メディアグランプリ

トモヤは白ごはんだ!!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:miwa(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
「ん? なんだこのゆるーい物腰のメンズは??」
 
2019年の2月。
せっかくの連休だというのに、珍しく体調を崩し、体を休めようと電気を消して夜7時頃に布団へ。
 
ミニマリストの心地よさに味を占め、普段からいかにモノを家の中に入れないかに心を注いでいる私は、町中で配っているノベルティの類には手を伸ばさず、お店で親切に渡してくださる資料などの紙類も、お礼を伝えてから「御社のサイトで確認します!」と笑顔で断る始末。
そんな暮らしを密かに楽しんでいるので、当時、部屋にはパソコンもなく、テレビもワンセグ視聴でこと足りる日々。
 
その日も、布団に横たわりながら、間もなく訪れるであろう睡魔を待つ間、アンテナを挿したスマホをぼんやり眺めていると、白いタオルを頭に巻き、独自の知識を披露しながらどうぶつ王国を回っているメンズが一人映る。
 
画面が小さすぎて、テロップはおろか、顔の判別もあまりつかないのはいつものこと。
さらに横たわっているから、布団に乗せた画面は水平、目の場所は垂直に傾いた状態であくびをしながら、
 
「若いジャニーズの誰か1人が、動物好きなんですよね〜って歩いてるんやろなぁ〜」
 
そんな風に、見るともなく見ていると、どうぶつ王国に来ているにも関わらず、そのメンズがスポットを当てるどうぶつのイチイチは、近所の川で会えるような頭が緑色のマガモだったり、目に留められにくい地味なイキモノや、誰でも知ってるどうぶつ、でも誰もは知らないへぇ!! ばかりをチョイス。
なので、今しがた通りすぎたばかりの地味なイキモノに光が当たり、グッと興味をそそられ、もっと近くで見てみたい! と一瞬で目が離せなくなってしまった……。
その相手は、存在するだけで愛らしいどうぶつたち……ではなく、このメンズだ。
 
「ダメだ……このメンズ、好きになりそう……」
 
すぐさま体を起こし、電気を点け、目を細めて見える画面から読み取れた、童顔でタレ目のかわいいこの人は誰なんだろう? と思うも、なーんにも前情報がないので、CM中を狙ってグーグル先生へ番組名を入れて質問。
 
出てきた名前は『中村倫也』さん。
 
な、、、名前が読めない……。
リンヤ?
そんな訳あるかい。
あ、トモヤって読むのか、フムフム。
 
へっ?! 33歳なの!? (結構、年齢いってるやん!!)
へぇっ?!! 俳優歴14年なの?!? (そんなに長く活躍してる方なのか!!)
ほぇっ?!!! ダイワハウスのあのCM、この人だったのぉ?!?! (優しい雰囲気が、どうも好きだなぁと思ってたよ!!)
 
導き出される情報に夢中になり、目はギンギン。もう、眠るどころではない。
その日から、知らない倫也さんを探す旅が始まった。
 
翌日、よっぽど弱っていたのか、私…?? と冷静に振り返ってみても、確かに弱ってはいたものの、誰かにすがりたくなるほどではなかった。
うん、これは、懐かしい一目惚れってやつだわ。
 
今から2年前というと、朝ドラの演技で世間に注目され始めたばかりで、既に放送が終わっていたその朝ドラはもちろん、本業は映画や舞台で活躍している俳優さんだと知ったきっかけは、バラエティー番組の60分にも満たない一部。
 
レストランでも、シェフが看板メニューに挙げる自信作があるように、彼も本業である演技を評価して欲しいはず!!
 
そう勝手に盛り上がった私は、仕事帰りではやる気持ちを抑えつつ、でも、1作品ずつ丁寧にじっくり鑑賞したいので、古い順番でDVDを借り、そのためのレコーダーと、躊躇なく大画面テレビまで購入。
あんなに遵守してたミニマリスト、どこ行った。
どの作品も、どんな脇役でも、嬉しくて、貴重で、最低2回は見た。
 
彼がテレビに出ると知ると、録画予約ってぇのが出来るのか!! と感動し(何時代?)、こんな大画面で見られるとか、マジ、神! と崇めながら、実物大かと見まがうようなドアップになると、好きすぎてモジモジ直視できない(録画だよっ!)
なのに、どの場面も見落としたくない! と、これも最低2回は見る。
 
本屋で立ち読みしてみても、載っている雑誌もスペースも、探すのが楽しみになるほど少なく、毎月、今か今かと心待ちにしていた。
所属事務所から挙がっている出演情報も、少しずつ更新が増えてはいるものの多くはなく、あのバラエティーで見たような自然体の彼が見たくて、商品紹介を上回る回数のCMオフショット動画を、一挙手一投足が完コピできそうなほど何度も何度も眺めては、それだけで満足し、うっとりしていた。
 
あれから、あれよあれよと言う間に売れっ子となり、今や皆さんご存知の通りだ。
「リンヤ」と茶化していたうちの母にも、もうそうは呼ばせない!
 
彼の虜になってから1年ほど経ち、ある日何気なく連ドラに主演している男優さんを見ていて、あぁごめんなさい、、、この人苦手かも、、、と思ってしまった。
演技は上手だし、時折よく見かけていて、ファンもたくさんいる。
失礼極まりないな。でも、なんでだろう……?
その理由を考えていたら、そういえば、あの人もあの人もチャンネル変えてしまうなぁ。
 
「あっ!! 顔が濃いからだ!!」
 
濃いお顔がたまらない人もいるから、これを読んでくださる方がいたら傷つけてはいけないと思いつつも、自分は真逆のタイプが好きなんだと、いい年して新しい自分を知る。
薄い顔(褒めています)の倫也さんは、毎日見ていても、全く飽きることがない。
 
「あぁ彼は、白ごはんみたいな存在なのかもしれない」
 
劇場や番宣で注目を浴びている間、どんな女優さんと並んでも、その女優さんを引き立てる。
雑誌は、身につける商品がハイブランドであればあるほど、見せたい商品の邪魔をせず、際立たせる。
何より一番伝えたいのは、ご本人が一番輝いているということ。
こんな俳優さん、他にいるかなぁ。
 
一日の終わり、ほっと一息つきたい晩ごはんどきに、おかず✕おかずだけが並ぶテーブルは、見た目は華やかで嬉しいけれど、やっぱり手には白ごはんが欲しい。
白ごはんって、安心感にもつながっているのかもしれないなぁ。
シチューだろうが(※個人の見解です)、淡い味付けだろうが、白ごはんはどんなおかずにも合う。
 
倫也さんは、老若男女みんなに愛されて、必要不可欠な存在なのだと白ごはん
で悟った、ある冬の記憶をここに書き留めておこう。
 
 
 
 
***
 
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2021-09-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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