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メディアグランプリ

パラリンピックが終わった

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:忠内 樹(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
パラリンピックの閉会式。男子車いすバスケの銀メダルの嬉しさの中、ぼーっとテレビを見ていた。あっという間の2週間、毎日とてもワクワクしていたからこその喪失感というか虚無感というかそういうものを感じていた。
 
コロナ禍で在宅勤務だったこともあり、パラリンピック期間中、テレビで様々な競技を見ることができた。口で弓をひくアーチェリー、同じレースでも異なる泳ぎ方の競泳、伴走者のいるトライアスロンや陸上競技、見えないはずなのにかすかな音で競技をするゴールボールやブラインドサッカー、車いすがぶつかり合う車いすラグビーや車いすバスケ。すべての競技を見られたわけではない。普段テレビで放映されているスポーツとは異なる競技に毎回興味津々だった。ルールは全然わからないのにひたすら観戦していた。オリンピックのときはルールがわからないから他のチャンネルに変えたいと言っていたのに、なんでこんなに夢中にみられるんだろうと自分でも驚くぐらいテレビにかじりついていた。電気屋さんのゲームコーナーで、できもしないのに、ゲームのデモにずっとかじりついているような、そんな感覚だった。
 
障がいを持った方の仕事の提案や改善を担当していた私は、どうやったら彼らの仕事になるか、彼らがやりがいを持てるかを模索していた。障がいを持っていても持っていなくても同僚であり、友人であるからこそ、やりがいや彼らなりの成長、向上心にどうやったらつながっていくのか、わからずもがいていた。パラリンピックの競技をみているとき、解説を聞いているとき、私にとって障がいを持った方ができることの可能性を見出す貴重な時間となっていた。伴走者がいれば自走ができる、やり方を変えたら一人でできる、その後の仕事を考えるうえでのヒントをたくさんもらった。まるで、ゲームのクリアの仕方のコツを教わっているかのように、パラリンピックは私にとってアイデアや知恵の宝庫だった。
 
選手それぞれの特性ごとにレベル分けがなされているから、どんな障がいを持っていても競技に参加できる。もちろんそのトップクラスでない限りパラリンピックには出られないだろう。チャンスが絶たれているわけではなく、特性に見合う競技であれば、なんでもできると思えたら、仕事も同じだと感じた。その人その人の特性に見合った作業に分けて、みんなで作り上げることは、仕事としてのやりがいにつながるのではないか。チームで助け合うからこそ、もっと頑張ろう、やりたいという気持ちが湧いてくるのではないか。チームで戦うゲームではみんな同じではなく異なるからこそ、得意なところは自分で、不得意なところは得意な人に任せて、チームとしての相乗効果が生まれていた。それと同じだと感じた。
 
今回のパラリンピックで印象に残ったことがもう一つある。金メダル最年少、最年長金メダリストという言葉が飛び交っていた。オリンピックではだいたい身体能力の一番ピークの時期に代表選手となって活躍をしている。そしてピークを超えると引退し、アスリートから卒業をしていくイメージを持っている。その一方でパラリンピックはさまざまな特性を受け入れているからこそ、さまざまな年代の方々の活躍を目にすることができた。マリオが大きくなったり、小さくなったり、それでもゲームはクリアできる、そんなイメージを持った。年齢は関係なく、ゴールに向かって一生懸命取り組むことが大切なんだと気づかされた。
 
ふと、障がいというのは誰が決めているのだろうと感じた。もちろん法律や制度が決めているものではある。ただ、社会の中で障がいというのは手帳を印籠のようにかざしている訳ではなく、実はとてもわかりにくいのではないかと感じている。見た目では分かりにくい障がいというのも世の中には存在している。精神障害、発達障害、いろいろな言葉は存在しているが知られていないし見た目ではわからないこともある。見た目でわからないからこそ、健常者と同じ感覚でできるはずだと決めつけられてしまい、健常者と比較され、責められてしまうことがある。健常者といわれる人であっても、異なる価値観や世界観を押し付けられると頑張りたくても頑張れなくなるものだ。違っていいと思える世界になるといいなと改めて感じた。さまざまな動物たちと一緒に生活しているようなそんなイメージを持った。
 
そんなモヤモヤを持っていた時、テレビから聞こえてきたフレーズ。「優れるな、異なれ」車いすバスケのメダル受賞後の会見で藤澤選手が鳥海選手から教わった言葉として紹介された。まさにこの言葉が今、障がいを持っていても持っていなくても、これから先の未来で大切にしていきたい考え方だなと思った。
 
最後に、聴覚障がいの方向けのスポーツ大会として、デフリンピックというのがあるらしい。今度調べてみようと思う。
 
 
 
 
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2021-09-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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