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メディアグランプリ

Mステよりタモリ倶楽部、な私が見た新世界


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:光山ミツロウ(ライティング・ライブ福岡会場)
 
 
人には誰しも、やれと言われれば、ええやりますよ? でも率先してはやりたくないんですよね実は、といった、ちょっとした苦手なこと、反射的にうわっ嫌だなぁ、と思ってしまうこと、というものがあるのであって、例えば初対面で同学年と分かった途端にタメ口に切り替える人との会話、めっちゃ可愛くないですか? と嬉々として見せられた知人の飼い犬の写真への当たり障りのない返答、気の進まない飲み会での幹事及び泥酔者の介抱、その他上司がドヤっ! とした表情で不意に放つ親父ギャグへの礼を失しない応答の仕方等々、他人は何の苦労もなく出来ているのにオレ、アタシには上手く出来たためしがない、あるいは上手く出来る気がしない……と、夜も眠れぬほど悩んでいる、というわけではもちろんないが、何となく気が進まない、出来ればこれを避けて通りたい、という出来事に出くわすものである。
 
無論、だからといって、これらを避けて完全自由でストレスフリーな社会生活を営めるか、というと余程の世捨て人、あるいは山奥で独り生きる達観した仙人でもないかぎり、そうは問屋が卸さないのであって、良い歳をした大人同士が互いに関わりあってこの世の中、あるいは経済社会というものが運営されている以上、いくら初対面とはいえ同学年と分かったらタメ口で話さないといけないし、特段興味の湧かない犬の写真にも興奮気味に、うわぁっ! マジ可愛いですね! と笑顔で返さないといけないし、親父ギャグにはあくまで自然な爆笑でもって応答し上司の承認欲求に寄与する必要が、やはりこれはあるのである。
 
国、算、社、理、体などといった、いつ見ても代り映えのしない文字が無表情に並んだ時間割表を見ては、はやく大人になって自由になりたい! と常々思っていた小学生の頃の私がこの真実を知ったら、さぞガッカリするだろうが、大人になるとはつまりそういうことであるような気がする。小学生の頃の俺、ドンマイ。
 
では、翻って、今の自分は完全な大人になり切れているか、というと、必ずしもそうとは言えないのであって、反射的にうわっ嫌だなぁと思うこと、出来れば避けて通りたいと思うことは日常に溢れているように思う。
 
ただ、嫌なものを嫌だと叫び続ける、あるいは避けたいことを避け続けるその先のメリットと、そういったものを受け入れ、体験し、経験と言えるまでに昇華させた大人だけが享受できるメリットを比較した時に、どちらがよりその人の人生を豊かにするかと言えば、真実を知ってガッカリしている小学生の頃の私には申し訳ないが、やはり大人として享受するメリットに軍配が上がるような気が、私はするのである。
 
ではどうして、大人として享受できるメリットに軍配が上がると思うのか、というとそれは他でもない、私自身がこれまで苦手! 嫌なものは嫌っ! と避け続けてきたあることを先日実行してみたところ、新しい世界が見えた(ような気がした)からに他ならない。
 
それは先日の休みの日、彼女とドライブをしていた時のこと。
 
「今度の休みは、あそこ行ってみない?」
 
彼女にそう言われ、視線を向けた先には老若男女の大行列。
 
そこは、グルメ系メディアに頻繁に取り上げられ、長年に渡り話題になっている洋食屋で、いつ店の前を通っても少なくとも20人は行列をなしている繁盛店であった。
 
「おぉ、いいね! 行こう行こう!」
 
満面の笑顔でそう返したものの、私の心中は笑顔ではなく、真顔だった。
 
どうしてか。
 
それは何を隠そうこの私が、繁盛店の行列に並ぶ、という行為に対して、初対面の人とのタメ口や、親父ギャグへの応答と同じか、それ以上に苦手意識を持っている、あるいは「なんか、嫌」と嫌悪感を感じてきたのであって、これまでの人生において極力避けてきた行為であったからに他ならない。
 
というのも、これまでの人生をどちらかというと天邪鬼(みんなと違うのが好きなんです)的なスタンスで生きてきた私は、青臭さを承知で言うが、出来るだけ個性的に人生をやっていきたい! 人と同じことをするのはつまらない! と、映画を観るならシネコンより単館系、音楽を聴くならメジャーよりインディーズ、小説を読むなら芥川賞より酒飲み書店員大賞、タモリ氏を観るならミュージックステーション(ゴールデン番組)よりタモリ倶楽部(深夜番組)……といった具合に、何かにつけ大衆(と私が青臭い意識でもって勝手に定義しているもの)への迎合を忌み嫌う、世に言う「面倒くさい」とされる意識の持ち主なのであった。
 
繁盛店の行列に並ぶ、という行為は、大衆に迎合する行為そのものである、という意識が根強く私の中に残っていたのであった。
 
「行列に、しかもメディアで話題になった繁盛店の行列に、これ見よがしに嬉々として並ぶ自分の姿が、どうしても想像できない……」
 
そんな違和感を1週間ほど抱えながら、次の休みの日を迎えた。
 
結論からいうと、最高だった。
 
行列に並んで良かった、大人になって良かった、と心から思った。
 
かれこれ数十年生きてきて、こんなに美味しい食べ物を食べたことはなかったし、この美味しさを前にして個性的に生きたいだの、大衆への迎合だのといった青臭い考えは一瞬で吹き飛んだ。
 
店内で美味しいものを食べながら幸せな気分に浸っていると、あるいはそういう人達に囲まれていると、行列に並ぶことは大衆に迎合することである、という自分の考えが、なんと狭小で馬鹿馬鹿しい考えであったか、と笑ってしまう程であった。
 
「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」とは良く言ったもので、嫌なものを嫌だと叫び続ける、あるいは避けたいことを避け続けるのも良いが、嫌だけど、避けたいけど、でもやってみる! というスタンスを持つことで見えてくる世界は、確かにあった。
 
もし今後、初対面で同学年と分かった途端にタメ口になる人、あるいは嬉々として飼い犬の写真を見せてくる人、その他ドヤっ! とした表情で不意に親父ギャグを放ってくる上司等に出くわした際には、自然なタメ口で会話を楽しむ、あるいは他人の飼い犬に興味を持って質問をするなどして話を膨らませる、その他親父ギャグを上回る捨て身のギャグで応答する等を意識的に実行すれば、これまでの私の人生にはない新しい世界が見えてくるかもしれない、と心からそう思ったのであった。
 
そのためにも私は、まず手始めに、シネコンで映画を観る、芥川賞受賞作を追いかける、ミュージックステーションを毎週欠かさず録画する等から取り組んでいきたい、と密かに思っている。
 
 
 
 
***
 
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2022-01-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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