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「抱え込み女子」返上への第一歩


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記事:深谷百合子(ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
「今日の分の報告書は、私の方で作りましょうか?」
「え? いいんですか? 助かります。ありがとうございます。よろしくお願いします」
 
ペアで一緒に仕事をしていた先輩女性からの申し出に、私は心からホッとしていた。
 
「あぁ、荷が軽くなって良かった」
と思うと同時に、あることにふと気が付いた。
 
「あれ? 私って素直に人にお願いできてる」と。
 
今までの私だったら、「私の方で作りましょうか?」と言われても、「大丈夫です! 私の方でやりますよ」と100%答えていたはずだ。相手も忙しいということは十分承知していたし、尊敬する先輩でもある。「こんなことくらい、私でやりますから」と抱え込んで、深夜まで頑張っていたと思う。
 
私にとって、これは大きな変化だった。なぜなら、今までの私は「頼めない」、「断れない」、「自分から背負い込む」と3拍子揃った「抱え込み女子」だったからだ。
 
例えばチームで活動する時、「リーダーは誰がやる?」という場面で、お互いの様子を見ながら誰も手を挙げる気配がないと、「じゃあ、私が」と手を挙げる。「リーダーをやりたいから」というより、「そうした方が丸く収まるなら、私がやればいいか」と思う。
 
自分でちょっと調べればいいことなのに、「これってどこにありました?」みたいにすぐに誰かに頼る人がいると、いつも「なぜそんなに気軽に人に頼めるのだろう?」と羨ましくもあり、腹立たしい気持ちがした。
 
私は、自分が頼むことで誰かの時間を奪うということに罪悪感があった。いや、罪悪感というより、誰かに何かを頼むのがこわかったのだ。人に迷惑をかけて、嫌われるのではないかという恐れだ。
 
さらに言うと、自分でちょっと頑張ればできることを人に頼むのは、甘えているようで嫌だった。大変だけど、これを乗り越えたら自分が成長できるような気持ちがしていた。
 
けれど、その根底に横たわっていたのは「自分が一番できる」、「自分が一番上手い」、「私しかいない」という過信だったと思う。
 
それなのに、今回はなぜ素直に「お願いします」と言えたのだろう? 理由は3つあった。
 
一つ目は、「締切り」だ。今回の仕事は、2日以内に2つの報告書を提出しなければならなかった。翌日も終日仕事が入っていたから、分量的にかなり厳しいことが目に見えていた。頑張ればやれないことはないけれど、私の仕事が遅れたら迷惑をかける。
 
二つ目は、「信頼」だ。ペアを組んでいた先輩女性を私は信頼していたし、尊敬していた。彼女に対して、「私しかできない」等と思う気持ちは微塵もなかった。
 
三つ目は、「機会を共にする喜び」だ。私は会社員時代に、部下に仕事を振ることがなかなかできなかった。でも、思い切って部下に仕事を任せてみたことがあった。そして、成果が出た時、私は自分ひとりでやって成し遂げた時よりも数倍嬉しかった。その経験を通じて、部下に任せるということは、成長の機会を与えることだということを学んだ。「機会」を私が抱え込んで独り占めする方が罪深いということを感じていたから、今回は素直にお願いできたのだろう。
 
「私がやりましょうか?」という相手の申し出を私は素直に受け取り、甘えることができた。そして、「抱え込み女子」の殻をひとつ破った。
 
今までの私のように、ついつい色々抱え込んでしまうのを何とかしたいなら、大事なのは「手放すこと」だ。頼んだら悪いとか、断ったら悪いとか、私しかできないというのは、すべて自分がそう決めているだけなのだ。そして重要なのは「与えること」だ。つまり、人に機会を与えるということだ。私はこれまで「頼む」とは「人の時間を奪うこと」だと考えていたけれど、違っていた。「頼む」とは「与えること」なのだ。
 
そう考えると、「いつも私ばっかり」と思っていたのが「皆で協力できている」と思えるようになり、「誰も助けてくれない」と不満だったのが、「気持ちよく引き受け、気持ちよく頼めている」状態になる。
 
でも、今までの思考グセをそんなに急には変えられないとしたら、次の3つを意識していくといいかもしれない。
 
一つ目は「数字で把握すること」だ。いつまでに、どれくらいやらなければならないのかを数字で把握すると、「自分の能力だけで、やれるかどうか」というのが見えてくる。「無理そうだ」と分かれば、自然と人に頼ることができるようになる。
 
二つ目は「分解すること」だ。いきなり全部を頼んだり、人から頼まれたことに対して「できません」と断るのはハードルが高い。「丸投げしている」とか「協力的ではない」と思われるのも本意ではない。それなら、「ここまではやるから、ここから先はお願い」という形で分解して、相手に手渡していけばよい。
 
そして三つ目は「経験すること」だ。誰かにものを頼んで、喜んでもらえたという経験を増やしていくことだ。そういう経験を増やしていくことで、人に何かを頼むということが抵抗なくできるようになる。
 
それを実践していけば、私が「抱え込み女子」を返上するのもそう遠くないと思っている。
 
 
 
 
***
 
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2022-01-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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