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心の治し方


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:杉下 薫(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
僕はSNSをやっているのだが、最近「落ち込んだ時にはどうやって立ち直りましたか」「メンタルの治し方を教えてほしいです」という相談を受けることが多くなった。
 
僕は新卒時に子供のころからの夢であった公務員試験に落ち、4年付き合った彼女に振られ、直後に会社から突然の解雇を食らったがことがある。そうした紆余曲折を経て去年公務員試験に合格したのだが、それをSNSで公言している。そして今は、今年受験の人で残念な結果となった人がいたり、来年公務員の人が勉強に取り掛かったりする時期なのでこうした質問が多くなっているのだと思う。
解雇を食らった当時の僕は夜眠ることもできず朝方になり少しうたた寝するのがやっと。それもすぐに目が覚めるが、ベッドから起き上がることはおろかスマホに触る気力すらない。一日中寝ながら天井を見るだけで過ごし夕方、トイレが我慢できなくなりやっと起き上がるような毎日だった。
そんな僕が人生のどん底からいかにして立ち直ったかを書いてみたい。
 
まず、特に落ち込んでいない今でもよくする気分転換が筋トレとジョギングだ。
身体を動かすことがリフレッシュに繋がることは言うまでもないが、運動が身体にいいのは分かっていても嫌いな人もいるだろう。そんな人には好きな音楽を聴きながら行うことがいいと思う。特に気分の上がるアップテンポの曲を聴きながら走ると、曲が終わるまで足を止めたくないとさえ思えるはずだ。ただ、注意したいのが運動が身体にいいからといって疲れがとり切れていない状態で行うとさらに疲れが溜まり憂鬱な気分となってしまうことだ。
そんな時には外に出て散歩をすることがオススメだ。適度な有酸素運動には抑うつを低減させる効果があり、事実、多くの心療内科では週に2~3回の有酸素運動が推奨されている。今はコロナ禍だが、人との距離を保ち一人で行うのは問題ないと言われている。
 
次に早寝早起きだ。僕は平日四時起きなのだが、夜もできれば9~10時、遅くても12時までには寝るようにしている。だいたい精神を病むようなことを考えてしまうのは夜だし健康にも良くない。また、筋トレやジョギングもそうだが一つこなすと「やり遂げた感」があり自己肯定感の上昇につながる。一日の始まりが早起きという達成感で始まるのはなかなか気分がいいものだ。
 
ただ、解雇を食らった時の僕のように運動や寝ることさえできないという時も人間にはある。そんな時にして欲しいのがこれまで自分が好きだったことやモノに再度触れてみるということだ。
幼少期に好きだったもの、学生時代好きだったもの……なんでもいいが暫く自分が触れていなかったものが特にいいと思う。僕の場合は解雇を食らって暫く経った後、元々漫画が好きだったため漫画喫茶で賭博黙示録カイジという漫画を読んでいた。そこで主人公カイジの敵、利根川というキャラクターが以下のセリフを言う。
 
「おまえたちは負け続けてきたから今 誰にも愛されることなく貧窮し……ウジウジと……人生の底辺を……這って這って這って這っているのだ……!なぜか……?それはおまえらが……ただ負け続けてきたからだ 他に理由は一切ない。」
 
以前にも読んでいた作品だが、この時の僕は目の覚める思いがした。それまで自分が考えていた不幸が全てこの一言で理由がつくと思ったからだ。このセリフは極論であり、不条理な災難というものは存在するし決して全ての人間が負け続きだから不幸というわけではないということに注意したい。人によってはさらなる絶望に陥る可能性もあるだろう。だが、当時の僕にこの言葉は立ち直るきっかけとなったのだ。昔好きだったものでも当時と今とではまた違った見え方、受け止め方ができるかもしれないということだろう。
 
また、新しいことに挑戦してみるのもいいが、自分が本当に好きと思えるものに出会うまで時間がかかる場合がある。そこで、自分がこれまで好きだったことと関連のあるものにふれてみるのもオススメだ。僕の場合は漫画の中でもジョジョの奇妙な冒険という作品が小学校に入る前から大好きでその舞台であるイタリアに興味があった。ちょうど解雇されて無職となっていた頃にジョジョの奇妙な冒険イタリア聖地巡礼ツアーというものが企画され、僕はそれに申し込んだ。無職の時にイタリア旅行、それも40万円という大金を投じていくのは相当に覚悟が必要だった。しかし、物心つく前から憧れていた場所、美味しい料理、そして同じ大金を出すほどの熱烈なジョジョマニアの人たちとの邂逅は落ち込んだ心に光をもたらした。そして、自分が本当に好きなものは裏切らないということを実感した。
 
そして、これまで長々書いてきたがこれらはいわば対処療法で一番は心が病んだ原因をなくすことだろう。僕の場合は職場での解雇が一番の原因だったが、それを公務員試験に再チャレンジするきっかけとしてとらえ直すことで再起の足掛かりにすることができた。そうして再び立ち上がるまでのきっかけとしてこの文章が悩んでいる人の役に立てば幸いである。
病んだりすることは決して無駄ではない。今一度自分についてよく考え、より輝かしい人生を歩むための第一歩となりうるのだから。
 
 
 
 
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2021-09-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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