メディアグランプリ

大谷くんが大事な場面で打たれた時に、何を考えていると思いますか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
記事:濱本 祐子(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
「えええ、私こんなに間違えたの? 直しやらずに帰ってもいい?」
「いや、それはあかん。ずえっったいにやって帰るんよ、約束!」
 
私は塾講師として普段は幼児から中学生までを相手に学習指導をしている。
個別指導なので、生徒には問題が印刷されたプリントを渡し、生徒はそれを読んで問題を解き、私のところへ持ってくる。決められた枚数、全て満点になったらその日の授業はおしまいになる。
 
そんな感じでいつも生徒が出してくれた回答を採点して返すのだが、その時の態度がそれぞれ違うので面白い。
 
ある子は「えー、間違い多いー! やだ、直しやらない!」と怒る(最終的にはほとんどの子がやり直しているが)。また別の子は「あ、ここ違ったんだ、やっぱりねー、難しかったし」と言う。何も言わずに自分の席に持ち帰り、黙々と解き直して再提出する子もいれば、「先生、わからないので教えて下さい」と私の席までプリントを持ってくる子もいる。
 
10年近くやってきて、「直しあるんだ、やった!」と喜んだ子は一人もいない。
 
ところが先日、大リーグでMVPを受賞した大谷翔平選手のインタビューと、それについて解説していた明治大学文学部教授の齋藤孝さんの談話をテレビで見ていた時のことだ。
 
大谷くん(と呼ばせてもらう)は、自分が試合中や練習時にエラーその他のミスをしたら「やった!」と思うそうだ。
「もし自分が完璧に出来るような状況だったらミスなどしないでしょう。ミスをしたということは、自分は今の自分のレベルより少し上でやっている、ということです。だからもしミスをしても、そこをまた直して修正していけばいい」と考えているらしい。
 
思わず箸を持ったまま画面を凝視してしまった(朝ごはん中だった)。時間にしておそらく数分だったが、そのニュースが終わってもしばらくそのまま私は凝固していた。
 
何だこの人は。その前向きな捉え方は何だ。
 
考えてみたらたしかにそのとおりだ。
私自身、小学生の算数や国語、英語で間違えることはほぼ無い(現役小学生の頃は計算ミスが多かったのでたまに怪しいが)。
それは私の学力レベルが小学生よりも上だからだ。
 
ミスをするということは、自分のレベルより上、難しいことをやっているということなのだ。私だって今は高校生レベルの数学や物理は正直解けると思えない。
 
そして大谷くんはミスをミスと捉えていないのだ。
ミスは彼にとってミスではなく、自分を成長させるためのきっかけまたはチャンスなのだ。
 
今まで何千何万回とミスをしてきたのだろう。
そのたびに彼は「これはうまくなるチャンス!」と前向きに捉え、次にどうすれば同じ失敗をせずにうまく打てるか、投げられるか、走れるか、捕れるか、考えに考え、また体を動かして練習を積み重ね、ここまでやってきたのだろう。
 
だからあの世界最高峰の舞台で大活躍出来るのだろう、と箸を置きながら思った(もちろん人として素晴らしい面がたくさんあることも聞いている)。
 
ミスをすると腹が立つのは分からなくもない。
自分では完璧! と思って出したプリントに✕がついて返ってくる。
先生(私)は「直し頑張ってね! 次に間違えないために、しっかり復習ですよ」と言うが、そんなものはやりたくない。だって面倒くさい。やらなくたって大丈夫でしょう? 次はちゃんと書けるから、と生徒は言う。そんなことはない。特に漢字なんて覚えていないと絶対に書けない。
 
そして間違いを指摘された子どもたち(一部)はブスッと不機嫌になる。
 
それを見て私はさらに思うのだ。
あなた、その態度、気付かないうちに損してますよ? と。
 
なぜなら正直な話、小心者の私は機嫌の悪い人には声がかけにくい。
そんな人を目の前にすると、自分の心の中でシャッターを静かに下ろす。この人の機嫌に引っ張られてはいけない。それをやるとさらにこちらも不機嫌になってしまう。態度に出してはだめだ。出来る限り淡々と応対する。その後相手が目の前からいなくなったら、少し申し訳ないなと思いながらホッとする。それが何回か続いたあと、その人と縁が切れた時にものすごく肩の荷がおりた気がして、「あ、私、あの人苦手だと思ってたんだ」と初めて自分が無理をしていたことに気づく。
 
そしてそれは子どもが相手でも変わらない。
ただ仕事の場面であれば淡々と「こう考えたらどうかな?」と指導はするが。
 
そうだとすると、機嫌がいいほうが、人やその他周囲から受け取れるものが絶対多いんじゃないか?
機嫌のいい人とそうでない人、どっちのそばに居たいか、少し考えればわかるでしょう?
 
当たり前の話だが、自分の機嫌は自分で取るしか無い。自分にしかできないからだ。
ミスへの向き合い方、自分の機嫌の取り方、少なくとも、自分の感情をコントロール(特に怒り)しなければならないことは知っておいてほしい。
そしてその方法(いわゆるアンガーマネジメント)は自分で学んで、または周囲の大人に教えてもらうなりして、身につけておいたほうがいいと思う。
 
自分のミスにイラつく子どもたち。
そんな子どもたちに伝えたい。今すぐ分からなくてもいい。
間違えるのは、自分の今の実力よりちょっとだけ上でやろうとしているということなのだ。そこでのミスはチャンスだと思ってほしい。
そのミスから気づきを得て、自分を強くするための材料にするチャンス。
そう考えて行動できたら、自分のレベルはもっともっと上がる。
 
少なくともおとなになるまでにそれを知って体感してほしい。
 
大谷くんという素晴らしいお手本が、今まさに躍動しているじゃないか!
 
あとは自分をご機嫌に保つ方法を自分で知っておくこと。
これは子どもだけじゃない、大人も。
大人と子ども、一緒に考えられたらもっといいかもしれない。
次のお休みの日、親子でやってみる?
 
 
 
 
***
 
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2021-11-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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