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婚活中の素敵な貴女へ 


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Miyuki(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
「ごめんやけどな、みゆきちゃん、良い夫、というものには、縁はないな」
 
大阪弁のその女性鑑定士さんは言った。
予約待ち2千人の鑑定士さんから私はそう告げられた。
 
……ガーン!!!
 
その一言にショックを受け、後に続く言葉が耳に入ってこない。
気づくと鑑定は終了し、凹みながら帰途につき、そのショックはその後、数日間続いた。
 
その時私は、結婚適齢期をとうに過ぎ、何年も婚活を頑張ってきたのに実を結ばず、自分を勇気づけようとまさに“最後の砦”としてその鑑定士さんに会いに行ったのだ。
 
 
結婚に全く縁がなかったわけではない。学生時代も、社会に出てからもお付き合いしていた人はいたし、実際、結婚を望んでくれた人もいた。
 
振り返れば、自分の勉強や仕事にいそしみ、趣味を楽しみ、人生を謳歌しているうちに気づけばこんな年になっていた。
人生折り返し地点がチラチラと見え始める頃になり、じわじわと焦りを感じ始めた。
 
そして、アラフォー女子の婚活セミナー的なものに参加するようになった。
 
ちょっとドキドキしながら行ってみると、結婚したいと望む女性たちが沢山いた。
こんな美人さんがどうして?! こんな素敵な立ち振る舞いが出来る女性が何故?! という人が沢山参加していて驚いた。
 
セミナーでは、どんな人とどんな結婚生活を送りたいのかをイメージして書き出すワークなどもあった。理想を具体化するといいらしい。
例えば、背格好はこんな感じ、週末は同じ趣味を一緒に楽しめる人、年収は自分と同じか多い方が好ましい、健康な人、お酒を飲みすぎない人、またはお酒が好きな人、などなど。そしてそれらを参加者同士でシェアすると、結構盛り上がって、すぐに仲良くなって仲間ができた。
 
女子同士の婚活仲間ができると、色々な情報が回ってくる。
「あの占い師さんにみてもらったら、すごく当たった」
「あの神社はパワースポットで開運できるらしい」
 
そうなると、
「じゃぁ、その占い師さん紹介して!」
「じゃあ、今度、その神社一緒にお参りに行こうよ」 となった。
 
そうして私は仲間に紹介されて、占い師さんや、いわゆる“見える人”のところにも行ったりした。
 
ある人には
「そうねぇ、貴女のお相手はねぇ、日本人、というかアジア人で、眼鏡かけてる、ほっそりした男性ね」
ある人には
「あなたにはねぇ、外国人ね、西洋系の人と一緒にいると思うよ」 などと言われた。
 
どれが正しいかなぁ、はやくその答えが巡ってきますように! と婚活仲間たちと年甲斐もなくワイワイ、キャキャとお喋りを楽しんだ。
 
そんな日々が何年か続いた。
数年過ぎる、ということはそれだけ年もとる。適齢期からはどんどん遠くなってゆく。
 
恋バナで盛り上がっていたはずのおしゃべりは、いつしか、どこが痛い、とか、体力が落ちてきた、どこの医者がいい、そんなテーマへと変わり始めていた。
 
そして、それ相応の年になると仕事で責任ある地位になったことへの重圧、または逆にこの年になっても、代わり映えしない仕事でお給料もあがらない、はたまた派遣で働き続けるには年齢がネックになる、そういった切実な話題も垣間見えてきた。
 
恋は若い頃、沢山したし、これからは落ち着いて一緒に過ごせる結婚相手を探さないと、と私は躍起になり始めた。
 
少しづつ、目に見える変化、例えば、駅の階段を下りる速度が遅くなったり、目じりのしわが深くなったり、短めのスカートが似合わない姿など、を自覚していった。
 
そして、それを自覚すればするほど、結婚相手はいずこに! とセミナーに行き、婚活パーティに行き、条件を見直し、婚活アドバイザーの忠告に従って、あまり好みではない、いわゆる女性らしい服装を身に着けて、婚活マーケット内での自分の値打ちをあげようと試みた。
 
賃貸で借りている古いアパートも引越したかったけれど、そのうち結婚するかもしれないから、との思いで住み続け、もうずいぶんと経ってしまっていた。
 
そんな日々のなか、職場では、人間関係で色々とあり、私は心を守るため、その職場を少し離れることにした。それは正しい選択だったけれど、月々のお給料は格段に減ってしまった。
毎月少しづつ赤字になり貯金を切り崩しながら暮らしていた。
 
毎朝、まだ夢半分の状態で「ハッ」として目が覚めて、自分に問う。「大丈夫か? 私」
 
このまま少ないお給料で、古い小さなアパートで、ひとり老いてゆく自分。
 
不安がぐるぐると頭をよぎる。
 
そして勝手にうらやんで、勝手に夢をみる。
「いいなぁ、結婚している人は。旦那さんが働いてお金の心配もなくて、弱ったら助けてくれる人がいて。私も早く安定した人に出会って人間関係複雑な仕事はとっとと辞めて、家で好きな事だけして過ごしたいなぁ」
 
なんとまぁ、勝手すぎる妬みと妄想だろうか。
本当は心の底で分かっていた。『そうは問屋はおろさない』それがこの世界。
 
そう、うすうす気づいていた。でも、胸の奥の扉の鍵を開けたくはなかった。
だから、もっともらしい理由をたくさん並べた。
 
恋は沢山したから、もういい。
落ち着いた心で、誰かを愛したい。
 
一理あるかもしれないが、それは建て前。
 
本当は……。
 
本当はね、怖かったんだ。一人で老いてゆくこと。そしてお金のこと。
 
将来が不安で、不安で、その解決策として結婚、という制度を無意識に、あたかもそれらしい理由をつけて求めようとしていたんだ……。
 
そのことに気づかせてくれたのは「良い夫、というものには、縁はないな」の一言。
 
鑑定士さんは後で聞き直しなさい、と鑑定を録音するように事前に言ってくれていた。
 
その言葉のショックから少し立ち直ってから、ようやく録音を聞いてみた。その言葉の後にはこう続いていた。
 
「良い夫、というものには、縁はないな
でもな、彼氏っていう縁はありそうや
 
恋をしいやぁ~、みゆきちゃん
どんな条件の人かなんて関係ない、恋はそんなん関係ない
人を好きになりぃ
 
今まで勉強や仕事、頑張ってきたんやろぅ
それで今、自分で自分を養って暮らせているんやろぅ
充分やんか、それで」
 
はじめの一言のショックが大きくて、なかなか次に続く言葉が入ってこなかった。
いや、実際は核心を突かれて、防衛反応がおきて聞けなくなったのかもしれない。
 
時間をかけて自分の人生と心を見直した。
何度も自問した。
「本当に結婚をしたかったの? では誰と? 不安を解消してくれそうな誰かさんと?」
 
答えは自然と出てきて、納得した。執着が手から落ちていった。
 
「そうだね、自分の人生は自分で責任をもって生きていこう、出来る範囲でいいから」
そう思えたら私の心は軽くなって、肝がすわった。
 
すると何かが変わったのか、職場も苦手な人がいなくなり、前の仕事に戻ることになった。
ずっと引越したかった古いアパートからも出ることを決めて、小さいながらも自分の住処を手に入れた。今の暮らしは、これまでの人生の中で一番自分にしっくりときて、とても心地よい。
 
もし何かを求めて、求め続けて、それでもそれが手に入らなくて苦しくなったら、求める心を手放してみるのはどうでしょうか。
 
何か変わるかもしれない。
 
 
あの時、鑑定士さんが予言した恋は、いまだ姿を現していない。
待ってもいないし、ましてや探してなどいない。このまま現れないかもしれない。
 
もうそれは、どっちでもいい。それくらいがちょうどいい。
 
 
 
 
***
 
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2022-01-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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