同僚を殺したいほど憎んで退職した私が、やりたいことをしたことで変わり始めた
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:清野千聖(ライティング・ゼミ2月コース)
「あなたは今までの人生で、人を殺したいほど憎んだことはありますか?」
その問いに、「全くありません」と答える人は全世界の人類の中でどれくらいいるだろうか?
人を殺すくらいなら、自ら命を絶つという選択をした人もいるかもしれない。
私は、大学卒業後、社会人になって30年以上経つが、転職経験が多い。どの仕事をしても長続きせず、挫折を繰り返してきた。
でも、転職の繰り返しの中で、多くの出逢いを得られたこと、様々なスキルを学べたこと、人の心の痛みが少しだけわかるようになったこと……全てが無駄なことではなく、財産になっている。
転職に役立つと思い、資格取得のためにかなりのお金と時間を費やした。
ある意味、自己啓発が目標だったかもしれない。
大学時代に取得した図書館司書の資格は、仕事として生かすことができず、30年経ったが、奇跡が起きた。非常勤ではあるが、地元の市立図書館に司書職として、2021年4月に採用されたのである。
しかし、ずっとやりたかった図書館司書という仕事に就くことができたのに、7か月間しか働くことが出来なかった。
2021年10月末まで勤めていた職場での出来事である。
大好きな本に囲まれ、読書が趣味という利用者に貸出しした小説の感想を聞くたびに幸せな気持ちになり、充実した生活を送ってきた。
仕事はやりがいがあったが、任された担当業務が膨大であり、私と同じ担当の勤続15年の女性と2人のペアで仕事をすることがどれほど辛かったか……。
彼女は、自分が頑張る分、頑張りが足りないと感じる相手に厳しく当たるタイプである。
面倒見が良く、分からないことは私がわかるまで丁寧に教えてくれた。
彼女の期待に応えようと、私なりに努力してきたが、ある日、張り詰めた糸が切れた。
ある日のこと、私は出勤し、彼女と目があった瞬間、睨みつけられた。そして、開口一番こう言った。
「あとで話があるんだけど時間作って欲しいんだ。これから先、一緒に仕事をしていくために大事な話をしたいから……」
そして、お互いの仕事が少し落ち着き、時間が取れ、話をすることになった。
何か悪い予感はしていたが、案の定、私に対しての不平不満をぶちまけてきた。
「私、あなたがこの職場に来てから、仕事している様子を見てきたけど、全然ダメだね。きのうのシフト、遅番だったよね。本の五十音順の並び替え、何でしておいてくれなかったの?帰りが遅くなっても、やるべきことはやって帰ってくれないと困るよ」
その業務が昨日出来なかったのは理由がある。私は心の中で呟いた。
言うべきか、言ったところで彼女が理解してくれるのかと悶々と頭の中で格闘した。
そして、私はこう言った。
「昨日の遅番の勤務中、いつものクレーマーが来て、対応に追われてしまい、疲れて、業務終了後、そのまま帰りました」
彼女と話をした時間が、昼食期間前というのが悪く、その日は、空腹にもかかわらず、持参した手作り弁当を一口も入れることができなかった。喉が乾き、500ミリリットルのペットボトルの水を2本も一気に飲み切ってしまった。同時に、エアコンが効いた部屋にいても、なぜか全身から多量の汗が吹き出した。
周りの職員に涙を見せたくないから、更衣室に入り、一人で涙を流した。
ちょうど、その時、更衣室をノックする音が聞こえた。「はい、どうぞ」と返答したら、私たち2人の会話を聞いていた他の職員が更衣室に入ってきて、そっと慰めてくれた。
それから数日経っても、彼女の私に対する態度はますますエスカレートし、徐々に、私の精神状態がおかしくなってきた。
彼女と私、どちらがこの世から先にいなくなるか……そんなことばかり仕事中に考えるようになり、悩み続け、私は退職を決断した。
人は精神状態が極限まで達すると、どうなるかわからないものである。
今回、自分で自分の精神状態をコントロールできるようになったから、何事も起こらなった。
これから先の人生も何が起こるかわからない。でも、自分は変えられても他人は変えられないのだ。俯瞰して、理屈化できた。
退職後、まだ新しい仕事には就いていないが、ささやかでも小さい幸せを日々噛みしめている。
生きている限り、やりたいことを思う存分やってみようと決めた。
退職後の数か月間、まだ行ったことがない都道府県を訪れて、47都道府県すべてに足を踏み入れることができた。
縁結びの神様と云われる島根県の出雲大社の参拝のご利益もあり、これから先の人生を共に歩めそうなパートナーができた。
一旦、重い荷物を降ろしたら、新しい世界がどんどん見え始めている。
まだまだ、やりたいこと、やり残したことがたくさんある。
自分軸がぶれないように生きていきたいと思う。他人の人生を生きているわけではないのだから。
今は、多くの気づきを与えてくれた図書館で一緒に働いた同僚への感謝の気持ちも芽生え始めている。
ありがとう!
***
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