メディアグランプリ

天狼院の罠に嵌ってみた

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事;大河内二郎(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
コロナウイルス禍が始まったころ旅が出来なくなった。そんな中インターネット広告で、イタリアワイン講座というのが出てきてついクリックしてしまった。おかげで1年間イタリアワインについて飲んで学んだ。美味しかった。
 
しばらくして今度はインターネット広告でイタリアチーズ講座というが出てきて、ついクリックしてしまった。おかげで次の1年間はイタリアチーズを食べながら学んだ。これも美味しかった。
 
どちらも食欲と知識欲の両方を同時に満たしてくれた。旅行にもレストランに行けない人間をターゲットにした上手な戦略だと思った。もちろん知識よりも食欲の方が満たされた。
 
次にどんな広告が私を釣ってくれるか、と楽しみにしていた。旅と食事のコラボ、そんな組み合わせがいいなあ。そんな中、天狼院という会社のライティングゼミの広告がしつこく表示された。しかしこれは食べられないから無視をしていた。
 
同じころ、仕事で、でいろんな雑誌から、といっても全て医学関連の専門誌だが、原稿依頼を頂いた。特に今年の春から夏にかけて10000字程度の依頼が3つ重なった。
そういう専門誌は、仕事のお付き合い上断れないが、3本同時というのはなかなか堪えた。
 
そこで何か原稿を効率的に楽に書く方法ないかな、と考えるようになった。
 
そんなときに再び天狼院のインターネット広告が目に入った。しばらく迷っていたら、そのゼミの申し込み期間はいつの間にか過ぎてしまった。
 
その頃他の食べ物関係の通信教育には、目ぼしいものがなかった。そこで、8月から始まるライティングゼミに参加を申し込んだ。まだこの時は天狼院の策略には気付いていなかった。
 
8月に入ってライティングゼミが始まった。私よりも若い天狼院の社長さんは話が上手かった。最初は書く目的を持ちましょう、大きな野望を!とか言っていた。その他、文章を書く心得など、すべてごもっとも、としか言いようがない内容だった。そして、文章の目標は単純明快。それは「タイトルをクリックしてもらって、2000字を最後まで読んでもらうこと」だった。
 
課題は毎週2000字、全部で16回である。最初の私の記事は撃沈した。説明が多くて中だるみしている、そして読者へのサービスが足りないという指摘を頂いた。
これらは長い間の仕事で着いた文章のクセみたいなものである。修正しようとしたが、すぐに治るものでもない。次も、またその次もダメ出しを頂いた。
 
かなり凹んだ。
 
読むのは私の友人ではなく、私を知らない一般の人だ。その方々に文字で伝える。それには何をしたらいいのだろう。
 
仕事での正論を書いても仕方がない。
 
そこで思いついたのが、いつも凹んでばかりいる趣味の話。私も他人の失敗が大好きだ。他の人も私の失敗が好きなはずだ。
 
出来損ないの自分を書くことではじめて合格点を頂いた。
 
しかし有頂天のまま書いた次の文章は再び撃沈した。今度も読者サービスが足りないという指摘だった。
 
悔しかった。そして視点を変えて自分以外について書いた。友人の成功を一番下の原点から、どんどん登っていくヒーローズジャーニーになぞらえてみた。そしたら合格。
 
しかし、その次はやっぱり不合格。どうも私は一回上手くいくと慢心するようだ。だから、再び下り坂の自分を書くことにした。年を取ると体力は落ちていく。落ちていく自分がしがみつく話にして、合格。
 
7,8回目から別な問題が発生した。ネタ切れである。ネタ探しのために心はキョロキョロと周りを探すようになった。しかも、ネタの多くは夜ベッドで寝ているときに降って来るのだ。だから、ベッドサイドにノートと鉛筆を置くようになった。
 
そして今日が最後の課題提出。これまでの通算成績は15回のうち5つが合格。打率3割3分。
 
ここで書いた文章を自分のフェイスブックで公開してきた最初は合格を頂いたものだけを公開していたけど、不合格なのが納得いかないものもあり、それも公開してみた。
私には500人ぐらいのFBフレンドがいるが、だいたい100人前後の方から「いいね」を貰った。そして天狼院の添削で合格を貰った文章が必ずしも「いいね」が多いわけではなかった。書きながら作文には3種類あることに気づいた。
 
まず、私信 自分、あるいはもう一人の相手だけにあてたプライベートな文章。これはいわば家の池に浮かべたおもちゃの船だ。これは公開されない文章である。
次は、知り合いと共有する文章。自分を知っている数十人から数百人に宛てた文章。せいぜい湖に浮かべたボートだ。フェイスブックの文章はこれに相当する。私を知っている人が読む文章である。
 
そして最後は荒海に投げ出された船のような文章。相手は私を知らない人達。添削をする方々は、船が大海に漕ぎ出せるかどうか、という視点で文章を評価してくれていると思われた。
 
それに比べると普段私が依頼されて書く医学雑誌用の文章は、相手は不特定多数であっても、形式も内容もほぼ決まっている文章であり、湖でも、荒海でもない、ぬるま湯に思えてきた。
 
今日が最後の提出になる。
今は2000字の文章をクリックし、最後まで読んでもらうこと。それがかなり難しいことが分かってきた。
いつの間にか、当初の目標、つまり依頼された医学関係の原稿を楽に仕上げるというのは忘れていた。
 
そして私はまた次の文章教室を申し込んだ。
 
クリックしてから彼らの策略に気づいた。天狼院の目的は再度自社商品をクリックさせることなのだ。私はまんまと罠に嵌った。しばらくは騙されたままでいようと思う。
 
 
 
 
***
 
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2021-12-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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