「聴かせる歌」の歌い方
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:山口ななかまど(スピード・ライティング特講)
「人に聴いてもらえる歌」は、実は誰にでも歌うことができます。本当です。
発声や音感を鍛える訓練法を文章で伝えることは難しいですが、たとえそういったテクニカルな部分がプロ並みでなくても、「味のある歌い手」として「聴かせる」ことが十分に可能です。私もヘタウマシンガーとして商業作品に参加したことがあります。
その方法は、一言でいうと、「嘘をつかない」ということです。どういうことか。
今からその内容と練習のしかたを示していきます。ちなみに、既存の曲のカバーであっても、オリジナル曲であっても、同様の手順となります。
1. 歌いたい歌詞を、ノートに手書きで書きます。
これは絶対に手書きです。歌は、肉体と心を用いるアナログな行為です。歌いたい内容を身体に沁み込ませるために、ぜひ手書きで歌詞を書きましょう。
その時のコツは、「実物」や「映像」を思い浮かべながら書くことです。
たとえば、歌詞に「猫」という単語があるのであれば、あなたの飼い猫でも、近所の野良猫でも、もちまる様でも何でも構わないので、とにかく「実在する猫」をセットで思い出せるようにします。思い出せなければGoogle画像検索で探します。
歌詞ノートには、プリントアウトした猫の画像やイラストなどを添えるのもお勧めです。
とにかく、「猫」と口に出したときに、その声色の中に猫の毛並みや温かさや質感が伴われることが重要です。もしあなたに猫との具体的なエピソードがあるならば、そのときの心情を込められるとなお良いです。あなたの声でしか表現できない、オリジナルの「猫」が生まれます。
2. 音程を付けずに歌詞を読みます。
手順1で挙げた「読み方」に留意しながら、文章のかたまりとして歌詞を読みます。一瞬たりともイメージを失うことなく読むのは、結構疲れることに気付くと思います。
たとえば「好きだ」という歌詞があった場合、それをあなたは相手にどんな状況で伝えますか。朝ですか? 夜ですか? どこでですか? 季節はいつ? 明るく伝えますか? 悲しい気持ちで伝えますか?
自身のイメージが必ずしも歌詞の内容と一致している必要はありませんが、もし歌詞に詳細な描写がなかったとしても、歌い手の頭の中にそれらが描かれていないと、説得力に欠ける「好きだ」になります。
3. 歌を聴いてほしい人に話しかけるように、歌詞を読みます。
まだ音程は付けません。
恐らくあなたはカラオケでストレス発散の歌を歌いたいのではなく、誰かに自分の歌を聴いてほしいと思っているのだと思います。
その人に、あなたはどんなことを伝えたいでしょうか。感謝の気持ち? 応援する気持ち?
そして、それを最も伝えたいのは歌詞のどの部分でしょうか。
実際に「伝える」練習をするために最も効果的なのは、伝えたい相手が写った写真を用意し、写真の顔に向かってメッセージを伝えることです。写真を用意することが難しいようでしたら、ぬいぐるみでも家族でもいいので、とにかく「顔」のあるものに「本当に話しかける」ということが大切になります。ときどき相手と目を合わせてみましょう。目をつぶるのは、「伝える」より「歌う」が先行してしまうためNGです。
4. 音程を付けて歌ってみます。
いよいよ歌の練習となります。が、大切なのは、これまで練習してきた「相手に伝えること」を一番に意識することです。音程などのテクニカルな練習も、それはそれで別に必要なのですが、「伝わる歌」に必要なことは、音程よりも「心から伝える気持ち」です。
「歌おう」とせずに「語って」ください。語るための手段がたまたま歌だった、というくらいの意識で丁度いいです。
5. 録音して聴いてみます。
「伝えたい」と思ったことが表現としてふさわしいかどうか、歌詞ノートと録音を照らし合わせてチェックしてみます。
たとえば、「消えそう」とか「はかない」という歌詞のときに、気持ちよく朗々と歌い上げてはいないでしょうか。気持ちよく歌っている場合は、往々にしてメッセージがスコンと抜けていることが多いです。
「あなた」という単語のときには、特定の誰かの顔をきちんと思い浮かべられていたでしょうか。その「あなた」はどんな表情をしていましたか?
そして、歌を通して一番伝えたい内容を、心を込めて伝えられていたでしょうか。
6. 歌詞を暗記するまで繰り返します。
歌詞を覚えているか不安な状態のままだと、「伝える」より「思い出す」が先行してしまい、歌の伝わる度合いが低減してしまいます。完全に暗記しましょう。
それでも本番で歌詞を忘れてしまうことは多分に発生しますが、「伝える」気持ちがあれば、歌詞を忘れても不思議と熱量で乗り切れます。
7. 本番でマイクを使う場合は、カラオケボックスで練習します。
手順6までは、マイク無しで手軽に何度も行うのがよいですが、本番環境には慣れる必要があります。ギターやピアノを弾きながら歌う時も同様です。
いずれも、家で個人練習をするときと同じように「伝える」ことができているかをチェックしてください。また、できるようになるまで練習してください。
……ということを、歌を披露するその日まで繰り返します。その間、何度か歌詞を書き直してみるのもお勧めです。「こんな言葉あったっけ?」「これはどんな感情なんだろう……?」と、きっと新たな発見があって楽しいと思います。
以上、「聴かせる歌」の歌い方でした。恐らく、演劇や朗読と同じ手法なんじゃないかなぁと素人ながら想像しています。
私は、歌こそ披露する機会はなくなりましたが、現在も「思い浮かべ、言葉で伝える」手法で企業ナレーションを担当していますので、効き目はばっちりだと思います。ぜひぜひ誰かに聴いてもらい、その効果を実感してくださいね!
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