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大吉のおみくじを落としても、無敵マリオでいられる理由


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記事:mihana(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「ちゃんと、入れておいたはずなのに……」
何度ポケットに手を突っ込んでも、そこにあったはずのおみくじは、無かった。
 
私は、おみくじが大好きだ。
自分の少し先の未来を見ることが出来るみたいで、なんだか楽しい。
 
神社に行くと、まずは最初に、おみくじが引ける場所があるかどうか、確認することにしている。もし引けるようなら、100円玉をきちんと残して参拝し、終わったらすぐ、現場へと向かうのだ。
 
去年の年末、友人と街を散歩していると、たまたま神社を見つけた。境内に入ると、早速“おみくじ”という文字を見つけた。胸が、一気に高鳴ってくる。参拝を終えると、私は必然のように、文字に吸い寄せられていった。
 
その神社のおみくじは、箱の中に手を入れて、たくさんの中から一つを選ぶものだった。箱の中で手を回しながら、「どれにしようかな」と、自分と対話する。そして、一つのおみくじを掴む。「本当にこれでいいかな?」と悩んだ後、意を決して、そのおみくじを、外の世界へと連れ出した。
 
恐る恐る開くと、“大吉”だった。しかも、願事は「叶うでしょう」、待人は「来るでしょう」、病気は「治るでしょう」。全ての項目、良いことしか書かれていなかった。
 
これは、かの有名な任天堂のゲームキャラであるマリオが、スーパースターを得てパワーアップした、“無敵マリオ”のようなものだ。技を繰り出さなくても、体に当たった敵は、全部倒れていく。まさに向かうところ、敵なし。前向きな気持ちになれて、何でも上手くいきそうだ。
 
「大切にしなきゃ」
おみくじを引くと、その場で木の枝などに結ぶことが多いのだが、何せ、無敵のおみくじだ。この幸せを逃してなるものかと、コートのポケットに大事にしまって、持って帰ることにした。
 
その後、ゲームセンターに移動して、友人と遊んでいた時、大変なことに気が付いた。
ポケットにしまったはずのおみくじが、無いのである。
 
「いつ落としたのかな……」
ゲームをするときに、荷物を置いたり、コートを脱いだりした。両替をしたときには、ポケットから財布を出し入れもした。
 
私は半泣きになって、ゲームセンターの中を必死に探した。UFOキャッチャーの景品を品定めしているふりをして、床に落ちているかもしれないおみくじを見つけようと、躍起になった。
 
しかし、やはり無い。荷物を置いたところにも、コートを脱いだところにも、両替機のところにも、おみくじは無かった。私の無敵マリオは、かなりの短命に終わってしまった。無敵状態を発揮する前に、穴に落ちて、ゲームオーバーだ。
 
友人も、私の異変に、気が付いたようだった。
「どうしたの?」
「実は、さっき引いた大吉のおみくじ、落としちゃって……」
私がそう言うと、友人は少し考えて、こう言ったのだった。
 
「そっか……。じゃあ、次拾った誰かに、幸せのお裾分けだね!」
 
なるほど、そういう考え方もある。大吉のおみくじを落として、とても落ち込んでいた私は、友人のその前向きな考え方に、かなり救われた。
 
それどころか、「幸せのお裾分けなんて、私、良いことしてるじゃないか!」と、嬉しくなった。雨模様だった私の心は、すっきりと晴れ渡って、雲一つ無い快晴になった。
 
おみくじは、少し先の“未来”を占うものだ。
引いたおみくじが、必ずしも当たるわけではないし、
未来がどうなるかは、誰にも分からない。
 
でも、何かが起きたときに、どのように捉えるかは、
“今”この瞬間に、自分で変えられる。
どんなに悲しいことでも、視点さえ変えれば、それは嬉しいことになる。
逆に、嬉しいことでも、それを悲しいと思ってしまえば、悲しい出来事になる。
 
何事も、考え方次第なのだ。
 
現に私は、大吉のおみくじを落とすという、一見悲しい出来事に見舞われたものの、友人の一言で、「良いことをしちゃったかもしれない」と、嬉しくて、前向きな気持ちになったのだから。
 
もし、おみくじで凶を引いても、「一番悪い時があるのならば、その先は良くなる可能性しかない」と捉えることも出来る。見方を変えれば、凶は、一番幸せになれるポテンシャルを秘めているのだ。
 
おみくじの結果や、自分の身に起こった出来事は変えられないけれど、
何事も肯定的に捉えれば、人は前向きに、幸せになれるのではないだろうか。
 
だから、大吉のおみくじを落としたとしても、凶を引いたとしても、大勢に影響はない。
無敵マリオみたいに、前向きになれる方法は、いつだって自分の中にある。
 
 
 
 
***
 
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2021-12-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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