコツ経験値を積んだ僕は、今の彼女と出会った。2年前のことである。
写真では顔がよく分からなかったけど、プロフィールに惹かれて会った人だった。
明るくて、自由で、自立した女性。僕の理想だった。
 
彼女の方は、マッチングアプリを使って初めてのご飯だったらしい。
僕はスピードが全てだ、競合に会わせてはいけないと決意し、怒涛の勢いでアピールした。
それが功を奏して、無事、彼女と付き合うことができた。
 
マッチングアプリのおかげで、世の中には色んな女性がいることを知れたし、理想の女性と出会うこともできた。本当に感謝している。迷っている人には、ぜひオススメしたい。
 
ただ、注意点が1つある。後に、彼女に言われたこと。
「三軒茶屋とか、銀座とか、地名でアピールしていたのは気持ち悪かったなぁ」
 
何が正解か分からないのが、マッチングアプリである。
 
 
 
 
***
 
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2021-08-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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