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体を楽にしてくれる魔法”トリガーポイント”

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ktana_(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「これやばいですね〜ガッチガチです」
 
何度このセリフを聞いてきたことか。私は今マッサージに来ていて、ベッドの上に横たわり首を指で押されている。マッサージ師に触られると首や肩に指が全然入っていかないのがわかる。エンジニアという職業柄、長時間椅子に座ってPCに触れているので首や肩、腰、背中がガチガチに固まってしまう。マッサージに通うのが日常になっていたが、毎週行かないといけないくらい体が怠くなったり痛みを感じるようになったりしてきた。
そんな中ある日妻から、
 
「鍼に行くといいかも。きっと効果抜群だよ」
 
と提案があった。曰く、最近鍼灸院の人と知り合いになったらしい。鍼といえば、長髪で髭の長い老人が匠の技を使って鍼をうち、体を針山のような状態にしてしばらくそのままでおく。そんなイメージを持っていたせいで、以前から興味があったもののなんだか胡散臭そうだし当たり外れもありそうなので結局やらずじまいだった。しかしそこは信頼できる妻からの情報なので、さっそく予約をとって行ってみた。初めての鍼治療である。
 
幸い長髪で髭の長い老人ということはなく、屈強な男性の先生が施術するようで少し安心した。鍼治療自体は自分が想像していたよりもずっと進化しているようで、とても丁寧に説明をしてもらった。
 
実際に体が凝り固まっている原因として”筋膜性疼痛症候群”というものがあり、痛みを引き起こしている筋肉の内部に固まってしまった部分となり、そこを押すことで痛みを起こすポイントがある。これが”トリガーポイント”といわれるものであり、そこを鍼で刺激することで痛みを解消するということらしい。曰くとにかく体の凝りや痛みに対して効果抜群とのことなので、期待値があがる。
 
そして鍼治療に使われる”鍼”はいわゆる”針”ではなく、パッと見てもそれらしくない形状になっている。これは針の形状が怖いという人にとってもありがたい形状なのではないだろうか。いよいよベッドに横たわりまずは体のチェック。
 
「あ〜これは鍼を打つとたくさんありますね。時間足りるかな……」
 
先生からこぼれた本音。そんなにも自分の体に鍼をうつところがあるのか。今から75分の施術が始まる。最初の鍼は意外にも足からだった。
 
「じゃあ打ちますね」
 
気持ちを準備するまでもなく素早く鍼が打たれる。思わず体に衝撃が走った。筋肉が跳ねるような感覚。最初の感覚としては”ドンッ”とか”パンッ”みたいな擬音がぴったりだと思う。”体の中で水風船が破裂した”という表現が一番近いような気がする。水風船に針を刺して破裂される。私の頭の中ではそんなイメージが湧いていた。思わず声に出てしまうくらい、体験したことがない感覚だった。
 
「おお〜体の中で何かが弾けるような感覚ですね!」
「この感覚が嫌って患者も結構いるんですよね」
 
そんなものなのかと思ったが、個人的にはこの感覚はとても心地よかった。自分の体内で凝り固まった筋肉が弾けて解けるような感覚。特に脚の前腿である大腿四頭筋や、裏側の脹脛に鍼を打たれたときにそれを一番感じた。
 
そして鍼は打ちっぱなしというわけではなく、鍼を打っては動かしすぐに抜く。動かしているときに少し傷みや違和感はあるが、激痛というわけではなかった。なんなら通常のマッサージの方が痛いような気さえした。脚を終えて、腰から背中、肩、首とすごい速さで体中に鍼を打っては動かして抜く。
 
「ちょっと動いてみてください」
 
驚くほどスムーズに膝があがる。首を動かすと引っ張られる感覚がなくなり左右に回すと後ろ少し見えるようになった。こんなに肩回すことができたのかと思うくらい肩を回すときの窮屈な感じがなくなった。”トリガーポイント”を鍼で刺激することで、こんなにも自分の体とは驚きである。
 
「終わりましたよ。初めての鍼、どうでしたか?」
「こんなに自分の体が動くようになるんですね。これほどまでとは……」
「明日筋肉痛みたいな感じになりますよ。とにかく水分をたくさんとってください」
 
体の中の水風船が破裂したとはよく言ったもので、破裂したことで水を失ったのでそれを補うが如くいつも以上に水分をとった方が良いとのことだった。
 
会計を済ませて鍼灸院を出てから歩こうとすると、もうすでに反動がきていた。全身が筋肉痛になったかのような重さで老人のような歩き方しかできない。これが”トリガーポイント”を刺激したことによる反動である。その日はいつもよりも多めの水分をとって寝たが次の日起きると、前日の施術後よりもさらに筋肉痛になったような感覚で、起き上がるのも一苦労だった。
 
人によっては1週間くらいは怠さや体が重い状態が続くとのことだったが、自分の場合は4日くらいでとれ、鍼を打ったところによっては青あざのような感じになっていたが、それもしばらくすると綺麗になくなった。そしてそれとともに全身の凝りや痛みも見事になくなっていった。あれほど軽快に首や肩が動くようになったのは久しぶりだった。個人的にはちょっと高いが、これほど体が楽になるのであれば定期的に鍼治療に行くのも良いかなと思う。正直マッサージよりも癖になりそうだ。
 
打った後の反動はマッサージ以上に凄まじかったが、マッサージでも改善しなかった体の凝りや痛みを鍼であれば解消することができる。首や肩などの凝りや痛みがひどいと感じている人にはぜひとも体験して欲しい。トリガーポイントを刺激して、本来あるべき体を動きを取り戻そう。
 
 
 
 
***
 
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2021-09-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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