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「~してやった」とはいかに! ~言葉の使い方って難しい~


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:わこ(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
「~してやったのに」とか「~してあげたのに」という言葉を聞いたことはないだろうか。
この言葉は、私は家族から聞くことが多かった。
 
時々、家族以外の人が使っているときがあるが、私はあまりいい印象はもっていない。
 
「家族から聞くことが多かった」と書いたのは、他でもない、わが姉の長女「けい姉」がよく使う言葉だ。
両親からはこの言葉を聞いたことはない。
 
もう一度読んでみてほしい。
「~してやったのに」とか
「~してあげたのに」
この言葉を読んであるいは聞いて、あなたの気持ちはどう感じますか?
 
けい姉は、私が小学1年生になった頃、小学6年生だった。
姉妹なのに、あまり共通の話題がないので、ほとんど話をしていなかった。
当時の印象は、とても物静かで、怒ったところをみたこともなく優しい姉という印象だ。
 
今でも、もちろん優しい姉なのだが、一つだけ問題があった。
本人は、全く意識がないのだが、話を聞いていると、逆に相手がかわいそうになるほどだ。
 
彼女の仕事は、保健室の先生だ。基本的に保健室に一人でいるので、誰も来なければ自由な職場である。
その場所に、メンタルが弱った先生や子供たちがよく集まっているらしい。
流石に子供たちにはお茶やお菓子は出さないが、休憩がてら来た先生には、お茶やお菓子を出しておもてなしをするらしい。おせっかいおばさん発動だ。
 
「え? そのお菓子やお茶は自前ですか?」と聞く。
姉はすかさず「当り前よ~。駄菓子はださんよ。美味しいお菓子を自分のために持っていくから、それをあげてるの」と言う。
 
なるほど、自分のために持っていっているものを人に分けているのか。
なんて優しい奴だと、わが姉ながらそう思った。
 
ある休日に一緒に出掛けることになった。
電車の中では、ずっとご機嫌斜めで、何を怒りながら話しているのかとよ~く聞いてみる。
 
すると、姉はこう言っていた。
「システムの真面目君なんだけどさ。私は、忙しくても時間つくって話聞いてるんだよね。お菓子まで食べさせてんのよ。それなのに旅行に行ったりしてもお土産一つ買ってこんでさ。買ってきたと思ったら駄菓子だよ! 駄菓子!」
 
んんん?
何言ってんの? 私は心の中でそう思った。
 
私の姉は、とにかく安っぽいお菓子が嫌いなのだ。
思わず何様ですかといいたくなる。
 
「あんなにしてやってるのにさぁ……」
姉がボソッと呟いた。
 
その瞬間、その言葉は私の琴線に触れたのだ。
「おねえさぁ。それおかしくない?」
「だってさ~自分が勝手に良いお菓子あげてたんでしょ?」
「そんなの相手が欲しいって言ったんじゃないよね」
「相手がそれ欲しいとか、してほしいとか言ったわけ?」
「自分がやりたくてやったんじゃないの?」
「おねえいっつもそうじゃん。自分がしたからって相手もしてくれると思ってんの?」
「怒るってことは、相手に期待してんだよね。見返りがあると思ってんの?」
そう言ってまくし立てていた。
いや、もしかしたらもっときつい言葉を言っていたかもしれない。
これまでのことがこみ上げてきたのかもしれない。
 
姉は、とにかく人にいろんなことをするのが好きなのだが、少し恩着せがましいのだ。
「~してやった」この言葉がいつもでてくる。
自分がしたくてしたのであれば「~した」でいいのではないかと私は思うのだ。
 
人に何かしらの期待をするから、自分の期待した通りにならないことに怒るんじゃないの? と私は思っていた。
 
本当に、相手のために自分が何かをしたいのであれば、それは「見返り」や「期待」はどこにはないのだ。
だから、相手がお礼を言うも言わないも関係ないし、お返しのお菓子を貰う、貰わないとかも関係ないのだ。
人によっては、ダイエットをしていて、お菓子を出されて困るかもしれない。大きなお世話なのかもしれない。
自分がいいと思ったからと言って、人も同じ思いというわけではないのだ。
 
姉は、「そういうつもりじゃないのに……」
そう言って、機嫌悪そうにそっぽを向いた。
 
私こそ、何を興奮しているのか。我に返り、まだ、言い足りない気持ちを押さえた。
もとは大した話ではないのだが興奮してしまった。
 
ちょっとしたことなのだ。
本当に、ただ言葉の使い方だけの問題なのであれば、それは大した問題ではないかもしれない。
しかし、そこに何かしらの思いが入っていたとしたらどうなのだろうか。
よく言う「言霊」のようなものだ。
自分の思いと、それを受け取る側の思いは違って当たり前だし、違ってもいいと思うのだ。
だが、言葉の使い方ひとつで、相手を喜ばせることもできるし、怒らせたり、悲しませることもできる。
言葉のちょっとした使い方次第で、人の心も変わるのだ。
 
散々私が、電車の中で言ったからなのか、姉はしばらく口をきいてくれなかった。
後日談として、次女の姉から聞いたのだが、姉貴は落ち込んで次女へ電話をしたらしい。
そこで、今回の話をしたら「ねえちゃん、わこが言ってる通りやわ。自分でわからんかったと?」とあっさり言われたらしい。
 
姉としては「そんあつもりじゃなかった」言葉の使い方だが、受ける側がどんな気持ちなのかも考えて使うことも必要であるということを、私は姉から学んだのかもしれない。
 
 
 
 
***
 
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2022-03-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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