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目標設定ってすごい!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:若林麻由(ライティング・ライブ福岡会場)
 
 
運動神経が悪いあるある。
小学校時代、ドッチボールの時間が地獄だということ。
ボールはキャッチできないし、当たったら痛いしで、苦痛だった。
 
泳ぐのもダメ。
なんせ沈むし進まない。
体育の水泳の授業は、みんなが大喜びの自由時間でさえ、水の中に入るのが嫌だった。
その自由時間にプールサイドのベンチで、タオルにくるまり体操座りして、はしゃぐみんなを眺めていただけなのに、バランスを崩して、体操座りのまま、プールサイドのコンクリートに顔面を強打した。
身動き取れないまま、だるまのように転がったまま、担任の先生にお姫様抱っこで保健室にダッシュで運ばれた時は、顔から火が出るかと思った。
実質、火は出ていないが、鼻のてっぺんと、鼻の下と、唇から、血は出た。
 
運動神経が悪いと、顔面まで怪我をすることを知った。
運動神経のいい友達に憧れるのは当然の心理だろう。
 
とても憧れていた友達は、私と違ってスラっと背が高く、足がとても早く、体育はなんでも得意だった。
その彼女が中学生になったらバスケ部に入る、と言う。
 
私も一緒にバスケがしたい!
 
だいぶ血迷った。
でも、中学で体育系の部活に入らなければ、一生運動と縁のない人生になることは目に見えていた。
子どもながらに、部活で毎日運動すれば、多少なりとも、体が運動に慣れるのではないか、と思ったのだ。
 
中学のバスケ部は市内で常に2位だった。
なかなか強いチームの、万年補欠だった。
 
高校生になり、またバスケ部に入った。
他の運動は、はなからセンスがないことは重々分かっていたため、選択肢はバスケ部しかなかった。
全然強いチームではなかったが、そこでも万年補欠だった。
なんせシュートが入らない。
入ったことがないわけではない。
ただ、著しく、入る確率が悪いのだ。
中学高校と合わせて6年もやって、こんなにシュートが入らない人も珍しい。
せめて、高校で、なぜ文化系の部活を選ばなかったのだろう。
たまに兄弟が集まると、2年に1回くらいの頻度で、議題に上がる。
「そんなにセンスないのに、高校でもよくバスケしようと思ったね。その神経が信じられない」と。
私も謎だ。若林の七不思議である。
 
そんな私は、我が子の運動神経だけはどうにか死守したくて、勉強は一切ない、運動系100%の保育園に子どもを預けることにした。
朝昼夕、長い廊下を雑巾掛けして体幹作り、常に素足。
毎年、卒園時には、年長さん全員が竹馬を乗りこなす、伝統ある保育園。
息子も娘も保育園が大好きで、たくましく育ってくれた。
 
晴れて息子が小学生になって、半年ほど経った時、私は担任の先生に呼び出された。
 
「息子さん、授業中、窓の外ばかり見ています……」
 
なーーにーーー???!!!
 
小学1年生で呼び出されることってあるんや……という衝撃と、
先生への申し訳なさで、涙が出そうだった。
「ほんっとにすみません……」と何度も平謝りすることしかできなかった。
 
家に帰って、主人と共に、息子に言った。
 
「お前はコーコーセーかあ!!! 小学1年生で、授業中、窓の外見て過ごすなんて、そんなこと! あるかあああ〜〜〜!!!」
 
「え、だって外の方が気持ち良さそうだから。じっと座ってるのがイヤ。保育園に戻りたい」
 
……そっか、そうだった。
通っていた保育園が動の極みなら、今の環境は静の極みだ。
1年生になったからといって、「はい、今日から切り替えて!」というのは至難の技だ。
新しい友達、新しい環境にすぐすぐ順応するのは大人だって難しい。
 
「そっかそっか、そう思うよね。小学校でも楽しいことを見つけていこうね」
 
こう伝えるのが精一杯だった。
その後も数回、先生から呼び出された。
学校から着信があるたびに、私が怯えた。
 
 
「学校は、休み時間に遊ぶために行っている!」
と豪語する息子がもうすぐ4年生に上がるという時、私の職場でのイベント、自分の夢を明確にすることがテーマの‘目標設定の会‘というものに親子で参加した。
 
その日が息子にとって、人生の転機となる。
将来の仕事について考えた時、
‘サッカー選手になって、ビッグクラブに入って、リーグ優勝することと、ワールドカップで優勝すること‘
と息子の目標が明確に決まったのだ。
 
大好きで楽しんでいたサッカーを仕事にする!
そう決めてから、目がキラッキラし始めた。
 
確かに、息子が教科書を開いたところは見たことないが、世界のサッカー選手名鑑は、受験生の辞書のように読み込んだ形跡がある。
誕生日プレゼントもクリスマスプレゼントも毎年毎年スポーツ用品。
 
その日を境に、
「サッカーが強い中学校に行きたい」
と言い出した。
 
「サッカーが強いところはどこも私立でね。‘受験‘というものがあって、試験を受けて合格しないと入れないんだよ」
と伝えると、
「必要なら勉強したい。国語が苦手だけど、どうしたらいい?」
と聞いてきた。
「毎日新聞を読むといいよ」
との主人のアドバイスをすんなり受け入れ、
慌てて小学生新聞を購読契約すると、届いた日からそれを毎日読むようになった。
 
え???!!
な、な、なんかすごいんやけど。
同じ人、よね?!
 
我が息子ながら、二度見した。
 
小学5年生になり、担任の先生から電話があった。
ビクビクしながら出ると、なんと、
「授業態度もよく、発表も積極的です。そんなふうにとても頑張ってる、ということをお母さんに知ってほしくて電話しました」
と初めてのお褒めの電話だった。
 
先生からの電話って、悪い時だけしかないと思っていた私は、ある意味とても驚いた。
 
目標が明確になったことで、サッカーへの気合いも練習も、より一層パワーアップした。
手前味噌ながら、みるみる上達してきた。
 
「サッカーは頭を使うから、今はそのために学校の勉強も集中している。プロ引退後も、スポーツのコメンテーターとかするためにも、勉強する」
と本人は言う。
 
え???!!
どの口が言う???!!
 
驚いてばかりの日々だが、
‘目標が決まると行動が変わる! 自ら動く!‘
このことを息子が証明してくれているように思う。
 
私の運動神経が悪いことにも、
そのきっかけでご縁のあった保育園にも、
私の職場にも、
今所属しているサッカーチームにも、
全てに意味がある。
 
全てのご縁に、感謝。
 
 
 
 
***
 
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2021-12-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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