メディアグランプリ

数学という難事件を解き明かす名探偵に、あなたはなれる


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:光村 六希(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
「あー、この問題解けない!どうやったらいいの?数学のセンスがないからムリ!」
数学を教えていると、生徒から時々こんなことを言われる。
 
私は中学受験算数や中高校数学を教える仕事をメインにしている。
中学で数学が苦手になる人は多い。小学校の算数は、鉛筆とボールペンの数を足したり、1本のケーキを〇等分にしたりと、日常生活の中で使うことが多い。一方、数学は、算数を概念的に延長したもので、実感することが難しいことが増える。一見、実感できない負の数同士をかけ算するとなぜかプラスの数になるし、定規で正確に計れない平方根(ルート)を駆使して計算することに意味を見いだせないし、といった形でつまずく人も多いのではないだろうか。
 
ここまで読んだら、数学アレルギーの方は読むのを止めたくなったかもしれない。
でもちょっと待って。実は数学の問題を解くのって、あなたが推理小説の主人公になるようなものなのだ。しかも、問題解決のルールに慣れたら、意外に簡単な推理で答えが見つかる。これを自力で解けるようになるのは快感である。
 
では、どうすれば数学の問題を解けるようになるのか? 先輩探偵がこれからその方法をお伝えしよう。
 
① 数学の問題には、納得できる答えが必ず存在する。
 
数学の中には、頭切れまくりの超優秀な数学者達が長い年月をかけてもまだ解決できていない難問がいろいろある。それは職場の人間関係や嫁姑問題といった人間関係のトラブルや将来についての漠然とした不安といった、多くの人が抱える、数々の解決困難な難問のようなものだ。
だが、私達が数学の試験のために解く問題は、全くそんなことはない。答えが必ずある。(時々、「解なし」という答えがあるが)
「解かれるために作られた問題だから、必ず解けるはず!」この気持ちを持つことは、意外に大事だと思う。
 
もちろん、解かれるためにできている問題でも「簡単に解かれるための問題」や「テストの点数にばらつきが出るように作られた難問」など、種類はさまざまである。
だから、まずは「簡単に解かれるために作られた問題」を解けるようになることを目指す必要はある。
そういった問題は、それまでの授業で習った計算方法や公式や定理を素直に当てはめれば解けるから、まずは計算方法や公式や定理に慣れること。そこは地道な訓練が必要だ。
かの名探偵シャーロック・ホームズも常に人や物事を注意深く観察したり、記憶術を駆使して推理に活かしたり、といったことをしている。こういったことは日々の鍛錬の積み重ねである。
 
日々の鍛錬で一定の力がつけば、「この問題は解けるはず!」と思っていい。
「この事件、解決できるかな……」と思いながら事件解決に挑む、気弱な探偵はそうそういないのではないだろうか。
 
私が過去に受け持った生徒に、最初は計算が苦手だったが、苦手だった分数の計算からやり直して、計算力が上がった子がいた。その子は、「私は計算力がアップした!」と思えたことで、本当に計算での間違いが劇的に減り、正解が増えた。
 
「必ず解けるはず」と思って臨むかどうか。気持ちの問題は大きい。
 
 
② 数学の問題には、不要な情報はない
 
基本的な計算方法や公式、定理に慣れたら、次は応用問題と言われる問題に取り組んでみよう。
すると、同じ分野の問題でも「あれ?これどうやって公式使えばいいの?」と、素直に解けない問題が多い。文章が長くなっていたり、図が複雑になっていたりと、ひねりが加わっている。
でも、その時もビビってはいけない。「やっぱり解けない……」と思ったならば、「何か使っていない情報はないか?」と振り返ってみるのだ。
 
先輩探偵として、一つ忠告しておこう。数学の問題の中には、不要な情報はない。
推理ミステリーなら、「絶対この人怪しいし!」と思っていた人が。物語を読み進めると意外にシロで、「この人は絶対被害者に悪いことなんかしそうにない」と思っていた人が実は犯人だった、といった意外な展開が起こることもある。
それは、途中の経過をハラハラドキドキの楽しい展開にするために、意図的に創作されて話に組み込まれたものだ。
数学は読む人を楽しませるような、楽しい展開はまったくない。でも、味もそっけもない文章と図の中には、意味がないかほぼない数字や条件は入っていない。
つまり、裏を返せば「入っている情報を全部使えば、解ける」ということであり、「解き方が思いつかないということは、与えられた情報を使いきれていない」ということである。
どの条件も数字も、問題を解くために必ず「必要」なのだ。それは図形の問題でも、複雑な文章題でも、何でもだ。
 
だから、「あーこの問題解けない!」と思った時は、ふと冷静に問題を見回してほしい。「出てきた数字や条件、全部使ったっけ?」と。
「この数字、何に使えるの?これを使えば何かわかる新しいことないかな?」と、考えてみることだ。
そこから、必ず正解を出すためのヒントが得られるはずだ。
 
図形の角度を求めたり面積を求めたりする問題では、多くの人が「図形センス」を気にする。しかし、センスとはひらめきというより、「使っていない情報はないか。その情報をどう使えるか」を考えまくることだと思う。
それは、迷路を逆から進めるようなものなのだ。少し難しい迷路なら、ゴールから入口まで辿ってみる、というのが有効だ。そのように、必ず解ける道すじがあるはずだから「この角度をわかるためには、あの角度がわかって……」と、逆に考えていく。
 
もし「この数字、どうやって使うのか、わからない!」と思ったら、まだまだその分野の勉強を積む必要がありそうだ。使い方がわかることが、解答につながる道なのだから。
 
 
いかがだろうか?
数学が難しいという人。
数学は答えが1ずれていてもマルはつかないが、逆に言うと正しいやり方をしさえすれば、必ず正解に辿りつけるということなのだ。
それは、必ず解決する事件。あなたは探偵としてある程度スキルを積めば、きっと、楽しみながら問題を解ける、はずだ。 
 
 
 
***
 
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2021-10-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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