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文章を書くことは料理を作るように簡単?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:油井貴代子(スピード・ライティング特講)
 
 
文章を書くことは簡単なことだろうか? 今の私にとってはまだそれほど簡単には思えない。仕事柄、文章を書くことも多いが、長文は苦手だと思っている。
では、料理を作ることは簡単だろうか? 今の私には簡単なことではあるが、ここまでの道のりはとても長かったように思う。
 
私は料理をほとんどすることなく、結婚をした。母は専業主婦であったため、私が料理を作ることはほとんどなかった。たまに作る時は自分が食べたい物ばかりを作っていた。
新婚時代は「愛情」というスパイスが、まずい料理をおいしくしてくれる。そして、愛情が薄れてくる頃に料理の腕も上がり、食卓においしいご飯を並べることができる。それが私の持論であった。今でもそれはそんなに間違っていないと思っている。
ただ、料理を作るのが好きかというと、以前はそれほど好きではなかった。主婦だから作らないといけない、家族を満腹にさせないといけない、そんな感じで作っていたように思う。自分がおいしいと感じたら、きっと家族もおいしいと思ってくれているに違いない、そんな風に考えていた。
母と違って専業主婦でもなく、仕事や家事、子供の世話をしながら毎日のご飯を作ることは苦痛であった。多分多くの主婦が「今日のごはん何?」の一言に、むっとしていると思う。そんなの自分で考えろよ……
得意ではなかった料理だが、手間をかけずに簡単に作るコツだけは、主婦歴と共にアップされ、ものすごい勢いで夕飯を作ることができるようになった。手間と無駄を省き、頭の中で料理の組み立てをしながらチャチャっと作るのである。主人はそれがどうも気に入らないらしいが、それでもお構いなしだ。子供たちはおいしいとほめてくれる。それで十分だった。
ところが、ひょんなことからボランティアで料理を作るようになった。多くの人がほめてくれ、おいしいおいしいと食べてくれる。それは特別なメニューではなく、家で食べているのと同じものである。最初はみんなの口に合うかどうか心配でヒヤヒヤしながら作っていた。でもあまりにもほめてもらえるので、だんだん気分が良くなり自信が付いてきた。
主人に、「すごくおいしいってほめられるのよ?」と言うと、最初は怪訝そうな顔で食べていたが、いつの間にか「そう言われると確かにうまいな。それに、俺の作った野菜をこんなにいろんなやり方で食べさせてくれて、ほんとすごいわ」とほめてくれるようになった。
主人は家庭菜園をしており、いつも大量の野菜が家にあふれている。スーパーと違って、季節ごとに野菜は大量に収穫される。私の足くらいある見事な大根が毎週一本とか、大きな白菜が毎週一玉とか、青梗菜がスーパーの袋に一杯とか、とにかく「誰がこんなに食べるねん! いったい何人家族やねん!」というくらい持ち帰ってくる。それを手を変え品を変え、見事に使い切る心地よさ。気が付けば私は料理をするのがとても好きになっていた。好きになると、おいしいものをどう作るのか、自然にわかってくるようになった気がする。献立の組み立て方など、頭の中に湧き上がるレシピをパパっと作ることが出来るようになったのだ。
 
スピード・ライティングの講座を受けて、頭の中に広がったものを一気に文章にしてアウトプットしていく、という話があった。これを聞いた時、私の料理と同じだと感じた。でも、まだまだ私には文章を書くことが苦手であるとしか言えない。
毎日書くことはできないが、なるべく2日か3日に一度、記事を書くように心がけている。だが、ほとんどは500字程度で止まってしまう。一度止まってしまうと、どんなにがんばって一文字一文字書き進めても、すぐにパタッと書けなくなってしまう。
逆に、一気に最後まで書きあげる時もある。なぜだか自分でもよくわからないが、書ききれるのだ。途中で止まることもあるが、書いている途中でふとひらめいたり、無意識にキーボードを叩けたりして、最初に考えていたより良い結末に持っていけることもある。これも料理に似ているなと思う。「この味付けは醤油の方が合うかも?」と途中で味を変えたり足したり、一瞬のひらめきで素晴らしくおいしくなることがあるのだ。
 
最近は毎週書いたものをフェイスブックに個人的に投稿し、知り合いに読んでもらうようにしている。そうすると、みんながほめてくれ、とても励みになる。最初は恥ずかしいと思っていたが、これがとても心地よくなってきた自分がいる。まるで、ボランティアで料理を作っていた時のような感覚だ。まだまだ得意であると胸を張って言えない文章だが、それでも少しずつ苦手意識は消えてきたような気がする。毎日の積み重ねで、きっと料理を作るのと同じように、おいしい文章が書けるようになると自分自身に期待をしている。
 
 
 
 
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2022-03-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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