メディアグランプリ

蟻に学ぶのもありである


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:島田惇史(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
2年前、まだコロナが広がる前の話。
 
大学時代の友人(Tさん)からフットサルの誘いが来た。
 
フットサル自体あまりやったことがない。その時は、久しぶりに友人に会えることや、久々の運動という方が楽しみであった。
 
大宮駅で集合し、フットサルコートへ電車で移動した。自分たちの他にTさんの職場の先輩も集合する手はずになっていた。
 
自分とTさんと後輩の3人で現地へ向かったのであるが、久しぶりにあったので今何をしているのかとか、学生時代は楽しかったねとか思い出ばなしに花を咲かせていた。
 
ふと後輩から。
 
「あれ? 降りる駅過ぎてません?」
 
皆で、スマホで確認してみると、本来降りる駅を3駅程過ぎてしまっており、その後、すぐ乗り換え、現地へ向かった。すでにTさんの先輩は現地に到着しアップをしていたのだが、お陰様で自分たちは30分程度遅刻をしてしまった。
 
「すみません! 遅れました! すぐ準備します!」
 
すぐに着替えてろくに準備体操もしないまま着替えてコートに入りフットサルを始めた。少しずつ体を動かし、屈伸やアキレス腱を伸ばしをやってプレイはしていた。
 
ゴール前で後輩からのパスを受け取り、いざ自分がシュートを決めようとした。
 
その瞬間、グキッと膝に痛みが走った。
 
そして即、退場。
 
その後はプレイ出来ず、ベンチにて休憩。
左足の膝関節が痛く、皆から心配されたが、何より、大きく走り込んだわけでもなく、軽いパスからのシュートをしようとしただけで膝をおかしくしてしまった自分が恥ずかしかった。その後、数週間は座るだけでも痛い状態であった。
 
自分ももう若くないのだなとも感じたが、なにより準備不足だったなと後悔している。遅刻し、遅れたのは申し訳ないが、決して準備体操をする時間がないわけではなかった様に今だから思える。周囲からみたら情けないなと感じたことであろう。
 
左足に不名誉な負傷を遂げてから数日後、プレゼンテーションのセミナーを受講した。
 
そのセミナーでは、5分間スピーチというものがあり、予め与えられたテーマに沿って7名の前でスピーチをするというものであった。
 
まさかの偶然でスピーチのテーマが「最近の失敗談」だったので、フットサルの出来事を話し、準備は重要だよねという結末で話しをした。
 
その、別の人がトークを始めた。
 
「先程の島田さんの話しのように、準備って重要ですよね。今回スピーチの内容を考えていなかったので、先程の島田さんの話しと被りますが、準備について話します」
 
まさかの被りできたとかえって面白かったが、準備不足であることに変わりはない。話していた本人も気まずそうな感じであった。
 
童話のアリとキリギリスで例えるなら私はキリギリスだったのだ。
 
冬支度のためにせっせと働き食料を自分の巣へ運ぶアリと、対照的に何もしないで歌っていたキリギリス。結果として準備をしていないキリギリスが冬にひもじい思いをして、蟻は無事冬を過ごすことができる。解釈や教訓は様々であるが、とどのつまり将来を見据えた準備の重要性を話していると私は解釈している。
 
私があの時に歌ったり、のんびり過ごしたわけでは勿論ないが、準備が足りずそそして痛い目にあった。軽症であったから良かったものの、最悪アキレス腱の断裂だとか骨折だとか大事になってからでは遅かったと思う。
 
そして、物事によって準備にかける時間は変わってくる。フットサルのように準備体操をして軽く走ってという具合で短時間で終了するもの有れば、準備期間があるものも存在する。
 
元々自分は期間があっても中々すぐに取り掛からず、ずるずる後に引っ張るタイプ。周囲を見渡すといつ時間を作ってやっているのかと思うくらいコツコツやっている。
 
時間の使い方が自分は下手だなと感じており、隙間時間を有効に活用しようとしていても、結局時間を使えず結局いつものパターンになるのがオチとなっている。一所懸命やっても報われない。ただその虚しい現実が残っている。
 
周囲を見渡すと、隙間時間の使い方がうまい。僅かな数分数秒でもやっている。自分は面倒だしまとまった時間でやろうという気持ち、嫌だなぁ、やりたくないなぁという気持ちが先行し、毎回土壇場の勢いで押し切っている。いつもあれをやらないと、これをやらないといいけないと考えていると頭の中でそのことが無限にループして永遠にその内容に追いかけられているような錯覚に見舞われる。
 
 
 
そんな自分でも今少しずつ物事を進行できる様になってきた。それは起床してから通勤するまでの時間、つまり朝活だ。朝の疲れていない状態ならしっかり仕事にも取り組めるし、準備期間が設けられているものなら、毎日コツコツと進める事ができる。そして通勤時間はスマホで作業する。幸い、スマホゲームに興味がないので作業に集中も出来るからより良い。
 
ありきたりなやり方かもしれないが自分にとって今これがベストな方法だと思う。
 
なにをするにしても準備は重要だから、準備をしよう。自分はやらないで痛い目にあった。気が重いときもあるけどその一歩踏み出すとその後は楽に進める。小さい一歩でも少しずつ進めれば、蟻の様に苦労をしないと思う。
 
小さい一歩を踏み出そう。それがきっと大きな一歩に繋がる。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2021-11-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事