コスプレ耳鼻科でワクチン打ったら事件が起きた
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記事：くろたん（ライティング・ゼミ日曜コース）
私の地元にある、とある耳鼻科。
この耳鼻科は、ちょっと変わった耳鼻科である。
それは、院長さんがコスプレして診察するのだ。
マリオ、スパイダーマン、ふなっしーなど、毎回何かのコスプレをしている。
一体、いくつコスプレを持っているのだろうか。
変わった耳鼻科だという事で、ネプチューンが出る地上波のとあるテレビ番組に取り上げられた。
ビートたけしさんが出ているとある番組にも出ていたような……。
私の家から近い事もあり、鼻の調子が悪い時は、いつもこの耳鼻科にお世話になっている。
コスプレした院長さんに鼻の調子を確認した上で、とある薬を処方してくれる。
その薬を2週間飲んだら、再び耳鼻科に行く。
前回とは違ったコスプレをした院長さんが再び鼻の状態を確認する。
良くなった事を確認すると、今回で卒業と言ってくれた。
すると、院長や近くのアシスタントの方が温かい拍手をしてくれる。
この拍手は嬉しさと同時に、どう反応したら良いか困る(笑)
その耳鼻科で、今回コロナワクチンを接種する事にした。
副反応が心配で接種を見送っていたが、周りでもワクチン接種する人は多かった事もあり、
予約して接種する事にした。
接種する前日までにいろんな人の接種体験談を聞く。
「1回目でも副反応で発熱の症状が出た」
「2回目でもそれほど熱が上がらなくて、翌日に仕事することが出来た」
人それぞれ副反応が違うなという印象だった。
ワクチン接種の当日が来た。
朝10時過ぎに家を出た。
歩くと少し遠いところにあるので、自転車で行く事にした。
「1回目だから、副反応は出ない確率の方が高いかな」
「接種終わったら買い物に行こう」
とか軽く考えていた。
耳鼻科に着くと、受付して待機部屋で待つ。
平日にも関わらず、多くのお客さんがいた。
子供の数も多かった。
数十分ほど待っていると、持っている装置が鳴ったのでワクチン接種の場所に向かった。
担当の女性の方から注意事項の説明があった。
その後、激励しに院長が来るという事で待つ。
さすが、面白い耳鼻科だなと思った。
少し待っていると、院長さんが来た。
アリスのコスプレをしていた。
女性用のコスプレは初めてだったので、驚いた。
女装するのが好きな私からすると、せめてスネ毛は除毛して欲しいなと思ってしまった。
院長さんはノリノリな感じだったが、緊張している私はそのノリに付いていけなかった。
みんなで「ハッピーハロウィン」と言うと、院長は診察に戻っていった。
私のワクチン接種が始まろうとしていた。
私は左利きなので、逆の右腕を出した。
肩を出すと、担当の方が注射をする。
入れる時にチクックとしたが、短時間でワクチン接種が終わった。
少し歩いて待機部屋に戻った。座って経過観察をする。
数分座っていると、熱が上がってく感覚と、肩が筋肉痛になっていく感覚になった。
今まで味わった事の無い感覚で、気持ち悪くなった。
徐々に体の力が抜けて、意識が朦朧としてきた。
すると、誰かから「大丈夫ですか！」という声が聞こえた。
目の前が真っ暗になっている事に気づいて、目を開けた。
その時、私が無意識に倒れている事に気づいた。
すぐに、ワクチン接種してくれた方が来てくれて、私の体調を確認してくれた。
近くにいたお客さんと一緒に、私をベッドまで連れて行ってくれた。
その後は、寝ながら体調を見てくれた。
徐々に私の体調が良くなっているのを感じた。
自転車で帰るのは危ないという事なので、
同居人に電話で迎えに来てもらう事にした。
接種終わったら買い物に行こうという考えは甘かった。
アリスコスプレの院長さんにも診察してもらって、大丈夫そうだという事なので、
病院を出て同居人の車で帰った。
4週間後にワクチン2回目を接種しに、再び耳鼻科に行った。
前回倒れた事もあったので、最初からベッドに寝て接種する事にした。
接種後の経過観察も、細かく私の事を見てくれたこともあり、問題無くワクチン接種が終わった。
どうやら、ワクチン接種をすると、血圧が下がる体質のようだ。
私のワクチン接種に関わってくれた、全ての方にはものすごく感謝している。
ワクチン接種から、1週間後。鼻の調子が悪くなってきたので、また耳鼻科に行った。
また違ったコスプレをした院長さんに鼻の調子を確認してもらって、薬を処方してくれた。
コスプレを始めたのも、患者さんに少しでも笑顔になってもらいたいという思いから、始めたようだ。
2週間くらいしたら、また院長さんに鼻の調子を確認してもらう予定だ。
どんなコスプレで診察してくれるのだろうか……。
＊＊＊
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