メディアグランプリ

やりたいことは、ない方がいい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:古山有則(ライティング・ゼミ10月コース)
 
 
「やりたいことがまったくわからないんです……」
と相談されると、僕はウキウキします。
というのも、カウンセラーをしている僕には、今までに100回以上同じような相談がきて、その後、劇的な変化を見てきているからです。
ある吃音の大学生さんは、海外に鞄1つで旅に行きました。
ある経理部のOLさんは、YouTubeでチャンネル登録者数11万人を突破しました。
ある復縁希望の女性は、ブロックされた彼氏と復縁をして婚約もしました。
夢かと思うくらい変化のきっかけは、相談者さんの
「やりたいことがまったくわからないんです……」
から始まります。
今までの激変を見ているおかげで、この相談を受けると、また劇的なストーリーが始まるのかの映画を観るように心が躍ってしまうのです。
 
このような質問を受けると、まず僕は相談者さんの状況を確認するようにします。
すると、仕事から帰ってくると、気づいたら寝る時間になってしまい、充実感がまったくない毎日を過ごしているのです。
家に帰ってくるのが夜8時だとして、寝る時間が12時だとすると、食事やお風呂の時間があったとしても、1〜2時間は自由時間があるはずです。
 
「寝るまでの間、何をしているの?」
 
と聞くと、ずっと好きな人からの連絡を待ってしまう、ずっとネット動画をみているなどと教えてくれました。
状況を把握できたら、次は質問をしていきます。
「まずは好きなことをノートに書き出してみてください」
充実感を得られないときは、そもそも好きなことをやっていない可能性が高いからです。
今まで「充実感をつくるには……?」を研究するために書籍を読み漁ったところ、
 
「自分が大切にしたい価値観を大切にできているときは充実感を得て、大切にできていないときは充実感がない」
 
と書かれていました。
実際に、過去の僕自身に落とし込んでも、充実感を得られないとき、好きなこと(野球や人と話すこと)をしていませんでした。
イメージがしやすいように、実際に僕のカウンセリングを受けて、人生が180度変わった佐藤めぐみさん(仮名)の例を参考にしていきます。
佐藤さんに質問をすると、
 
「好きなことと言われても……ないですね……」
と困った様子になりました。
ここで好きなものが見つかれば、好きなことを分析して、そこからやりたいことに出会う「種」を見つけていきます。
たとえば、ボルダリングが好きだとします。ボルダリングを分解すると、「運動」「高い」「登る」に分けられ、そこから近いものを探してみると、登山が見つかりました。そこから実際に試してみると、趣味に登山が加わり富士山に登るようになった人もいます。
 
このように、好きなものをヒントに、1つ1つの要素にわけて、やりたいことを見つけていくことができます。
佐藤さんの場合は、好きなことがないことから、この方法が通用しないので、雑談の中で探っていきます。
「今までの人生どのように歩んできましたか、学生時代の部活は?」
と、学生時代の部活、趣味、文化祭の役、社会人になって休みの日は何をしているか、恋愛など、多岐に渡る話題を出し、ゆるく話していきます。
僕は仕事で、1人30分、毎日8-10人カウンセリングをしています。
そこで気づいたのは、話しているトーンが変わるところを深掘りしてみると、思わぬ発見に繋がるということでした。
佐藤さんは恋愛の話をすると、急に口が重くなりました。
「実は、元カレのことが忘れられなくて……復縁したいとは思っているんですけど……」
話を深掘りしていくと、復縁したい気持ちと前に進みたい気持ちが混ざり、苦しんでいましたが、ある発見をしました。
「元カレと付き合っているときは、一緒にサーフィンに行って……」
「佐藤さん、サーフィンやったことがあるんですか、すごいですね!」
というと、そこから信じられないくらい佐藤さんは話が止まらないくらいイキイキと話をします。
気づいたら、佐藤さんは、こう言っていました。
「久しぶりにサーフィンやってみようかな」
そこで、佐藤さんは次の休みの日に軽い気持ちでサーフィンをしました。
すると、一瞬で気づいたみたいです。
「あれ、これ好きかも」
信じられませんが、佐藤さんはこれをきっかけにサーフィンにハマり、毎週住んでいる兵庫県から3時間かけて徳島県の海に通うようになりました。
それだけではなく、サーフィンをするために、苦手な早起きを克服するようになったのです。
その後、サーフィンが好きすぎて、なんと徳島に移住してしまったのです。
このような劇的な変化を見ていると、こう思います。
「やりたいことは、ない方がいい」
なぜなら、これから人生がひっくり返るくらい、やりたいことに出会える可能性があるから。
あなたも「やりたいことがまったくない……」と思ったら、チャンスです。
すでに激変のスタート地点にいるのですから。
そんなことを考えながら、毎日ウキウキでカウンセリングをしています。
 
 
 
 
***
 
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2022-01-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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