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ちょうど良すぎる街、名古屋


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:篠田 龍太朗(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
つくづく、人生とは分からないものだと思う。
小さいころは縁もゆかりもなかった街に、これから一生住むことになりそうだからである。
 
鳥取という日本一人口が少なく、「スタバはないけど、スナバはある」県(注:今はある)の山の中で生まれ、高校卒業まで18年。
学生時代は田舎から出て横浜で過ごし、4年。
そしてたまたま縁あって名古屋の会社に就職して、あっという間に名古屋生活8年目が過ぎようとしている。
 
田舎暮らしも首都圏の都会暮らしも経験した私が、「名古屋を一言で言えば?」とコメントを求められたとしたら、何と答えるか。
 
その答えは、「ちょうど良すぎる」である。
 
初めて名古屋に越してくるとき、「名古屋で生まれた人の多くは名古屋から一生出ない」というその理由がわからなかったが、今はそれがすごく良く分かる。
 
この街は、とにかくめちゃくちゃ住みやすいのである。
この街は、とにかくあらゆる観点でちょうど良すぎるのである。
 
実はこのたび、私はとうとうこの街に家を買ってしまった。いよいよ一生モンである。
そんな私が、「いかに名古屋がちょうど良いか?」について力説させていただきたい。
 
①ちゃんと仕事があり、家賃が安い
この「ちゃんと仕事がある」というのは、生きていくうえでものすごく重要である。仕事が少ないと、どうしてもその土地に住み続けることは難しい。
これは私の肌感覚だが、休日のこの街の公園は、どこもかしこも子ども連れの数がびっくりするほど多い。休日の東京や大阪よりも、公園にいる子どもの数が多い気がする。休日の名古屋の公園にいると、「ニッポンの少子化、ウソ説」を唱えたくなるくらいである。
これは、天下のトヨタグループを始め、ものづくり王国・愛知の経済力を雄弁に物語る光景だと私は思う。強いのは車関係だけでもない。実はカゴメやミツカンといった超大手食品メーカーの本社も名古屋やその近郊にあったりする。この街には有名・優良企業の数が本当に多いのだ。
実際、2019年の厚生労働省の調査によれば、全国の都道府県の中で平均年収が一番高いのは首都東京で408万円。対して、愛知県は4位で360万円と引けをとらない。
一方で、収入が高くても出ていくお金が多くては余裕のある暮らしはできないものである。特に家賃は生活費に占める割合が非常に大きいので、こちらも見てみよう。
「1畳あたりの家賃のランキング」を見ると、こちらもトップは東京で1畳あたり5,178円。ところが、愛知は2,811円である。ほぼ半額だ。要するに、愛知県では「東京とそんなに変わらない給料をもらいながら、東京の半分の家賃で生活できる」のである。あるいは、「東京と同じ家賃で倍のグレードの物件に住むことができる」という言い方でもいいだろう。
実際に、私はいま名古屋の中心部・栄から電車で8分、徒歩でも30分という、けっこう立地のよいところで生活している。比較的新しいマンションの2LDKで平置きできる駐車場もついている物件だ。ネットで検索してみると、東京の都心部でこの条件に合う物件は、最低でも駐車場代込みで月総額25万円くらいはかかるようだ。
ところが、私の家賃は駐車場代や管理費全部込みで、月に10万ちょっとである。やっぱりほんとに半額だった。この比較結果からも、名古屋の圧倒的な家賃の安さが伝わるであろう。
ちゃんと仕事があって給料がもらえて家賃が安ければ、生活にゆとりがもてて子育てがしやすいというのも納得である。
 
②めちゃくちゃ交通の便が良い
名古屋に住んでいると、本当に交通の便が良いと感じる。新幹線で東京まで1時間40分、大阪まで50分、京都なら30分である。
加えて、セントレアこと中部国際空港もアクセスが良く、国内線も国際線もかなりの便数が出ている。国内旅行にも海外旅行にも、本当にどこでも行きやすい。
遠距離交通だけでなく、関東や関西ほど人口がいないので通勤ラッシュも楽勝である。名古屋で本当にギュウギュウの満員電車といえば、恐らく朝ラッシュ時の地下鉄東山線の名古屋~栄の区間だけである。この区間は2駅、時間にすると5分。それらしいラッシュは5分で終了してしまうのだ。東京や大阪の人は、朝の通勤の楽さに驚くのではないかと思う。さらに、夕方は朝ほど電車が混まないのでラッシュらしいラッシュ自体がない。
 
公共交通機関が便利で快適なだけでなく、トヨタのお膝元である名古屋はスーパー車社会でもある。先述のように駐車場代も安く、道は広く高速道路も充実しているので、みんな社会に出るとすぐに車を買う。大学進学のお祝いに親から車を買ってもらう子も多いようだ。たいていの施設に駐車場があり、都心部のコインパーキングもかなり安いので、どこでも車で出かけられる。自分もつくづく感じるが、クルマがあると毎日の生活が圧倒的にラクである。
このように、遠くへも近くへも行きやすく、ゆとりある移動ができるのは大きなメリットだと思う。
 
③街がコンパクトで、周辺のお出かけスポットも優秀
名古屋は休日のお出かけもちょうど良い。
買い物をするための商業施設は名古屋駅のまわりか栄駅のまわりにほぼ集中しているので、あっちに行ったりこっちに行ったりする必要がない。疲れて休憩、となってもカフェやレストランも広くてゆとりがあり、たいてい待ち時間ゼロでゆっくり座れる。実は今この原稿を書いている名古屋パルコのとあるカフェも、きれいでゆったり座れてテレワーク可能な個室ブースまであって、コーヒーは400円(しかも200円でおかわり可)、美味しい唐揚げ定食もご飯おかわり自由で780円である。安すぎて頭おかしい。少なくとも、パルコのテナントに入っているお店の価格ではない。
 
こんな感じで、名古屋の買い物は極めてストレスが少なくて良い。
そして、実は周辺の観光地も素晴らしい。
絶叫で有名な「西の富士急」ことナガシマスパーランドまで高速を使えば車で30分、飛騨高山も伊勢志摩も上高地も全部車で2時間ちょいで行ける。ちょっと車を走らせれば海にも山にも行けるので、アウトドア派の人も住んでいて楽しい街だと思う。
 
 
さて、お分かりいただけただろうか?
文字通り、私は名古屋という街の「ちょうど良さの沼」にハマって抜けられなくなり、とうとう定住する決意を固めてしまったのである。
名古屋という街は、「北海道」「沖縄」「京都」みたいな観光のイメージがないので過小評価されているきらいがあるように感じるが、「ちょうど良さ」「住みやすさ」という観点でこれ以上素晴らしい街はそうそうないのではないかと思う。
 
「住めば都」なる言葉があるが、その言葉の頂点に君臨する都市が、たぶん名古屋である。
 
大都会の生活に疲れた方にもちょっと都会暮らしを始めてみたい方にも、この街はオススメだ。仕事がたくさんあって家賃が安くて移動が便利でお出かけもしやすくて……。
 
さあ、ちょうど良さの沼へ、ようこそ。
 
 
 
 
<参考文献>
https://www.iyobank.co.jp/sp/iyomemo/entry/20210511.html
http://grading.jpn.org/y1805018.html
***
 
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2021-09-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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