メディアグランプリ

簡単に褒められ上手になる方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:須賀泉水(ライティング・ゼミ10月コース)
 
 
ふいに褒められたとき、あなたならどうしますか?
例えば女性なら、「かわいいですね」「その髪型、似合っていますね」、男性なら「かっこいいですね」「いつもネクタイが素敵ですね」など。
 
そんなとき私は、嬉しい気持ちがありながらも、「いえいえ、そんなことないですよ~!」と、否定するような、ごまかすような態度をとっていました。
褒められ慣れていないし、なんだか恥ずかしい。謙遜することが正しいリアクションだと思っていたのです。
 
友人の幸子から「料理が上手だね」と褒められたことがあります。
私はその時も鉄板リアクションの謙遜姿勢を見せたところ、「せっかく褒めたのに、ちゃんと受け取って欲しかったわ」と、冷たく言い放たれてしまいました。
 
受け取って欲しかった……とは?
どういうこと?
 
私の頭の上にはてなマークがたくさん浮かんでいるのが見えたのでしょう。せっかくの褒め言葉を受け取られなかった幸子は、こう続けました。
「褒め言葉は素直に受け取った方がいいよ。その方がお互い気持ち良いと思わない?」
 
ん~、ちょっと意味が分からない。という心の声も聞こえたようで、幸子はさらにこう言いました。
「じゃあ私のこと褒めてみてよ」
 
幸子の良いところはすぐに見つけることができたので、「いつもニコニコ明るくて素敵ね! 一緒にいると楽しい気分になるよ!」と言ってみたところ。
「そんなことないよ」と言う幸子。
 
おっと、なるほどこういうことか。これはなかなかの衝撃。
幸子は一瞬で、褒め言葉を受け取ってもらえなかった人のモヤっとした気持ちを私に体験させてくれたのです。
 
なんだかがっかりしただけでなく、軽く自分を否定されたような気持ちにさえなりました。
ついでに、せっかく褒めたのに……と、少し幸子に対してマイナスな感情さえ生まれるほど。これだけで十分、「受け取って欲しかった」と言った意味が分かりました。
 
さらに幸子はこう言いました。
「じゃあもう一回やってみよう。今度はちゃんと受け取るから」
褒め言葉は素直に受け取った方がいいと言った幸子の伝えたい意図がはっきり分かった私は少し前のめりになり、真剣な茶番は続きます。
 
「幸子はいつもニコニコ明るくて素敵ね! 一緒にいると楽しい気分になるよ!」
「え?」
「幸子はいつもニコニコ明るくて素敵ね! 一緒にいると楽しい気分になるよ!」
「えー! 嬉しい! ありがとう! 嬉しいからもう一回言って!」
「何回でも言うよ。いつもニコニコ明るくて素敵! 一緒にいるとめちゃくちゃ楽しいよ!」
 
今度はさっきとは真逆のとても楽しい気分になり、同じ褒め言葉の3回目を、大笑いとともに幸子に伝えていました。
 
幸子の解説によると。
1回目は聞こえないふりをして、違和感なく同じことをもう一度言わせる。
2回目を言わせたら喜んでいることを伝えて、さらにもう一度言わせる。
それによって自分は3回も褒めてもらうことができるし、褒めた方も褒めて良かったと思えて良い気分になれる、ということでした。
 
幸子の言う通り。褒め言葉を受け取られなかったモヤモヤと、受け取ってもらえたウキウキの両方を体験させてもらい、こう思いました。
 
これは、おかわりと同じだな。
今までの私は、せっかく作ってすすめてくれた食事を、いりませんと言っていたようなもの。
もしも逆の立場なら、遠慮されるよりもおかわりしてくれた方が嬉しいに決まっている。
美味しいと喜んでもらえたら、もっと食べて! と、食べきれないほどの大盛りを出したくなるに違いない、と。
 
この日以降、人に褒められるという貴重な機会が訪れるたびに、必ずおかわりをするようになりました。
 
最初は「え?」と、わざとらしくもさりげなく、聞こえなかったふりをして。
そして2杯目をもらったら「おいしい!」のリアクション、のち自らおかわりもう1杯。
ここまできたら、3杯目は喜んで出してもらえます。
 
簡単に、そしてお互いが気持ちよくなる褒め言葉の受け取り方を知って以来、褒められ方だけではなく、褒め方にも変化が出たように感じています。
いいな、素敵だな、すごいなと思ったことは、迷わず相手に伝えたいと思うようになりました。
 
褒め言葉を伝えたとき、謙虚なお友達は以前の私のように、「そんなことないよ~」などと言っては、顔の前でブンブン手を振って否定しながらも、よく見ると嬉しそうな顔をしてくれています。言葉では否定されても、私はこう解釈しています。
本当はおかわりしたいと思っているよね?
 
人は、他人が持っていても自分の中に意識がないものには気が付けないと聞いたことがあります。それは良い面も悪い面も同じ。
だとしたら、誰かの褒めポイントを見つけられたら、それは自分の中にもある良いところに気が付けた瞬間なのかもしれません。
 
褒められたとき、素直にありがとう、嬉しいですと受け取ることで、褒められた自分も褒めてくれた相手の心も満たすことができる気がします。
これからも褒め言葉をいただくことがあったら、遠慮せずにおかわり3杯で、心をお腹一杯に満たしたいと思っています。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2021-11-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事