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3ヶ月後、この世からいなくなるとしたらどうしますか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:蛯原篤史(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
『3ヶ月後、もし、この世からいなくなるとしたらどうする?』
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えっ!?  どうゆうこと?
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思わず聞き返してしまった。友人の唐突な質問に、私は、戸惑いを隠せなかった。
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あの頃は、まだ、20代後半だった。自分がこの世から去ることなど、これっぽっちも考えたことはなかったのだ。もちろん、私は、その質問に答えることはできなかった。
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質問をうけたあの日から、10年以上が経った。あの質問は、今でも、私の心を捉えて離さない。人生の節目で、私は、いつもあの質問を思い出す。そして、すぐに答えのでない問いかけを立ち止って、考えるのである。
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3ヶ月後、この世からいなくなるとしたらどうする?
⁡ 
仕事がうまくいかない時、人間関係がうまくいかない時、決断に迷っている時に、自分に問うのである。
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その時によって、出てくる答えは、異なる。自分の終わりを考えると、今、本当に必要なことが見えてくるのだ。
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つい最近も、この問いかけをしてみた。
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40歳手前で、転職をし、半年間がたった。新しい環境、新しい人間関係の中で、振り返る時間も、余裕もなく、時間だけが過ぎた。
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仕事の内容に不満はない。これまでの延長線だったし、やりたかったことだった。しかし、15年働いた会社を辞めて、一から人間関係を作りなおす作業が、こんなにも大変だとは思はなかった。
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前職であれば、分からないこと、知りたいこと、お願いしたいことがあれば、誰に問い合わせすればいいか把握できていた。
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頼みにくいややこしい仕事も、人間関係があると、問題ではない。
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頼みますよ〜。ちゃんと売りますから!
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まあ、しゃあないな〜。やってあげるけど、ちゃんと、売ってくれよな!
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みたいな軽いノリで、話しが進んでいく。
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しかし、今はそうもいかない。堅物のエンジニア揃いの職場だから、みんなこだわりもある。どこの骨ともわからない中途採用の人間が、切り込むスキはあまりない。
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ついつい前の会社では、こうでした。なんて、言ったもんならば、鋭い視線が突き刺さる。なので、発言には、なるべく気をつけるようにしている。
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それでも、たまに、地雷をふみつけてしまい、ドカーンと爆発させてしまうこともある。
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メールで、質問しても、返事が返ってこないことも、しばしある。多分、何言ってんだコイツ、なんて、思われてるんだろうなと感じる。
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中途採用者は、ちょっぴり肩身がせまいのが現実だ。
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最近は、少しづつ受け入れてくれてはいるが、さすがに、前の会社のようにはいかない。
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そんなもんだから、気を遣いすぎて、疲労がかなりたまっていた。
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そんな時に、あの質問を自問自答してみた。3ヶ月後、この世からいなくなるとしたらどうするか?
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うまくいかない時は、たいてい現実逃避が真っ先に、先に頭をかけめぐる。
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仕事をすぐにやめて、毎日、ボーッと過ごしたい。好きなだけ寝たい。海が見渡せるリゾートでまったりしたい。旅にでたい。行ったことのない国を巡りたい。
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今まで、なかなか果たせなかった願望が次々とうかんでくる。だが、そんな妄想を、ひと通り終えたら、ふと疑問が湧いてくるのだ。
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この世を去る前に、もちろん、のんびりしたい。しかし、どれも、2週間くらいで飽きそうだなと我に返る。
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じゃあ、どうしたいんだろう。何が一体、したいんだろう。 もし、3ヶ月後にこの世から、いなくなるとしたら、何をしておきたいんだろう。
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ふと、頭をよこぎったのは、 今の仕事をしつづけることだった。これには、我ながら、意表を突かれた。
⁡ 
仕事が好きなわけではない。むしろ、今は、ちょっぴりしんどいくらいだ。それなのになぜ、仕事がしたいとおもったのだろうか。
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それは、きっと、まだまだ、わからないこと、知りたいことがたくさんあるからだ。 転職したきっかけもそう。今の会社なら、もっと、新しい世界に、触れることができると思ったからだ。
⁡ 
新しい世界をしりたい。その欲求は、いつも私の根底にある。一年前に、自問自答した時も、同じ答えだったのを思い出した。
⁡ 
だから、まだ、会社になじめていなくても大丈夫。そのうち慣れるだろうから。それより、新しいことを知ることができる環境にいることに、悦びを見いだせばよいことに気づいてよかった。
 
もし、3ヶ月後に、この世からいなくなるとしても、今の会社で働き続けるだろう。きっと、大切な人に会ったり、身辺整理をしながら、働いていると思う。
⁡ 
あの質問は、いつも、私に大切なことを、思い出させてくれる。今、やるべきことを思い出させてくれる。そして、やる気を与えてくれるのだ。
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3ヶ月後、もし、あなたがこの世からいなくなるとしたらどうしますか?
 
 
 
 
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2021-10-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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